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心の貧しい人

マルコ福音書 16:13     2024 05 07 (火)
それから、イエスは彼らに言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」

キリストは十字架に磔となって死に、墓に葬られましたが三日目に復活しました(教義であるだけではなく、私自身は一ミクロンも疑っていません)。そして天に昇って行かれましたが、それまでの40日間、弟子たちと過ごし、一つのミッションを授けられました。それが今日の金言です。この時の弟子は500人くらいいたと書かれていますが、彼らからキリスト教が始まって二千年間に何百億というクリスチャンが生み出されました。しかしまだ全世界にクリスチャンで満ちるところまでは行っていません。未だにその現地の言葉で聖書が訳されていない民族が何百とあるそうです。聖書が日本語に訳されて160年経ちますが、聖書を読む人口は数%でしょう。

クリスチャンではないものの聖書に関心を持つ層 (宣教学では「ピープルグループ」というそうですが) があります。ホワイトカラーの中年男性です。聖書そのものではありませんが、解説書が出るとよく売れるそうです。神を求めているわけではないようですが、聖書の思想はキリスト教国とのビジネスに役立ちそうだし、欧米のの価値観への知的好奇心を満たしたい、人生の指針になりそうだという願いを引きつけるのでしょう。この人たちは福音に受容的と思われます。クリスチャンの男性は教会に誘うよりも、彼らのホームグランドに入って行き、心の友になります。ポロッと本音の出る関係を作れたら成功ではないでしょうか。

もう一つの関心層は、50代から70代の女性です。子育ては終わり、定年後の伴侶との生活に入り、親の介護が始まり、人生の新しいステージに入っている人々です。大きな変化を経験しますので、悩みも増え、人に相談することも増えます (特に女性は男性に比べてホットラインが多いようです)。人生経験は豊かですが、同時に失敗経験も豊かなので、過去に対する忸怩たる思いも増えます。忙しい中年期が終わって自分と向き合う余裕が出て来ます。自分の病気や老後や死について考えることが増えて来ます。クリスチャンは彼らの心の友となって証しをすることができます。

さらにもう一つの関心層は未就学児を育てている親です (お母さんだけではありませんが) 。子育ては未経験の分野で不安も強く、心が貧しくなっています。この期間に聖書に基づく子育てに触れることは、揺るぎない安定感をもたらします。しかし子どもを預けて働き出すと、おおむね心の貧しさが薄まり、福音への受容力も弱まります。それでもこの時期の親は自分に向き合いやすいところがあるので、福音によって人助けしやすいでしょう。他にも福音に対して受容的な層があると思いますが、周囲を見回して、可能性に賭けたいと思います。

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