見出し画像

人生の喪失感

今日、娘が家を出て行った。
家を出す選択肢しかなかった。どんなに自問自答しても他の選択が思いつかなかった。娘が出て行ったあと、猛烈に家の掃除を始めた。
娘の部屋の寝具を洗濯し、10年以上引きっぱなしだったらラグマットを処分し、ベッドの下の物を全て出し整理した。電球が切れたままになっていた照明も取り外し、エアコンをつけているのに汗だくになって掃除に没頭した。何かしていないと人生の喪失感が押し寄せてきそうな気がした。自分の人生何だったんだろう。
自分の家族には恵まれなかった。自分で幸せな家庭を築きたいと思う夢も叶わなかった。それでも授かった念願の娘との生活を大切に築き上げてきた。どんなことがあっても娘の手を離さなかった。本当はもっと早く離したほうが良かったのかもしれない。だが未成年で私しか家族がいない娘の手を離す決断はいつも最終的に出来なかった。成るべくして成った結果だ。これでいい。これでいいはず。なのに涙が止まらない。
人生の喪失感。この一言に尽きる。