いちいち気にしなくていいんだよ。
今日、イリヤンが私の生徒にこんな話をしていました。
以下、イリヤンの言葉です。
音楽家の成長を一番に阻むものは、Vanity(虚栄心)だよ。
残念ながら、虚栄心の塊のような人というのは、日本に限らずどこへ行っても存在する。そして、彼らが自分で自分を苦しめているだけならまだ良いけれど、そういう人たちは人を利用して、自分のメンツを保とうとする場合もある。
それが大学教授であっても同じだ。生徒をグッと押し下げて、自分が浮上しようとするような人がそうだ。そういう教授は、自分の経験や経歴を暗に自慢して、生徒を下げて、「君には無理だね。」と生徒のやる気や自信を奪うことをする。
音楽家には意地悪な人が多い。これは悲観しているわけでもなんでもなく、事実だ。世界中どこに行っても、嫉妬や妬みはある。どこに行っても自分が嫌な人というのはいる。逆に、自分が人に嫌われることもある。
いつも笑顔でいれば、『なんだ、いつもヘラヘラして。』と言われ。笑顔を消せば、『なんだ、ムッとして。』と言われる。要は、自分が笑っていようが笑ってなかろうが、自分を嫌う人はいるということだ。
だから、全ての人を喜ばせようとしてはいけないよ。全ての人に好かれようとしてはいけないよ。
それは君を弱らせる行為だからね。人のことは気にしないことだよ。
自分が理想とする環境で、自分が好きな人たちだけに囲まれて仕事をする。そんなことはほぼ不可能なことなんだよ。
自分が誰かのことを嫌いな理由について考えてみよう。それは、「傷つけられたくない。批判されたくない。」という恐れだよ。
それだって、自分のプライドを傷つけられたくないという虚栄心でもあるんだよ。
そうやって他の誰かのことを気にしてるうちは、自分のやるべきことに向き合えていない、ということだ。
今やってることにしっかり向き合っていければ、誰に何を言われようとも気にならなくなる。そして、過去に言われた嫌な言葉も、全て忘れることができるんだよ。
やるべきことに自分を向かわせるためには、自分自身をシフトチェンジしなくてはいけない。ちゃんと向き合えるようになるには、2〜3ヶ月かかるかもしれない。
そのためには、ネガティブな感情に留まり続けるのではなく、建設的に自分自身を見つめていくことだよ。
そして、1日のうち10秒でも良いから思い出してごらん。自分が以前どんなふうに歌っていたか。そして、当時では考えられないくらいに今ここまで自分が変化できたことを。
過去に引きずられてはいけないよ。そして未来に期待してもいけないよ。「早く歌えるようにならないと。」と焦ったり、「うまく歌えるようにならなかったらどうしよう。」と不安になったりすることは、僕たちの成長の妨げになるからね。
以上、イリヤンからの言葉でした。
変わっていくプロセスにおいては、いろいろな心の葛藤がありますね。そんなとき私たちは、誰かに何かを言って欲しい。という気持ちになるものです。
そこで、イリヤンは私の生徒さんたちに、タイミングを見てこんなふうに話をすることがあります。イリヤンの力強い言葉は、生徒さんに刺さるものがあるようです。
私の心にも残る言葉だったので、シェアしました。