永井博本接写

ただノリで撮ればいいってもんじゃす。


グリグリグリグリ、

いじればいじるほど正解が解らない、

深みにハマってゆく…

文、絵、音楽、詩… 全部同じだ。


では、写真はどうだろう? ふと思った。


おれはそんなに写真を撮るほうじゃない。

そんなに、好きでも無いのかもしれない。

ただ、昔、とても印象深い出来事があり、

その時、写真の面白さみたいなものは、

何となく自分なりに理解できた気がする。


タイに住んでた頃、29歳頃だったか。

その頃同棲していたタイ人の彼女と、

パンガン島という所へ旅行に行った時の事だ。

最近リバイバルでまた売れるようになったというインスタントカメラ、

「写ルンです」を持っていた。

(※どうやって入手したんだっけ… 確か当時、タイで売られてたのを買ったんだと思うが…)



海辺の安いバンガローで、2人で大麻をきめ、

カメラを持って目の前のビーチへ出た。

2人ともハイになっており、

おれはカメラマンになりきり、シャッターを切る。

彼女はモデルになりきり、波打ち際を走ったり、ポーズをとったり。


のってきた頃、

彼女にギリギリまで接近して撮ろうとした時、”ゾーン” に入った。

写真の神様が降りて来た。


連続撮りの機能などもちろん無いアナログカメラだから、

巻いては撮る、巻いては撮るの繰り返し。

そのスピードが、どんどん加速する。

斜め下からなめたり。

おれが後ろに回り込むと、あうんの呼吸で彼女が振り向く。

その瞬間を、撮る、撮る。

いちいちポーズを決めるのでなく、

手ブレを気にする事なく、

フィルムの残数を全く気にせず、

ノリで感じるがままに撮りまくった。


その間、おれは彼女を褒めまくるセリフを吐き続けた。

よくTVなどで見る、プロのカメラマンがモデルの子を褒めちぎる、

あれだ。

なり切っていた。

おれがなり切るから、彼女もなり切る。

自然な笑顔が出る。

楽しすぎる。


結局、フィルムが無くなるまでその勢いは止まらなかった。


旅行から帰って現像すると、

自惚れするぐらい良い写真だらけだった。

動きがあって、自然な表情を切り取っていて、

いい感じにブレていて、それが味になっている。

おれがあの時見ていた彼女の姿そのままが、焼き付けられていた。


という文章を、今、一気に書いた。

これから一応読み直すが、

ほぼ直さないだろう。

たぶん、それが正解だ。



ありがとうございます! (ノД`) 頂いたサポートは、いつの日かパンを、 パンが無ければお菓子を食べればよいので、 お菓子の専門学校で作り方を習う必要性、 そうなってくると学費とか交通費、 え、ちょっと待って下さい、 紙に書いて考え直そう、そうするとやはりパン、 いやペンか、ペ