見出し画像

あけましておめでとうございまっす。

あけましておめでとうございまっす。

本年もよろしくおねがいします。

2021年はその前年と同じく半分眠っていたようなものでした。眠り続けたら死が近づいてくるというのに、寝覚められないという眠り。まあこれは僕だけではないものの、人前に出ていけない、どこにも参っていけないというのは、職業柄やはり悲「惨」になってしまいます。

数年温めていた企画をクラファンを敢行→達成して、どりゃあ撮るぞぉと思っていたいたものの、ご時世柄外に出れず、気がつけば種蒔きの季節も、収穫の季節も終わってしまいました。サポートしてくれたみなさんにはとても申し訳なく思いますが、これは今年また新たにチャレンジしたいと思っています。

なんというか、色々ともがいておりました。

もう自分なんぞ通用しないんじゃないか、時代についていけてないんじゃないかっていう意識がどばどば出てくる。初のフィクション映画を諦めないで仕上げ色々と映画祭に出してみて、いくつか賞はもらったものの、でてくばっかりで、一円でも入ってくるわけでもない。ある意味、スポーツ選手における、イップスみたいなもんになっていたのかもしれない。

もう映像業をやっていくのは無理かもと思い、20年ぶりに母校の映画学校のオンライン講座を受けて、文章を書く勉強もしました。無論違う食い扶持を模索するために。

また、Yahoo のクリエイターズプログラムというもので、新人・若手の作家を育成するというものの中で、先生業的なものもはじめたりしました。これは、若干手応えがあり、向いてるような気もした。

決まっていた仕事も、すべて中止か延期になる。働けないけれど固定費は変わらない。ので、工場も手放そうと模索しだす。(現在は一旦売却を中止しました)

...それがご縁があり、木頭村で盆に映画監督の佐々木芽生さんの撮影を僅かな期間ながら担当し、10年ぶりに訪れた木頭の変わりゆく様を撮影したのが、なんだか転機になったように思います。強引にマインドフルネスのサブスクのアプリに加入させられて、痛風でてるのにヨガのレッスンをさせられ...っていう無茶振りはあったものの、なんというかドキュメンタリーで、「物語」を作るということが、やっと腑に落ちたような感覚がありました。あ、こうやればいいのかというのがあった。ある意味において精神と時の部屋に入った感じです。強引にやらされていたものが、いつしか自発的にやるようになり、瞑想をする習慣がついた。それで、なんというか他動的なものが減り、メンタルの揺れも減り、集中力が増してきた感覚があります。

また『Brother』というYahooに出した短編の主人公の西森さんから、コロナ冬眠中に毎日のようにひたすら電話がかかってきて延々と数時間話をし、ロジカルに考えること、段取りを作るという一番苦手だったところを、半分絡み酒とともに色々教えてもらったことも、改善に繋がりました。

そんなこんなでいたところ、たまたま頂いた豊島区の伝統芸能の現在を追うドキュメンタリーを作るために、10月から久しぶりに東京に通うようになりました。最初はやっべ、感染して死ぬかもしれないなんて思っていたけど、東京はあまり変わらず、普通に東京だった。満員電車も相変わらず。最初は請負仕事然と始めたものが、いつのまにか熱中し、気がついたら『産土』を作っている時とまったく同じような心象でやりだしていました。つまり、作品を作っていた。頼まれてもないのに、どんどん撮影内容を増やして、三ヶ月撮影しまくっていた。絶対使わんと思っていたジンバルにもはまるようになってずっと使い出したし、まだいけるな俺という気持ちが徐々に蘇ってきた感じです。12月20日頃にクランクアップを迎えた後、年の瀬に佐々木さんの現場にまた呼ばれ数日の撮影。12月30日が撮り納めでした。

なんというか徳島に来てからのこの10年、自分の力で生きていこう、生きてやろうと遮二無二にとにかくあがいていたように思います。独りよがりだったかもしれない。絶対誰かの世話にはならない、権力にはとりあえず楯突く、とりあえず人の逆に行く、みたいな。人がいなくなっても、その人らのせいにして、我が身を振り返ることなどなかったような感じもありました。

きっと今もそういう要素は完全に消えてはいないだろうけども、ちょっと疲れたというか、人と一緒にやってもいい、いやそうしないとただ孤独な狂人になってしまうとも思うし、なんというかやはり僕はまだ人間全体に、人間界に興味があるのが分かったというか、実は過剰なほど人に興味があるのだなとも思ってきた。というか、そもそも一人で生きていくことは、自分のようなやつにはできないんだなあと。子供らにもみくちゃにされながら思うわけです。

はい、どうでもいいことを書きなぐってしまいましたが、これで終わりにします。新年から、色々と新しいことが動き出すのが決まっています。所属が変わるかもしれないし、本を書けるかもしれない。気がつけば徳島13年目。一周干支が回って新しいフェーズがスタートする感じっす。

引くも進むも地獄ならば、とにかく進んで参っていく所存。
ことしもよろしくおねがいしまっす!

長岡 参

『産土』の連続配信や記事のアップのための編集作業は、映像を無料でご覧いただくためにたくさんの時間や労力を費やしております。続けるために、ぜひサポートをお願い致します。