『動作中に起こる反射機能』
動作中に反射的に起こるカラダの反応を反射と言います。
反射とは、生体に与えられた刺激(痛み、摩擦、光など)を感受し、それに対応して生体が示す反応とされています。
この動作中に起こる反射には3つあります。
「伸張反射」「自己抑制」「相反性抑制」の3つです。
今回はこの反射機能について書いていきます。 【伸張反射】
まずは、「伸張反射」についてです。
これは、姿勢のコントロールと筋緊張の両方に関して大切です。
この反射は、筋紡錘と呼ばれる受容器からの情報によるもので起こります。
筋紡錘は主要な筋線維と並列して走り、葉巻状の形をした構造で、筋が伸張されると同時に筋紡錘も伸張されます。
そして、筋紡錘の伸張は神経で察知され、伸ばされた筋は収縮し筋紡錘も元の形に戻ろうとして反射が起こります。
例えばこれは、膝をゴムのハンマーで叩いた際、膝が伸びて小さな蹴りの動作が出るものです。
これは、ハンマーの打撃によって大腿四頭筋内の筋紡錘が急激に伸張され、元に戻ろうと大腿四頭筋が緊張することで起こる反射です。 【自己抑制】
これは、伸張反射とは逆の反応で、筋肉が過度に強く収縮したときに骨から付着部が裂離するのを防ぐ為に起こる防御的な機能です。
その為、伸張反射と自己抑制は同時に起こることはありません。
これは、腱にある受容器のゴルジ腱器官が緊張を感知します。
筋が収縮し筋の長さが短くなると、ゴルジ腱器官は腱部の緊張の増加を記録し自己抑制と呼ばれる筋の反射性弛緩を引き起こすのです。
日常生活の通常動作では、自己抑制を発生させるような筋の過度な緊張は生じないため、伸張反射と比べて生じにくいと言われています。 【相反性抑制】
最後の相反性抑制は、主働筋が動きを起こしやすいように拮抗筋が弛緩することを言います。
例えば、力こぶを作ると膨らむ上腕二頭筋を収縮させる際、反対の腕を伸ばす筋肉である上腕三頭筋は動きを制限しないよに弛緩します。
このように、うまく相反性抑制を起こしながら腕の曲げ伸ばしをしているのです。
このような3つの反射がうまく働いているおかげで、身体を守ったり、効率よく動作を起こしたりすることができ、この反射を利用することでより効率よく身体を整えることができます。
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