【エッセイ】学生時代

学生時代
部活の思い出しか特に残っていない
沢山の努力
沢山の挑戦
沢山の失敗

そして

忘れられない虚無感と恥辱

その一つの話が
高校三年生夏の市内大会
である

うちの地域はスポーツが非常に盛んで
市内大会で1位であれば
全国でも十分活躍できるほどの
激戦区であった

私はその中の個人部門で1位を取ることが
できたのだった。

これだけ聞けば耳障りのいい話だが
私にとっては何も誇らしいことなんて無かった
確かに実力的には県大会でもいい結果は残せるだろう
しかし絶対的に勝てないほどの
実力差がある”アイツ”がいた。
はっきり言って、ライバル視などされてもなかっただろう。

なんとか食らいついてやろうと大会エントリーをしたものの
いざ会場に行けば、”アイツ”は自分とは違う種目でエントリーしていた。
それを知った時、私は単純にこの大会もらったな
と思ってしまったのである。

結果は2位と大差をつけ1位を取ることができた。
渡された1位の賞状には自身が記されていたが
私はあることに気づき愕然とした。

自信が記されていない

そう
ただ格上が遊びに出ていき、空いた玉座に座り
我が物顔で大勢の人たちの前で晒されているに過ぎなかった

別に自分以外はそんなこと知る由もなく
凄いね
おめでとう
とか
自分のことのように嬉しいと言ったくれる人もいた。

私はその出来事も偽りの栄光も
その日以来一度も口に出したことはない。

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