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メキシコのフィエスタ(パーティー)について

 10月10日に語学学校の試験が終わり、11日から17日までグアナファトへ旅行していたので、しばらく机に座ってじっくり考えたり何かを書いたりということをしていませんでした。2か月間、とりあえず語学学校やメキシコシティの生活に慣れるのに必死で、疲れもたまっていたので、とりあえずすべてをリフレッシュしたいという気持ちで、目的のない行動ばかりしていました。グアナファトで十分気分転換して、きのうメキシコシティの家に戻ってきて、ゆっくり休んで、やっと書こうという気になりました。とりあえずメキシコのフィエスタ(パーティー)について書きます。

 メキシコの人たちはとてもお祝い好きだなと感じています。それはフィエスタ(パーティー)がいつでも、あちこちで行われているからです。これまで2か月の間に、5個の大きなフィエスタに誘われ、参加させてもらい、様々な形式があることを知りました。因みに私が参加したのは、①友達の誕生日会、②独立記念日の家族の集まり、③友達が誘ってくれた歓迎会、④知り合いのご家族の誕生日会(2つ)です。

 ①友達同士で行う誕生日会は、日本での祝い方と大きく違って驚いたのですが、誕生日を迎える本人が、自分の友達をたくさん集めて、好きなことをするようなのです。そのため、誕生日を迎える人と、その人が呼んだ人同士はお互いかなり知っていても、呼ばれた人同士はよく知らない可能性もあるということです。それは、呼ばれた側からしてみると、新しい人と知り合える楽しさもあれば、初対面の人とうまく会話しなければならないというちょっとした緊張感もあるのです。日本では、みんながお互いを知っている人同士でないと集まることはなかなかないので、それはとても新鮮でした。「何かを祝う」という目的があれば、誰が集まるかとか、何をするかとか、それ以外の要素はあまり気にしない感じがしました。ものすごいお祝い精神です。そういう意味で、誰でもOK、なんでもOKという雰囲気が、寛容であると感じました。実際パーティーで何をするかというと、クラブに行ったりカラオケに行ったりするのが基本的なようです。クラブにもいろいろあるようで、その日私が行ったのはサルサやクンビアなど、ラテンアメリカの伝統的なダンスを男女ペアになって踊る場所でした。3拍子で踊るのが難しかったのと、男性とペアで踊ることに慣れておらず、少し疲れてしまいましたが、メキシコの人たちはみんなノリノリで、それぞれのペースで踊っており、さすがラテンの人たちだな感心しました。

 ③友達が誘ってくれた歓迎会は、日本でいう若者の飲み会のようなものだと思います。ただ、その子の友達の家の1階で行われ、20数名が集まり、夜から音楽をかけてどんちゃん騒ぎなので、日本人からしたら珍しかったです(メキシコでは当たり前のようです)。様々なお酒が用意されており、家にやってくる友達もどんどんいろんなお酒を持ってきました。みんなお酒に詳しく、様々なものを合わせて好きなものを作っていました。私は教えてもらったキューバリブレ(コーラとラム酒)を基本飲んでいました。大体人数が集まってくると、ちょっとしたゲームが始まりました。2つのチームを作り、お酒の入ったプラスチックコップをボーリングのピンのように並べ、両チームでボールを投げあって、そのコップの中に入れるのです。ボールがコップに入ったら、入れられた方のチームのメンバーが罰ゲームとして飲むという遊びです。最初は怖かったですが、中のお酒もそこまで強くなく、楽しく遊べましたし、初対面の友達とも打ち解けられました。招待してくれた友達は80年代の音楽が好きな子だったので、集まっている友達もそういう趣味の子が多く、大声で歌ったり踊ったりするのは楽しかったです。日本では、音楽に合わせてみんなで踊る文化があまりないから、踊り好きの私にとってはちょっと孤独でした。そのためそういう場でほかの人と一緒になって踊れるのは最高に嬉しかったし、ストレス発散になりました。メキシコ人の踊り好きなところ、ノリの良いところがとても好きです。

