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マニュアルでは戦えない!アメリカ特殊部隊員がイラクで学んだ最新CQBテクニックを解説!

ジェフ・ガーウィッチ;元アメリカ陸軍特殊部隊員。陸軍に26年間在籍、そのうち18年間は特殊部隊に勤務。湾岸戦争、不朽の自由作戦、イラクの自由作戦に参加。USPSA,IDPA,3GunMatchなどの競技射撃にも精通。

教範で教える「バトル・ドリル6A」は実戦では使えない!

スタックを組んで突入することは軍隊や法執行機関関係者にとって最も危険な場面の一つだ。中でも激しいCQB戦闘が展開されたのは、2000年代半ばのイラク戦争において、ファルージャでの2回の戦いとバグダッドに進撃するまでの間の戦闘だろう。

イラクという国は砂漠で平坦な国土なので、テロリストは都市の地形に身を隠して戦った。この市街地での戦闘においてアメリカの特殊部隊は、米軍で基本としている4名チームでの突入要領が実戦的ではないと認識した。
この方法ではチームの隊員が不必要に敵に身を晒しているのである。これを受けて米特殊部隊は、2006年からルーム・エントリー及びCQBのSOP(作戦規定)を市街地戦闘の現実に合わせて変更した。そもそも「なぜ基本のテクニックがうまくいかないのか?」という疑問が浮かんでくるところだが、その理由の一つには、米軍のCQBテクニックが元々人質救出作戦をルーツにしていて、敵を撃滅することが最優先の軍隊のCQBには合わない部分があるということだ。

CQBと人質救出任務(Hostage Rescue;HR)

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