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拝啓、みこと心理臨床処 様

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2023年から始まったみことスタッフ3名によるリレー方式の往復書簡コラムです。 みこと心理臨床処の雰囲気を、皆様に、感じてもらえたらと思います。
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#優しさ

心とはなんぞや

優しさの定義は難しいですねえ。私はあまり優しいと言われたことがないのできっと優しい人ではないのでしょう。そもそも優しさの優の字の字源を調べてみると、「憂」える「人」のことらしいので、こちらは当てはまっているかもしれません。 そう考えるとカウンセラーは憂える人であり、その姿勢やあり方が優しさゆえによるものと一般的に誤解されがちなのもなるほど、と思います。優しさがスキルになったり優しさでスキルが身についたりするならこんなに楽そうでシンプルなことはないですよねえ。 実は優しさを

優しさの味

前回のコラムで「優しさ」ってなんだろう?とありましたが、これは、ありふれているのに、難しい問ですよね。 私の中で「優しい人」のモデルは、子どもの頃から「風の谷のナウシカ」の主人公のナウシカでした。そのせいか、私の中で優しさはいつも強さとセットでしたね。人に優しくあるためには、強くなければいけない、みたいな。 「優しい」を辞書で引くと、①姿・様子などが優美である ②他人に対して思いやりがあり、情が細やかである ③性質が素直でしとやかである。穏和で、好ましい感じである ④

優しさのお届けもの

土砂降りの雨を前に、傘を忘れてどうしようかと思案している時に、後ろから来て傘を貸してくれるわけではなく、 「私たちも忘れちゃった! どうするかねぇ?」 と、笑いながら空を見上げるそんなイメージが、お二人のお手紙コラムを読んでいて浮かんできました。 そこから、一緒に雨宿りをするもよし、どこかのカフェでお茶をするもよし。もしくは、土砂降りの中で一緒に濡れながら帰るのもありかもしれません。途中の帰り道で、別々になってしまったとしても、きっと一人になった時、その時の様子を