魂の抜け殻 第15章
告別式
7月11日、告別式。
睡眠不足と、夜中に父の顔を見ていたせいか、告別式が始まってすぐに身体が震え出した。動悸がする。過呼吸になりそうだ。汗が出てくる。たまらなくなって告別式を抜け出し、ロビーで休んだ。水を買い、一気に飲んだ。少し楽になった様だ。
どのくらいの時間が経ったのだろうか。出棺の時が来た。戻らなければならない。立っているのが精一杯。情け無く思うもどうにもならない。父の入っているお棺に花が飾られる。見ていられない。涙が溢れだす。叔母が僕を抱き締めてくれた。お棺に釘が打たれる。
「違う!嫌だ!」その場に倒れそうだった。火葬場まで歩かなければならない。皆で歩く。フラフラしながら歩いた。泣きながら頑張って歩いた。
“焼くの?お父さんを焼くの?どうして?”そんな言葉が頭の中をらグルグル回り、耳を塞いだ。必死に耐えた。
父はあっけなく骨になった。不思議なもので、骨になると吹っ切れた。
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