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息子に障害の話をして療育手帳とさよならした日

お久しぶりです

自閉症スペクトラムで支援級に通う小2の息子は
2度目の夏休みもいよいよ終わろうとしていた
逃げ場のないような猛暑日が続き
超健康元気が取り柄の息子も流石にちょっと疲れ気味
それでも市民プールと学童とラジオ体操にセッセと出かけ
宿題も終わらせて
ご褒美に買ってもらった「星のカービィ」をやり込んでいる
家の中ではステテコとメッシュ生地のタンクトップでふらふらして
部屋を散らかし
母に怒られ
渋々片付け
また3秒で散らかす
the夏休みを過ごす毎日

そんな中、療育手帳の更新日が来て
親子で児童相談所へ行き
甲子園っぽく言えば
2年ぶり3度目の田中ビネーテストを受けた

まず言いたい

管轄の児童相談所
めちゃくちゃ遠い
まぁ…そんな繁華街にあるもんじゃないけど
電車乗り継ぎ乗り継ぎ1時間はかかる場所だった
重度障害や乗り物苦手な子は大変だろうなぁ…と思う
区役所とかでやってくれれば良いんだけどなぁ
もしくはかかりつけの療育センターでも良い
あと児童相談所、やっぱなんか重々しい雰囲気なので
もっと子どもウケしそうな感じにしたらいいのに…と思うし
「ようこそ!なんでも相談してね!!」って感じにしてくれると嬉しい
相談員さんはステラおばさんみたいな雰囲気だと嬉しい
とワガママな妄想をしながらやって来た

とにかく初めて児童相談所での更新
(前回は特想センターだった)

着いて早々、息子はテストをやりに相談室へ
待機時間も長いので
母はNHKオンデマンドの「鎌倉殿の13人」をスマホで見ながら待機
ちょうど源頼朝が挙兵を決意した所で息子が帰ってきた

「はぁー難しかったわ…図形は簡単だったけど…掛け算が出るなんて」
と、まるで定期テストを終えた中学生のような顔だ
掛け算まだ習ってないのに、そんなのまでテストに出るんだなぁ。。
そういえば3度目なのに、未だに田中ビネーテストの内容って見たことが無い
(内容は結果に影響するので非公開とのこと)
「3×4ってテストで出て、12って書いちゃった…」
合ってるやんけ
「3が4コあるから6+6=12だと思って」
わぁ独特の計算方法
「ま、だいたい正解したと思うけど…」
田中ビネーってどんなテストなの?と聞いても
「もぅ忘れたわ」と3分前の事はもう忘れたとの事
過去は振り返らない主義なのね…
(そういえ今日の学校の出来事とかも全然話さない人)

少しして親子で相談室に通される
今日の担当の方はニコニコしてやさしい眼鏡をかけた女性だった

自閉症スペクトラムの診断までの過程と
療育履歴をヒアリングされ
「お箸は使えてますか?」
「睡眠はとれてますか?」
「ひらがなは書けますか?」
「交流級(小学校の通常クラスのこと)で何か授業は受けてますか?」
などの質問を受ける
どの質問にも「はい」で答えた

「家では落ち着いてますか?」
「…落ち着いて…ますね」
そう、最近息子は本当に落ち着いている
なんなら家族で一番メンタルが安定しているのだ
私が落ち込むと「脳みそがいっぱい詰まってるね〜」と頭を撫でてくれるし
夫が疲れていると「沢山寝てね」と気を遣っている
人間何回目なのだろう

「落ち着きすぎて、家族に色々気を遣ってるんじゃないかと、心配になります」
最近我が家は親たちのメンタルが不安定であった
特に夫は激務と人間関係で弱っていたので
かなり息子が心配している様子を見せている
「人の気持ちを考えてるという、良い面もあると思いますよ」と相談員さんが言ってくれた

