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メキシコ 公共バスの魅力について

 8月27日、月曜日から大学の語学学校の授業が始まりました。毎日あるのかと思っていたのですが、8時から9時の文法は月水金、午後のダンスのクラスは水木だけだと知り、少し余裕ができたなとほっとしました。9時から12時のスペイン語のクラスは、平日毎日なので、早起きしなければ、と気が張ります。

 学校へは、公共のバスで行きます。メキシコシティでは、メトロブスという、道路上に専用レーンが設けられたバスか、メトロ(地下鉄)を利用するのが一般的なようです。しかし、私はそれらが利用できないような地区に住んでいるので、それ以外のバスを利用することになりました。「それ以外のバス」といっても、いっぱいあるのです。家の人に見分け方を聞くと、「頭に2本ケーブルがついていて、大学の名前が書いてあるトロレブスというバス」と言われましたが、実際に行ってみないとわかりません。しかたがないので、初日は遅刻も覚悟で、バス停に行ってみることにしました。バナナとワカモレを食べ、7:00に家を出ると、外はまだ少し薄暗いくらいでした。リュックを前に抱えて早歩きで歩きます。でも、女子高生や子供を連れたお母さん、サラリーマンなんかもいて、人も車もわりと多かったので安心しました。とりあえず地図で確認したバス停まで10分くらい歩きましたが、バス停らしきものは見つからず、壁を背にケータイを取り出して、何回か地図を確認し、迷いながらも歩きました。大通りに出て、まっすぐ歩いて、やっとバス停らしきものが見えた!と思ったら、いろんな色の、いろんな大きさのバスがやってきては止まって、訳がわからなくなってしまいました。優しそうな、若いお姉さんに、大学に行きたい、どれに乗ればいいか教えてほしい、と言ったら、お姉さんも同じ大学に行くらしく、一緒に乗ろうと言ってくれました。何分か待って、緑のバスがやってきました。前側のガラスはヒビが入っていて、物騒な感じです。でも怖がっている暇はありません。思い切って乗らないと置いて行かれるので、ささっと勢いよく乗り、2ペソ(12円ほど)を払いました。そのバスは2ペソでどこまでも行けるのです。なんて安いのでしょう!乗ってみると、中は意外と落ち着いていました。前のほうの席が優先席で、向かい合っています。真ん中くらいから前向きの席がでてきて、普通の人はそちらに座るようです。手すりがとても高いところにあり、つり革もないので、背の低い女性や子供、お年寄りなんかは大変です。低めの手すりは3,4人が一緒につかまったりしています。運転もなかなか荒いです。停車するときの感覚は、ちょっと大げさに言うと日本の電車で急停車するときくらい激しいのです。しっかりつかまらないと倒れてしまいますから、五感をフルに使って、バランスをとります。リュックも盗まれては大変です。中身を極力取り出さないようにしつつ、しっかり持ちます。停車はちゃんとバス停でしてくれることもありますが、渋滞でそこまでたどりつけない時などはバス停から離れた場所で停車することもあり、乗る人は必死で自己主張するか、バスを追いかけるかしています。その代わり、乗り遅れた人のために、たまに運転手さんが止まることもあります。その適当さ、ゆるさが本当におもしろいです。車内ではラジオか何かのラテンアメリカの音楽がかかっていて、陽気な感じだし、運転手さんは知り合いとあいさつしたり、タッグを組んでるバイトのお兄ちゃんや乗客と話したり、道路で売ってる新聞を買ったり、けっこう楽しそうです。きっちり定刻、安全運転の日本に住んでいたら考えられないし、人によってはストレスフルかもしれないけど、私はけっこう観察を楽しんでいます。渋滞と混雑はかなりしんどいですが、、、

 一回学校から帰った時、降りるのが遅くて、だいぶ遠くへ行ってしまい、歩いて帰ろうかとも思ったけれど(先ほど言ったようにバス停でしっかり止まらなかったり停車時間が短かったりして、場所が把握できないし、降りるタイミングを逃してしまうのです)、車道しか先に道がないような感じだったので、とりあえずカフェに入って落ち着いてから、Uberを呼んで、安全に帰りました。その次からはバス停の名前もかなりしっかり把握して、タイミングもしっかりつかんで降り、無事家の近くの場所に到着できました。そのときは達成感がすごかった。よくやった!と思いました。

 そういうわけで、とりあえず公共バスに乗れるようになりました。片道1時間(バス停までの歩きの時間、バスを待つ時間、渋滞による遅れも含め)かかるので、行き帰りでけっこう疲れます。なので無理せず、慣れていこうと思います。

 やりたいことはたくさんあるけれど、疲れもあり、時間もすぐ過ぎて、毎日気づいたら過ぎていくんだろうなと思います。そう思うと、ちゃんとスペイン語が身につくのだろうか、ちゃんとやりたいこと実現できるだろうかと焦ったりもします。やはり自分で意識して勉強しないと、せっかくスペイン語を使う環境にいても変われない気がしています。焦りすぎても怠けてもよくない、、調整が難しいです。でも、生活に慣れたとしても初心がキープできるようにしたいです。あー早くぺらぺらになりたい!

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