IS4「探検家と銀樹の極地」特設サイトにおける占いカードの原語スペル解明・翻訳
最初に
今回公開された特設サイトは「バスク星象」というクルビアのサーミ研究団体が運営する、サーミ式の占いが体験できるオンライン商品販促サイトという形式を取っており、1日1回("PC内時間"の午前0時更新)占いカードを引くことが出来ます。
下は、私が初日に引いた占いカード「歌唱」です。
出てくる占いカードは全部で38枚、『根源』、『布局』にそれぞれ19枚ずつに分類されています。
カードには三色の属性が付与されており(便宜上それぞれの色を「赤」、「青緑」、「青」と表記)、6枚ずつ計18枚あります。また加えて『根源』には「灰」色のカードが、『布局』には「緋」色の特殊カードが存在しています。
引いてもなにか特別なイベントがが起きるわけではないものの、明らかに他と比べても浮いて見えるため、今後の本実装内容に関する示唆が含まれているのではないかと考えられます。
以降は、それぞれのカードに書かれているルーン文字のアルファベット転写、原語及び原語の日本語訳、題名の日本語訳、上列及び下列文訳の順に記していきます。
=====================
・根源 — ファーマの計画
「赤」之一: "SONGVA"
古北:sǫngva
意味:「歌う」
題名:「歌唱」
弦が揺れ歌が響く 数多の羽獣が林間に止まる
「赤」之二:"THOEGNA"
氷:þögn(古北:þǫgna)
意味:「沈黙する」
題名:「沈黙」
樹木に道を訪ねても返事は無い 山岩が独り立っている
「赤」之三:"LESANDI"
氷:lesandi
意味:「朗読」
題名:「朗読」
古の訓言を唱え親族を祝福する 言葉は心を安らかにする
「赤」之四:"UMRODA"
氷:umræða
意味:「論ずる」
題名:「辯論」
そなたの口上を聞き遂げたのち我は登場しよう 思惟は真理を見出す
「赤」之五:"HUGGANDI"
氷:huggaði
意味:「慰めた」
題名:「慰藉」
太鼓を叩き葉を燃やして祖霊を喚ぶ 囁きが悲しみを和らげる
「赤」之六:"JATAR"
氷:játar
意味:「告白する」
題名:「告解」
独り枯樹に向かって告解する 互いに許しを乞う
「青緑」之一:"HEILLIR"
氷:heillir(古北:heill)
意味:「幸運・元気」
題名:「喜悦」
甕壺の中月影の中に映る虹 汝の望みは全て叶うだろう
「青緑」之二:"OVARTA"
氷:óvart
意味:「偶然の」
題名:「怪訝」
見知らぬ者からの贈り物 躊躇の末の再会
「青緑」之三:"VREIDAR"
古北:vreiðar(氷:reiðar)
意味:「怒り」
題名:「憤怒」
ハンマーを振るって氷や岩を砕く 羽獣はあえて鳴こうとはしない
「青緑」之四:"RINGLADAR"
氷:ringlaður(あるいはruglaður)
意味:「困惑する」
題名:「疑惑」
複雑な道は何処かへと続いている 樹木に問うたとて知る由もなく
「青緑」之五:"LANGANIR"
氷:langanir
意味:「憧れる」
題名:「憧憬」
夢生まれし処にて霊魂が彷徨う 風雪の中を一瞥する
「青緑」之六:"ASTAR"
氷:ástar
意味:「愛」
題名:「愛慕」
果てなき凍土を共にして 炎の如く燃ゆる心
「青」之一:"SOKNARFERD"
氷:sóknarferð
意味:「巡回任務」
題名:「巡視」
樹上にて夜明と夕暮を見張る 松明を保つ衛族士
「青」之二:"HREIDR"
古北:hreiðr(氷:hreiður)
意味:「巣」
題名:「営巣」
枝を拾って覆いを作る 軒の下は寒風と無縁
「青」之三:"VEIDANDI"
氷:veiðandi.
