どろり、

街中で君と眼が合って、ごろりと揺れた視界に映ったのは、君じゃなくてあの日飲んだ清涼飲料水のラベルだった。

すれ違い続ける世界、裏切られ続ける世界、眠らない世界、本当が何かがわからなくなったまま、騙し騙し日常を続けられていることに半分安堵し、もう半分で強く反発している。

醜いものに対する醜い攻撃、愚愛に対する羨望も、全部ひっくるめて人間の醜悪と呼んで、ミルクにでも溶かして飲み干そう。そうすれば少し飲みやすくなる気がするんだ。

流れる情報は止まることを知らず、愛された記憶は痣となって残り、ただただ日々を過ごすのがほんの少しずつ苦しくなっていくことの繰り返しで、だから人は数十年もすれば死ぬのだろうなどと思う。

特に意味がない「いいね」に付加価値を見出すのが仕事です。そうしないと、何者かわからないんだもの。

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