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「人生が変わる最高の呼吸法」@読書部

本日の担当はTakashi Mita@ベターライフクリエイターです。

ご紹介させていただく本は

「The Oxygen Advantage(邦題: 人生が変わる最高の呼吸法)」

【読むきっかけ】
元々、僕自身、リハビリテーション&神経発達における呼吸というのに注目していました。
その中で呼吸療法で有名なロシアのビュテイコ医師に師事したパトリック・マキューンが2015年に著書を出されていたので、読むことにしました。

【要約】

・人間本来の生き方と呼吸法を取り戻すことで全てが変わる。
・深呼吸が体に良いというのは多くの人がしている勘違いであり、安静時に深呼吸をしても血中の酸素は増えない。何故なら、細胞に酸素を届けるのは血中の二酸化炭素濃度により決定されるからである(ボーア効果)。
・呼吸が変わるとスポーツパフォーマンスが上がる。低地にいながら高地トレーニングの効果を得ることができる。また、意識的に「ゾーン」の状態に持って行きやすい。
・呼吸が適切になるとリバウンドせずに、体重が減る。なぜなら適度に細胞に酸素を供給することができれば、体はよりエネルギーを必要とし、消費する。
・呼吸量を減らすことでフリーラジカルの悪影響を抑え、体の酸化を抑えることができる。(=疲れにくい)
・鼻呼吸により、体内で生成される一酸化窒素はコレステロールを減らす、プラークが血管内にたまらないようにする、血餅の予防といった、心臓発作や脳梗塞につながるリスクを軽減する役割がある。
・呼吸量を減らすことで喘息が良くなる。喘息患者とそうでない人を比べると呼吸量が多い。つまり、呼吸量を正常まで減らすことが喘息治療の第一歩。
・鼻呼吸に変えると顔が正常に発達し、歯並びの悪さの予防につながる。
・きちんと鼻呼吸を理解し、体の二酸化炭素に対する耐性をあげるエクササイズプログラムの紹介、実践法。

・「口呼吸」「呼吸過多」を止めると驚くほど健康にそして、見た目も魅力的になる。

【感想】

冒頭の
”食べ物や飲み物にはかなり気をつけている人でも、呼吸についてはほとんど無頓着だ。
…食べ物や水に適正量があるのなら、空気にもあってしかるべきだろう。”

から始まる、この本はこういう類の本にありがちな「〇〇すれば、△△が変わる」「〇〇を食べれば、△△知らず」「〇〇したければ、△△するな」要素は否めない印象です。

人間の人生の中で一番最初と最後に行うとも比喩される「呼吸」ですが。それについて、世間が余りにも無頓着であることも普段の臨床からも強く感じています。

呼吸という役割、活用法を知るには最適な一冊だと思います。
また、呼吸という動作を学ぶには「Anatomy of breathing」をオススメしたいです。

だが、身体的原因だけが「原因」ではないことは、きちんと患者、顧客、クライアントと向き合っている専門家にとっては「そもそも、そこでしょ?」ということをキッチリと追い込んでいかなければ全てただの「対処」なんです。

本書の中でも、呼吸数を減らすことで、喘息が治ると紹介されていますが、喘息は肥満や腸内フローラのバランス悪化による制御性T細胞の減少が気道炎症を発生させるという説もあります。口呼吸も身体的要因の1つになり得るでしょうが、それが全てではないことは明白です。

これら全てを引き起こす思考、社会的要因、環境的要因が身体的原因の「原因」であることは忘れてはいけませんし、その中に出てくる原因をしっかり追い詰めること。

口呼吸になってしまう要因、呼吸過多になってしまう要因、それに気づき、気づかせて、心向きを正すことこそが健康的な「心と体」を手に入れることができる。

執筆者について:
Takashi Mita@ベターライフクリエイター
以前まで大学のスポーツチームにてリハビリを担当していましたが、
個人事業主として、より多くの人を「明るい未来に進ませるため」に動きを通して、身体を理解してもらうためのエクササイズセッションを提供しています。