「IQなんですけど…自閉症スペクトラムの診断があっても、手帳を受けられるIQを超えてますね」
今回息子のIQは91〜95くらい
暫定での計算でも療育手帳は受けられないという結果だった
元々2年前もIQ89でギリ交付
なおかつ住んでいる横浜市は他の自治体よりも自閉症スペクトラムに関しては、割と広く療育手帳を交付してくれるのだ
それでも非該当という事だという
「後程『非該当』の通知がいくと思います」

非該当

喜ぶべきか
悲しむべきか

実は療育手帳、かなり我が家では活躍していた
(参照:愛の手帳の話)
なくなるととても不便なのだ
そして手帳
非該当≠自閉症スペクトラムが治った
という事もよく知っていた(そもそも障害だから治るという概念はない)
とりあえず手帳の件に関しては
精神健康福祉手帳を取得することにした


隣で息子がモジモジとしている
よく見ると耳が真っ赤である
相談員さんの質問にはなんとか答えているが、
「もうやだ」という顔で落ち着かない
早めに面談を切り上げ、早々に部屋を出た


「あーもー疲れたー」
小腹を空かせた息子とモスバーガーへ寄った
私は思い切って息子に自分自身の障害の事を話す事にした
もう流石に自分の事、色々思う事があるだろう
今日の事も
支援級に通う事も

「ちょっとお話良いですか?」
ハンバーガーを食べ終えてストローで遊ぶ息子に話しかけた

私「君には苦手な事と得意な事があるよね。君は得意な事が沢山あって、算数だったり、パズルだったり、沢山電車の種類が言えたり、道をすぐ覚えたり…。それと、苦手な事もあるよね。」
息子「うん、ある」
私「君が3歳の時、君は人が沢山いるところが苦手だった。大勢のお友達と遊ぶのもちょっと苦手そうに見えた。大きい音や、お話をするのも苦手そうだった。それが悪い事という訳ではなくて。」
息子「あー、覚えてる。俺、一人で遊ぶのが好きだったから。」
私「そう、それで君を病院へ連れていったの。得意な事や苦手な事をもっとよく知りたかったから。で、君は『自閉症スペクトラム』っていう特性だと言われて、手帳を貰って、今日のはその再検査でした。」
息子「で、手帳はまた貰えるの?」
私「もう貰えないよ、君がとても頑張って成長したからね。でも、苦手な事はきっとまだまだあるし、別にそれはそのままで良いよ。ただ何が苦手かは自分でも分かってた方が良いよ。」
息子「俺、友達とは遊べるようになった。自分の気持ち、話すのはまだ苦手。」
私「なんで自分だけ支援級なんだろう?って思った事ある?」
息子「ある。」
私「交流級より支援級の方が人数が少ないから、そっちの方が良いかな?と思ってそうしたんだけど、これから苦手や得意は変わっていくから、もし交流級で勉強したかったら変えていけるよ。自分で決められる。」
息子「うーん…でも人数少ない方が楽。このままでいいよ。」

ちなみにこの間、息子はずーっとストローで遊んでた
そして話が終わるとこう言った
「まだお腹、ぜんぜん空いてるんだけど」


というわけで、
療育手帳とはさようなら
息子は自分の苦手を「これが苦手なんだよ」と
割と人に言うようになった

私はと言うと
正直一時期息子へのハードルを上げてしまい
その結果若干息子が不安定になった
特性はそのまま残っているのだから…と自分に言い聞かせた

ちなみに田中ビネーテストの詳細は
児相の相談員さんが後日電話で教えてくれた(自分で問い合わせた)

・算数図形が得意
・ワーキングメモリーと言語表現が苦手

と言う事だった

言語表現は
うん、とにかく人に話しかけるのをやめないで!
言葉より心意気!と息子に言っておいた

ワーキングメモリーは
持ち物やスケジュールをあらゆる所に貼ってるけど
その貼った物を見忘れる
という筋金入りなので
ちょっと要検討………かな……………… 


自分の事を知ると言うのが
息子にとって生きやすくなる一歩になると良いなと思う

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