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拝啓、みこと心理臨床処 様

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2023年から始まったみことスタッフ3名によるリレー方式の往復書簡コラムです。 みこと心理臨床処の雰囲気を、皆様に、感じてもらえたらと思います。
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#存在

友がみなわれよりえらく見ゆる日は

表題は という石川啄木の有名な歌の上の句を少々変えてみたものです。こうしてほんの少しでも変えてみると、啄木の歌の才能と、彼が抱えた痛いほどの孤独がありありと伝わって来ますが、それはさておき。  どうして自分だけ、という思いがもたらすものは本当に多岐にわたります。  そんな時は自分というものが卑小に見えて仕方なく、新しいものに手を伸ばしたり新しい場所に足を踏み入れたりといったことは難しくなるような気がします。  自分がそんな場所やものにふさわしいと思えなくなるから。

Message in a bottle

普段のおしゃべりは、いつまででも続くのに、リレーコラムになるとつい筆が止まるのは、我々3人、案外シャイなのか、怠惰さ故なのか。 さて、気がつけば夏真っ盛り。太陽が東の空にあるうちから、じりじりとアスファルトの道路を焼き、熱気が地表を覆い尽くす。路地裏の野良猫も、あまりの暑さにじっと息を潜めているのに、庭の雑草は信じられないほどの生命力でボウボウと伸びている。 子どもたちにとっては、待望の夏休み突入、である。が、現実には、夏休みを待ちわびている子どもばかりでもない。 ス