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大給桜子 Ballad night

元宝塚歌劇団という異例のキャリアを持つ女性ピアニスト大給桜子さんの代表作であるBallad nightを紹介したい。

物憂げにソファーに座り肘をつきジャンプスーツとカーリーヘアに端正な顔立ちをした大給桜子さんに、裏ジャケの可愛い猫が印象的だが、演奏の方は濃密で硬派なジャズバラードアルバムである。                 メンバーはピアノの大給桜子、ベースが小杉敏、ドラムに西川喬昭、1982年録音。

「Whisper not 」「Nica’s dream」というバラードアルバムとは思えない選曲に驚く方も多いと思うが、このハードバップの名曲が見事なジャズバラードにアレンジされている、この辺りに大給桜子さんのアレンジャーとしての非凡さを感じる。

そして愛猫に捧げれた「Cat's Eye」 と「Lady Moyo」の大給桜子自作2曲の可憐で美しい世界観。          「My funny valentine」 というひとつ間違えると俗な雰囲気になりかけない曲を内省的な表現をする事で見事にこの曲のブルーな要素を引き出している。            

その他の曲も素晴らしい演奏なので、機会があったら聴いていただきたい所なのだが、レコードならまだ中古市場で入手ができなくもないが、CDは入手が難しく中古市場で非常に高値で取引されているので、ぜひメーカーさんはこの個性的なバラードアルバムをもう一度再販していただきたいと切に思う。

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