青ィ夜のダーリン

あたしは簡単に捨てられる
あんたは簡単に捨てられる
同じでしょう?
ねぇそうでしょう?


空を描く湖で
黒く染まる白い翼
もう二度と
帰らない


所詮あんたの翼はレプリカよ
湖の畔で漆黒に
溶けるといいわ
そうよ、もう帰らないの


少女の瞳が
知ったのは"破壊"
刺青"タトゥ"に秘められた
堕天使の涙


その“タトゥ”に込められた
あんたの瞳
飛びたいと願った
愚かな泪


微笑みが
清らかに歪ミ出す
その身を捧げ
枯れるまで


青い闇に愛されて
あんたは堕ちてゆくの
あたしには視える
あんたの偽りが


その瞳、唇、揃えた指と爪先が
色褪せて
その身が
枯レルまで


とうに色は無く
とうに枯れているの
その呻き声は
闇のヴァイオリン・ソナタ


[青い夜のダーリン]

From 青のダーリン
(逆縞ハンサム and 夜衣青磁)

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