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「る」について考える

一段活用

五段活用の次は、上一段活用。
 活用は、
未然 連用 終止 連体 仮定(已然) 命令
い  い  いる いる いれ    いよ

で、「い」の部分がい列になっている動詞たちが上一段活用。
「い」の部分がえ列になっている動詞たちは下一段活用。

カ行のい列「き」だと「きる
着る 飽きる 尽きる 起きる などは上一段活用
 ところが
切る 仕切る は ラ行五段活用

下一段活用だと
寝る 兼ねる こねる すねる つねる 跳ねる 真似る
 ところが
くねる ひねる はラ行五段活用

このように(というほどでもないけど)、一段活用は「る」で終わりますが、「る」で終わるから一段活用というわけではないのです。

逆にほかの行はどうでしょう。

ある うる おる

 ア行の「ある」は五段活用で述べたように、未然形がないラ行五段活用でした。

 ウ行の「うる」はどうでしょう。「売る」はラ行五段活用
では「得る」は?

  得ない 得ます 得る 得る 得れ 得よ
  え   え   うる うる うれ えよ

これは下二段活用、得る「うる」は、文語なんですね。
口語では「得る」は「える」下一段活用です。
文語から口語になるとき下二段活用からが下一段活用に収斂した一例です。経る ふる と へるも同じ感じかな。

このように、「うる」系のなかには、文語が残っているものがあるということです。

オ行の「おる」の場合、「織る」 「折る」 はラ行五段活用

居るいると読めば上一段活用
居ない 居ります 居る 居るとき 居れば 居れ
い   おり   おる おる   おれ  い
未然形が変なラ行五段活用。ありといっし

ここで、あり おり ?? !! はべり いまそかり をが想起された。

なんだっけ?

ラ行変格活用 だった

ある 居る は 文語では あり 居り が終止形でラ行変格活用をしている動詞。

口語になってもラ行5段活用に納まっていない。

ウ列カ行の 「来る」はカ行変格活用 ウ列サ行の「する」はさ行変格活用

このように、「る」で終わる動詞はいろんな問題を抱えている。

アル かる さる たる なる はる まる やる らる わる
イル きる しる ちる にる ひる みる ゐる りる ヰる
ウル くる する つる ぬる ふる むる ゆる るる 
 スル 
 クル
エル ける せる てる ねる へる める    れる
オル こる そる とる のる ほる もる よる りる をる
下一段活用
 える 得る 超える 会える 癒える 植える 終える
 ける 蹴る 避ける こける 開ける 活ける 受ける 置ける
 せる あせる 臥せる 失せる 消せる 超せる
 てる 果てる 立てる 建てる 充てる 打てる 勝てる
 ねる 兼ねる うねる くねる こねる
 へる 経る 
 める 覚める 埋める 噛める 決める 組める 込める 編める
 れる 倒れる 荒れる 淹れる 刈れる 切れる

P.S.

五段活用の自動詞が下一段活用で他動詞になるものがいくつか見つかった。
さらに、助動詞れる られる 問題が絡んできそうな感じがした。例だけ挙げてみます。

立つ 立てる ビンを立てる あの子は立てる 瓶が立てられる
建つ 建てる 神社を建てる         神社が建てられる
開く 開ける 扉を開ける  扉は開けられない 扉が開けられる


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