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女性クリエイターは何をしているのだろうか

先日、漫画原作になったらいいな、と思う作品を創作仲間と3人で作りました。ざっくりとした世界観・ラストまでの展開・1話の詳細で、実際に原作としてどこかで漫画にならなければ、続きを書けない系統の話ではありますが、Production IGとかボンズ様(バトルシーンを手掛けさせたら右に出る者はいないと思う点と、「様」をつけることにより、発音した時に締まる感じが心地良く、こう呼んでいます。他所はそのままです)のアニメで見たらさぞわくわくするだろうという感じに仕上がりました。ええ、アニメで言うと1話のみが。しかも、1話を書いたのは仲間です。
これはそもそも、私が原作で、上記1話を書いてくれた仲間、いえ、別に伏せる必要はないのです。麻倉聖さんのある小説の中に出て来る「架空のアニメ作品」が元になっています。

その小説の世界で、「世界中で人気の日本のアニメ」を設定する必要がありました。たぶん、実在するあの作品を知っている人が読めば、「あれに影響されたな……?」とすぐにわかるダークファンタジーです。要するに、キャラが死ぬ可能性が高く、その死にざまは、流血欠損を伴う場合もあるもの。
元の小説の中では、その作品の主人公の台詞や、バトルシーンの一部しか描写されていません。はじめはそのくらいの妄想で楽しかったのですが、敵の姿かたち、キャラ、武器のイメージなどがなんとなく浮かび、私たちが生きているこの「現実」で、実際にアニメで見たくなってしまったのでした。

こういったバトル漫画(アニメ)でたびたび思うのが、女性キャラの体型についてです。さほど多くのバトルアニメを見ているわけではありませんが、女性キャラは特に「○○系」と、カテゴライズされている気がします。
素朴系、ツンデレ、ギャル、お嬢様、そこに髪の長さ(+色)、瞳、脚の太さ、お尻、胸の大きさが加算されます。
そう、特記すべきは胸の大きさです。おっぱい。おそらく男性が創る空想世界で戦う女性キャラの中には、必ず巨乳がいます。もちろん、性格やその他の箇所でも好きになれる要素があればよりいいのでしょうが、おっぱいだけでいわゆる「推し」を決める男性も多いのかもしれません。

バトルとは別に、二年ほど前から、ほぼ女性キャラだけのスポーツアニメも目にするようになりました。あとは登山とか、要は「息切れ=脳内で喘ぎ声として変換する」を聴くのが目的と思われる需要です。あと、おっぱいの揺れ、な。公式側は需要を見越して、度が過ぎた供給をし、男性客はそれを消費する。女性キャラのおっぱいの大きさに納得がいかない場合、二次創作で改変することもありますよね。とにかく、多くの男性にとって、おっぱいはとても重要なポイントであることがわかります。

で、何かと言いますと、実際におっぱいをもつ女から言わせると、それって説得力がないんですよ。何を指してるんだ? 巨乳がおっぱいを揺らしながら戦うことですよ。二次元なんだから、ご都合おっぱいでいいじゃないかと思うでしょう。でも、ストーリーもキャラも武器も戦う理由も全部ご都合主義だったら? さすがにその作品にのめり込めはしないのではないでしょうか。
おっぱいはあるだけで邪魔なものです。普通の大きさですら、利き手を振るのにも、動きが制限されます。私は、アニメの切り替わり時期に、キービジュアル一覧で、男性向けご都合おっぱいを見るたびに溜め息をついています。またこうしておっぱいが金に換えられていくのか、と。

なぜこんな事態になったのか。バトルに限らず、小説家なり漫画家なり、アニメやゲームクリエイターに、男性ばかりがいるためです。でも、女性キャラに声をあてるのはほぼ100%女性声優です。たまに話題性のために、女優とか、アイドルがキャスティングされたりもしますが、それで下手だと公式ファンからバッシングを受けることは必至です。
はじめから「商品」としてしか作られていない女性キャラ。そこに現実ではありえないような頭の悪いアテレコをする女性声優は、一体何を考えているのかと、私は不思議で仕方ありません。そして昨今の、「あまりにも外見の悪い女性声優はいない」こと。いつの間にか、アイドル気取りが可能な女性声優ばかりになっていました。私が今までの人生で出会った「声がかわいい女性」は、みんな見た目はよろしくなかったですよ。そういう人は全員VTuberになっているとでも?

さあ、やっと話が戻ります。ついて来ているかい。私が仲間と一緒に作った話の中には、おっぱいの大きい女性キャラは出ていません。彼女たちは軍人であり、日々命がけで戦っています。トレーニングに励み、男性に引けを取らないよう、誇りを持って任務をこなします。そういう女性は、そもそも胸が大きくならないんですよ。さすがにボディビルダーとは言いませんが、スポーツ選手だってそうでしょう。
「巨乳がいない」というだけで、なぜこんなにもバトル作品の説得力を持たせられるのでしょうか。今まで、あまりに自然に「巨乳枠」というキャラが消費されてきたためです。製作者サイドが男性ばかりだからです。でもきっと、一人も女性がいないということはないと思うんですよね。その方たちも、喜んで「売れる」ためのおっぱいを描いているのか。それとも、発言権がない立場なのか。何にしても、需要がある限り、供給はいつもそれ以上をいく。それが、二次元の性産業とでも言えることでしょうか。

そもそもなぜ、小説家も漫画家もイラストレーターもゲームクリエイターもアニメーターもあれもこれも男性ばかりなんでしょうか。女性がもっとがんばれば、女性キャラの身体的特徴に頼らず、良い作品を世に送り出していけるのではないのか。それとも女性は、二次創作のBLばかりかいていて、一次やプロには興味がないの?

私は、私の作品の「中身」で稼ぎたい。ていうかアニメが見たい。どうかおねがいしますみかえしてやりたいやつもいますぜったいうれるとおもうさくひんをつくってるのでそれがほんとうかかくにんしたいんです。
精神状態によってムラがありましてね、今は「男性向けご都合おっぱい」に大変腹が立つ時期のようです。とはいえ、仕事だからとげんなりしながらおっぱいを描いている男性クリエイターがいることも承知しています。いつか、おっぱい抜きで自分の力量を試したいですよね。

しかし、おもしろい造語が誕生した気がします。「男性向けご都合おっぱい」を使いたい方は、初出:薫野みるくのご記載をお願いします。

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