 ②独立記念日の家族の集まりと④知り合いのご家族の誕生日会に関して言えば、家族の結びつきの強さを感じた半面、日本人の私や友達を招待してくれたり、家族の友達も呼んだりしていて、オープンだなと思いました。独立記念日の日に行かせてもらった家では、(ホストファミリーのおばあちゃんの娘さんの家に行かせてもらいました)たくさんのメキシコ料理が出てきて、家に華やかな装飾もされていて、おもてなししてくれました。独立の時間が近づくと、メキシコ万歳グッズをみんなで共有し、「万歳!」と叫び、歌を歌ったり踊ったり、お祭り騒ぎでした。その後もいくつもゲームが用意されていて、誰かしらとペアになって必死に遊びました(ビンゴやケンケンパ、風船入れゲームなど、娘さんたちの考えた独自のゲームもあり、みんな息を切らし、体を張って取り組んでいました)。

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庭で花火も打ち上げられました。家にカラオケもあり、全員が順番に歌いました。年齢関係なく、みな全力で楽しんでいるのがよかったです。私みたいな外国人がいても、仲間に入れてくれ、料理や文化の説明をしてくれ、親しみを感じました。

 グアナファトの知り合いの家族のパーティー(④)は、一つは甥っ子さんの誕生日ということで、一日限定の大きなトランポリンが出ていて、子供たちが皆おおはしゃぎでした。そこでは、家庭料理(お肉のコンフィ、パスタ)やメキシコのチップスをいただきました。

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ほとんどは子供たちと遊んでいたので、そこまで家族の方と会話していませんでしたが、事あるごとに会話に入れてもらったり、興味を持って話しかけてもらったりしました。もう一つのパーティーは、知り合いの叔父の方のパーティーで、その方の職業が馬乗りだったので、大きな馬の飼育場でパーティーが行われました。長いプラスチックの机、いすが並べられていて、大体30人くらいが集まって、バルバコアの手作りタコスをセルフで取りに行き、いただきました。肉はメス牛のもので、脂身があり、柔らかくておいしかったです。メキシコの赤いライス(スパイスで色付けされている)も一緒に食べました。

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ビールやテキーラもいただきました。食後には大きなケーキが出てきて、全員で長い長いバースデーソングを歌いました。そこでのバースデーソングは独特で、何曲も種類があったし、途中サッカーの応援歌のようなものが中に挟まれていたり、最後に「今日は誰の誕生日だ!」「○○のだ!」みたいな呼びかけがあったり、興味深かったです。日本で定番の歌は歌われず、びっくりしました。その後、マリアチ隊(メキシコ伝統音楽の楽器隊)がやってきて、様々な曲を演披露してくれたり、誰かが歌うのに合わせて伴奏してくれたりしました。私も知っている曲を歌って!と言われ、大家族の前で歌う羽目になってしまいましたが、1曲でも、知っているスペイン語の歌を歌うとみんな喜んでくれるので、がんばってよかったなという気になるのです。ほかのパーティーでも、歌うことを求められることはよくあり、スペイン語の曲をもう少しちゃんと覚えないとな、と思わされます。グアナファトのきれいな街並みと、壮大な山々が見られる大きな馬小屋で響くラッパの音は、最高に景色とマッチしていました。メキシコらしい場に参加させてもらって、とてもありがたかったです。

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 メキシコ人がフィエスタ好きなことは、楽天的で素晴らしいのですが、メキシコシティに戻ってきても、近所で毎日何かしらのフィエスタが行われ、音楽隊が夜遅くまで音楽を奏でたり、ラテン系の音楽が流されたり、爆音の花火が何時でも何発でも打ち上げられたりすると、さすがに飽きたり、疲れてきたりもします。1週間前のテストのときも、夜遅くまで(遅いときは深夜2時くらいまで)外で音楽が鳴っていて、なかなか勉強に集中できませんでした。爆音の花火が打ち上げられると、心臓が締め付けられそうな感じがするし、毎回びっくりするし、近所の犬たちが鳴き止まないし、時に精神に毒です。それでもホストファミリーにその恐怖を訴えると、「なんで怖いの?ただの花火じゃない」と全く理解してもらえません。小さいころからそれが当たり前だと、何も感じないようです。日本での夜の静けさがたまに恋しくなります。もしかして、「夜は静かにしなければならない」という考え方は、日本人特有なのかもしれません。2か月でフィエスタ疲れしていたら、これからやっていけるのでしょうか。でも、まだまだ知らないタイプのフィエスタもたくさんあると思うし、(中には静かなものや、日本人に合うようなものもあるかもしれない)慣れもあると思うので、文化の違いを理解しつつ、観察もしつつ、楽しめたらなと思います。

 

 

 

 



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