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ヘスペリデスの園 と 黄金のリンゴ

ヘスペリデスの園

は世界の西の果てにある。その近くでは、アトラースが天空を背負って立っている。ペルセウスのメドゥーサ退治の伝説、ヘーラクレースの11番目の功業の物語の舞台となった。
「ヘスペリデスの園」にはヘーラーの果樹園があり、ゼウスとヘーラーの結婚の祝いとしてガイアが贈った黄金のリンゴの木が植えられている。

アトラース山の頂にある果樹園にヘーラーが移し植えたとされる。

ヘスペリデスの園はアトラス山脈の上にあるということですね。

ヘスペリデス

は、ヘスペリデスの園にすんでいて、黄金のリンゴの木の世話をしているニュンペーでその名前は「黄昏の娘たち」という意味。

西側だからね。

また、百の頭を持つ・ラードーンがリンゴの木の周りにぐるぐる巻き付き、番をしている。

ヘスペリデスの出自

ヘスペリデスの系譜は意外とたいへんだったのでまとめてみる。

『神統記』では夜の女神・ニュクスが1人で生んだ娘たちとされる。この説だと話は簡単ですね。
 一般的にはアトラースの娘として知られ、プレイアデス、ヒュアデスがプレーイオネーとの娘たちであるのに対し、ヘスペリデスはヘスペロス(宵の明星)の娘であるヘスペリス(黄昏の女神)との間に生まれた娘たちであるといわれている。
 こちらを少し追ってみましょう。
 へスぺロスは、アストライオスとエーオース(暁の女神)の息子
 エーオースはティターン12神 ヒュペリオーン(太陽神・光明神)とレイアーの子で

アストライオス(星の男)は、ティーターンのクレイオス(天の雄羊)とガイアとポントスの娘エウリュビアー(ポセイドーンの支配下の副次的な海の女神)の子で、エーオースとの間に、西風の神ゼピュロス、北風の神ボレアース、南風の神ノトス、さらに明けの明星ポースポロスと星々をもうけた。

 アトラスはティーターン神族のイーアペトスとオーケアノスの娘クリュメネーの息子。プロメーテウス、エピメーテウス、メノイティオスの兄。

太字はティターン12神
           ウーラノス ガイア 
   ↓      オーケアノス テーテュース
  イーアペトス      クリュメネー(オーケアニデス)
アトラス プロメーテウス エピメーテウス メノイティオス

   ウーラノス ガイア ポントス ガイア ウーラノス ガイア
      クレイオス  エウリュビア ヒュペリーオーン テイアー
          アストライオス      エーオース(暁の女神)
                      ヘスペロス(宵の明星)
プレーイオネー      アトラス     ヘスペリス(黄昏の女神)
   プレイアデス、ヒュアデス   ヘスペリデス(7名)
                  (アイグレー 輝き・明るい女
                   エリュテイア 紅・赤い女
                   アレトゥーサ
                   ヘスティア 夕方の女
                   ヘスペラ 黄昏の女
                   ヘスペルーサ 夕方の女
                   ヘスペレイア 夕方の女)

黄金のリンゴ

 は、さまざまな国や民族に伝承される民話や説話の果実である。 印欧語で"Apple"は果実全般を指す語である。「黄金の林檎」という語も、必ずしも現代で言う林檎を指すわけではなく、他の果実であることが多い。

女狩人アタランテーの話。
ヘーラクレースの十二の功業の話。(11番目は、ヘスペリデスの園からこの黄金の林檎を盗み出すこと)

アキレウスの両親である、人間の子ペーレウスとティーターン族の娘テティスの婚儀に、争いの女神・エリスは招待されなかった。怒った彼女は、「最も美しい女神へ」と書かれた、ヘスペリデスの黄金の林檎(不和の林檎)を神々の座へ投げ入れた。この供物をめぐって、ヘーラー、アテーナー、アプロディーテーの三女神による激しい対立が起り、ゼウスはこの林檎が誰にふさわしいかをトロイアの王子パリスにゆだねた(パリスの審判)。これがトロイア戦争のきっかけとなった。

多くの言語で、「黄金の林檎」とはオレンジのことである。 ギリシア語の「χρυσομηλιά」とラテン語の「pomum aurantium」は、どちらも字義は「黄金の林檎」であり、オレンジを意味する。ドイツ語、フィンランド語、ヘブライ語、ロシア語といった他の言語では、さらに複雑な語源を持つ語が、同じような着想でオレンジを表す。 オレンジの原産地はインド北西部のアッサム地方で、4200年前に中国に伝わり、2世紀頃にローマに伝わり、7世紀頃にイスラムを通じてヨーロッパに持ち込まれた。
 トマトは古代ギリシア世界ではその存在を知られておらず、イタリア語でトマトを意味する"pomodoro"の語は、「黄金の林檎 pomo d'oro 」から派生している。

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