意味:「狩り」
題名:「狩猟」
鋭利な爪牙が時機を伺う 危険の渦中で勇気を見せる
「青」之四:"HERFANG"
氷:herfang
意味:「戦利品」
題名:「略奪」
不義なる窃盗と略奪 報いは必ず訪れる
「青」之五:"AEXLUN"
氷:æxlun
意味:「繁殖」
題名:「繁殖」
万物即ち栄枯の理の中に有り 繁栄の長久を祈らん
「青」之六:"FLYTJANDI"
氷:flytjandi
意味:「遷(移)行」
題名:「遷徙」
雪を森を抜けて族樹より離れる 懐かしむ心は果てしなく
「灰」:"ENGINNA"
氷:enginn(古北:enginn)
意味:「無」
題名:「空無」
彼らの所作は大地より消え去り 彼らの所思は虚空へと戻り行く
=====================
・布局 ― アイタの布局
「赤」之一:"SEKRAR"
氷:sekrar
意味:「追放」
題名:「追放者」
償いきれぬほどに積み重なりし重き罪 再び会うことは無い
「赤」之二:"VEIDIMA"
氷:veiðimaður
意味:「狩人」
題名:「狩人」
唸風の中に影を捉える 絶え間なく続く狩り
「赤」之三:"HERRMA"
氷:hermaður
意味:「戦士」
題名:「戦士」
堅石や絶壁が山々に聳え立つ 氷に覆われし角兜
「赤」之四:"VALARMA"
クウェンヤ語(※Quenya:『指輪物語』人工言語)+氷:valar+maður
意味:「巫覡・支禰」
題名:「シャーマン」
慧眼をもって秘められし言葉を読み解き 詠唱をもって悪魔を払う
「赤」之五:"GYDJA"
氷:gyðja
意味:「雪祭司」
題名:「雪祭司」
天地万物に卜占をもって問い 我の進むべき道を探求せん
「赤」之六:"KAPPALID"
氷:kappalið
意味:「英雄たち」
題名:「英雄」
骸骨は幾重もの茨の中に眠らん 死もまた家路なり
「青緑」之一:"KORONA"
氷:kóróna
意味:「王冠」
題名:「樹冠」
枝伸び葉もまた生い茂げる 百獣の王の栖なり
「青緑」之二:"VATNNA"
氷:Vatna
意味:「水」
題名:「水面」
雪泥は髪肌を洗い清める 風波無き水面鏡の如し
「青緑」之三:"AUGUNA"
氷:augna
意味:「目」
題名:「眼睛」
見るもの知るもの求めるもの 薄暗がりの闇の中
「青緑」之四:"BUGIVEGAR"
氷:bógivegar
意味:「拱道」
題名:「拱門」
角獣の痕跡と銀鈴の音を辿る 恍惚とした向こう側
「青緑」之五:"LJOSSAR"
古北:ljóssar
意味:「光の」
題名:「光芒」
地上の松明は太陽から借りし物 寒冬の夜を照らす
「青緑」之六:"BJODA"
氷・古北:bjóða
意味:「招く」
題名:「大地」
万物は成長し根源へと還る 全てはここから始まる
「青」之一:"ORIGAN"
原語不明(オリジナル単語か)
題名:「源石」
泥土血肉一切と相容れぬ まさに万華鏡の如く
「青」之二:"ARBORA"
羅?:arbor?
意味:「樹木」
題名:「樹木」
聳え立つ様は星々の如く 冬景色を見下ろす
「青」之三:"MOLINA"
古北:mǫlina(氷:Mölin)
意味:「砂利」
題名:「砂石」
何らの生命も動きも無い 月日を重ねても静寂したまま
「青」之四:"RUNNA"
氷:runna
意味:「草叢」
題名:「灌木」
地を這う様は伏獣の如く 角笛の音が聞こえてくる
「青」之五:"DYRKYN"
氷:dýrkyn
意味:「獣類」
題名:「獣類」
土石を齧って樹氷を拾う その動静は思うがまま
「青」之六:"MANNAKYN"
氷:mannakyn
意味:「人類」
題名:「人類」
ひとたび悟りを開いて知性を生み出せば 世代を超えてつながる
「緋」:"ANDARSR"
氷:andarsár
意味:「魂傷」(önd+sár)
題名:「傷痕」
天災や厄災が大地に降り注ぐ 旅人の魂が濁る
(鷹は"Person/man"(「人・男」)を意味する"-maður"という語を、シンプルに"ma"と統一して表記している。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?