見出し画像

我が家にまつわるスピな話② 同級生のお母さんが霊となってやってきた

私の実家は家業を継いだ父が3代目だ。
私のきょうだいは3姉妹なため、現在は2番目の姉が婿養子をとり4代目となっている。

私が小学生の時の話だ。
うちの家業では主に女性がしている仕事があり、4〜6人が大部屋で作業をしている。私の母も作業していたり、姉達や私も高校生の時にはそこでアルバイトをしていた。
小さい頃は実家の隣に工場があり、工場で遊んだり、お茶休憩の時間に従業員さんと一緒におやつを食べたり、社員旅行が家族旅行のようなものだったため、従業員の人達は私にとって小さい頃からよく知る大人という感じだった。

パートだったのだろうか。同級生の男子のお母さんが勤めてくれていた。これ以降K村さんとよぶ。
とても明るくて恰幅がよく、私から見ると肝っ玉かあさんというイメージであった。
小学校の高学年の頃だったと思う。
K村さんがガンで入院した。仕事中に「お腹が痛い」と言っていて、「早く病院に行ってきな」なんてまわりに言われていたそうだが…結果が怖くて病院に行けないという人は一定数いるらしい。
わかった時には余命何ヶ月という状態だった。
K村さんは亡くなるまで「またあの作業をしたい。仕事に戻りたい」と言っていたそうだ。

K村さんが入院した、ある日のこと。
その頃に私が住んでいた家は1階が駐車場で、シャッターを開けると階段があり、2階が玄関だった。
シャッターがガラガラと開く音がし、「誰か来たね」と待っても誰も尋ねてこない。
見に行くとシャッターも開いていない。
その後で、K村さんが亡くなった知らせをうけた。
「K村さんが挨拶に来たんだね…」家族でそう話した。
これはうちだけではなく、他の従業員さんの家でも、「ごめん(下さい)〜」という声がして玄関に出たが、誰もいなかったということがおきていた。

その頃2番目の姉は家業のバイトをしており、K村さんに可愛がられていた。
私の実家は雪国のため、二重サッシといって、窓の内側…部屋側に作り付けの窓が付けられていた。二重に窓があるのだ。
K村さんが亡くなった夜、姉が寝ていると、ガシャンガシャンと音がして目が覚めた。
ガシャンガシャン…部屋側の窓ガラスが、内側からノックされているのだ。
『K村さんが挨拶にきたんだ』姉は思ったそうだ。
さすがによく知っている相手とはいえ『同じ部屋にいる』と思うと少し怖かったと話していた。
ちなみに2番目の姉は「私に霊感はない」と言う。

このことがあって、私は
「人って亡くなっても、無くなるわけじゃないんだなぁ」と思うようになった。
K村さんの息子さんに「お母さんは消えてないよ」と伝えたかったが、親しくなかったため伝えるチャンスはこなかった。


③につづく

頂いた温かいサポートは漫画家の活動を続けるために使わせて頂きます。ありがとうございます。