ペンを水平に持つ_補正

ずーっと持ってしまう。


以前、主治医が言ってた。

依存症の人間にペンを渡し、

「いいよと言うまで、そのペンを水平に保ったまま、持ってて下さい」 と言うと、

いつまでも持ってる” 、と。

それが ”驚きだった” 、と。


「普通は、違うんですか?!」

おれも驚いた。



だって、病院で医者に掛かっていて、

その医者がやれと言うんだから、

たとえ何の意味が有るのか解らない事でも、

とにかくやるでしょ、何も言わず

腕がぷるぷるし始めても、

”頑張らなきゃ” って、頑張るでしょ。



…違うらしい。

普通は、違うらしい。

「これ、何の意味が有るんですか?」

「治療に必要な事なんですか?」って質問したり、

疲れてくると「いつまで続けないといけないんですか?」って、

不満を隠さず言ってきたり

それが普通、”健康な状態” らしい。


おれだったら、

本当に力尽きて、腕が脱力してダラッと下がってしまい、

「もう駄目です、すいません」って謝るセリフ吐くまで、やる。

質問とか文句とか、頭をよぎりもしない

実際にやらされた事は無いけど、

容易に想像できる。



何と言うか…

衝撃だった、この話。

おれだけじゃなく、依存症の人間はみんなそうだ、と言う。


”そういう風に育てられた” という説明には納得がいくが、

あまりにナチュラルに自分がそうである事に、

ハッとした経験だった。


決定的に、精神疾患とはどういう事か、

不健康な精神” とはどういう事か、

理解できた気がした。



ありがとうございます! (ノД`) 頂いたサポートは、いつの日かパンを、 パンが無ければお菓子を食べればよいので、 お菓子の専門学校で作り方を習う必要性、 そうなってくると学費とか交通費、 え、ちょっと待って下さい、 紙に書いて考え直そう、そうするとやはりパン、 いやペンか、ペ