魂の抜け殻 第28章
あちらが先かこちらが先か
弁護士正木氏より電話アリ。珍しく時間外の電話。そして慌てている様子。父の生命保険の確認。以前、保険会社に問い合わせた時の事を詳しく聞かれる。
税金滞納している為、父の財産は税務署が差し押さえる事ができる。保険金は父の財産に値する為、税務署が動き出す。その前にこちらが保険金を受け取らなければならない。だから正木氏は慌てていたのだ。
正木氏は税務署の担当と話したとの事。担当なりの気遣いである会話。正木氏もそれを見越して動いてくれている。こちらは保険金確保の為、急いで行動しなければならない。保険金は正木氏の口座へ振り込まれる様にした。
必要事項を記入し、速達書留で保険会社に郵送しなければならない。振込み先が正木氏の口座の為、委任状も作成。通常保険金は10日ほどで振り込まれる。今回は通常で無いケースの為、それより時間がかかるであろう事。
税金にもランクがあり、未納分はランクが上の順に支払う。
・固定資産税
・健康保険料…等
税務署は保険金を差し押さえる権利がある。それは父の保険金が“会社の財産”に値するからであり、また“父個人の財産”に値するからである。税金は全て支払えなくても、それで済ませる事になる。現段階の見込みではこちらが保険金を受け取った際、弁護士費用及び税理士費用、のち未納分の税金を支払う。
この電話を受け取ったのが金曜日。必要書類は次の日に届いた。週末の為、郵便局は休みである。書留は無しにして、プラス速達分の切手を貼りポストへ投函しようか。迷ったが、確実に届けたい。保険会社も週末は休みであろう。僕は週明け月曜日に朝一で郵便局に行く事にした。
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