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令和世代に聞いてほしい昭和都市伝説~怪人編~

ようこそ民俗学研究室へ、主任研究員の天道巳弧です

最近都道府県別の妖怪動画を作っていたら
弟から「都市伝説もやれよ」とリクエストをもらった
あざますあざます

ので
ちょっと懐かしい都市伝説を集めました

題して「都市伝説の謎を追え!昭和怪人編」

今回は心霊系の噂をメインに集めたので
他の怪談や生活系、企業系の都市伝説も観たいよ~という方は
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↓動画で観たい方はこちら

◆口裂け女

あまりにも有名すぎて誰もが一度は耳にしたことがあるだろう

口裂け女とは1979年(昭和54年)の春から夏にかけて
日本で全国的に流れた都市伝説だ

内容は口元をすっぽり隠すほど大きなマスクをした若い女性が
学校帰りの子どもに「私、きれい?」と尋ねてくるというもの

子どもが「きれい」と答えると女は「これでも?」とマスクを外すのだが
その口は耳元まで大きく裂けていた
もし質問に「きれいじゃない」と答えると包丁やハサミで殺害されてしまうらしい
理不尽の極みである

こちら当時の小中学生の間で爆発的に広まり、
パトカーの出動騒ぎや集団下校が行われるなど
社会を巻き込んだパニック状態になった

そして1979年6月21日には姫路市で
25歳の女がいたずらで口裂け女の格好をし、包丁を持ってうろついたため
銃刀法違反容疑で逮捕されたそうだ
発想が迷惑動画と変わらん

ルーツは様々な説があるが
そのどれもが発祥地を岐阜県としている

そして一番最初の目撃情報とされているのが
1978年12月上旬に岐阜県の農家に現れたというものだ

もしかしたら口裂け女は岐阜県の人間なのかもしれない

では口裂け女はなぜ爆発的に広まったのか

民俗学を研究している飯倉 義之(いいくら よしゆき)准教授によると、
当時、塾通いをする子どもたちが増え
塾はあちこちの学区から子どもたちが集まる社交の場になった

そこで別の学区の子から『うちの学校でこんなことがあったんだよ~』と聞いた子が
『怖い!うちにも来るかもしれない!』と次の日に自分の学校で話を広めていく

それを繰り返すうちに家族、ご近所さん、遠く離れた親戚にも話が伝わり
そのうちメディアが話題を取り上げ全国へ口裂け女が広まったという訳だ

当時SNSも無い時代でこれだけのことが起こったのだから
口コミというのはすごいね

ちなみにこの口裂け女騒動は1979年の夏休みが終わるころには沈静化してしまった
おそらく夏休みに入り子どもたちの口コミが途絶えてしまったためと思われる
ちょっと残念

ちなみに対抗策としては『ポマード』を三回唱える、
質問に対して「ふつう」と答えると言われていたが
近年「どっちかというと可愛い系かな」という第三の選択肢が湧きあがった

黒髪ロングマスクの推定20代女性に「どっちかというと可愛い系かな」と答える小学生
薄い本が厚くなりそうだ(適当)

◆トイレの花子さん

こちらも絶対に聞いたことがあるであろう都市伝説、太郎さんの場合もある
1980年代頃から広まった学校の怪談を代表する話だ

内容は「誰もいないはずの学校のトイレで『花子さん』と呼びかけると、
『はぁい』と返事が返ってくる」というもの
姿はおかっぱ頭で白いワイシャツに赤い吊りスカートが定番である
あれっ…どこかで見たような気が…

最も定番な噂は「学校の校舎3階のトイレで、3番目の扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか?』と言うと個室からかすかな声で「はい」と返事が返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きずりこまれる」
というものだ

ちなみにこちら、元ネタは1950年頃に広まった『三番目の花子さん』という話だ
なんでも「学校の3番目のトイレに入ると、
どこからともなく『三番目の花子さん』と呼びかけられ便器から白い手が出てくる」らしい
昔は我々が花子さんだったんだね

噂によると花子さんは
本名長谷川花子で1879年(明治12年)生まれ
牛乳が嫌いで白系の色も嫌い、赤系と青系の色が好き
学校では卓球部に所属、花粉症らしい

では肝心の対処法だがそれは簡単で
100点満点のテストを見せるだけ!

この圧倒的高学力を見よ!と水戸黄門様の印籠のごとく掲げれば
花子さんは恐れおののき逃げていくそうだ

満点のテストが無い人はスギ花粉でも集めてもろて

◆カシマさん

こちらもご存じ都市伝説
知名度の割には「鹿島大明神・カシマさま・カシマレイコ・仮死魔霊子」と派生や表記ゆれが多く、なかなかコレ!といった定番の噂がない

共通しているのは『「過去に起きた悲惨な事件」の話を知ってしまった者に、電話や夢などで「謎」の問いかけがある。これに正しく答えられないと身体の一部を奪われて死んでしまう』という部分だ
この身体の一部というのは足だとする場合が多い

その事件というのは
「戦時中、米兵に両手足を撃たれ、苦しみ抜いて死んだ郵便配達員がいた」
「終戦直後の混乱期に、米兵に強姦された女性が列車に投身自殺をした」
などだが他にも数多くのバリエーションがある

カシマさんの性別も女性だったり男性の傷痍軍人だったり安定しない

噂の傾向としては「聞いた人間の所に現れる」「命を奪われる」「体が欠損している」のどれかが織り込まれている

ではカシマさんの対抗策だがとてもシンプル、「謎」に答えるだけである

「謎」の内容は「脚いるか?」・「この話を誰に聞いた?」などが多い
正しい答えとしては、
「手をよこせ」と言われたら「今使ってます」
「脚をよこせ」と言われたら「今必要です」
「その話を誰から聞いた」と聞かれたら「カシマさん」・
「カは仮面(火事)のカ、シは死のシ、マは魔のマ、レイは霊のレイ、コは事故のコ」
とされる

正直なところカシマさんは謎も正解も多すぎて全てのパターンを暗記するのは難しい
だが謎とともに正解も出回っているので、噂で聞いた通りに答えるのが一番良いだろう

この形の定まらないもやもやとした状態こそカシマさんそのものかもしれない

ちなみに鹿島神宮はカシマさんと名前が似ているせいで関連付けられてしまった
全くの災難

◆赤マント

赤マントといえば昭和の怪人を代表するような存在だ

内容は赤いマントをつけた怪人物が少女を誘拐し、殺害してしまうというもの
シンプルイズベスト

赤マントの噂自体は昭和11年頃から存在しており、
昭和15年頃から東京から始まり東海道を経由して大阪まで伝わったとされている
ほぼ純粋に口コミのみで人々の間に広まった都市伝説だ

別の説では昭和10年に大阪市の小学校で、
地下の薄暗い下駄箱にマント姿の男が現れるという噂が流れ始め、
この噂が1~2年かけて東京に伝わり、
そこから赤マントの話が生まれたともされる

そして昭和10年代の東京都の大久保では、
赤マントは吸血鬼であり、
赤マントに襲われた死体があちこちに転がっているなどとも言われた

いずれにせよ戦前から人々の間で広まっていた噂であり、
昭和15年には北九州から朝鮮半島在住の日本人小学生の間でも噂になっていたようだ
めっちゃご長寿な都市伝説である

似たような都市伝説では1970年~80年代に神戸市で、
赤い毛布にくるまって寝ている人物が、
子供を毛布にくるんで魔界へさらっていくという噂話が流れたこともある

結局この都市伝説、噂の元となったものはっきりしておらず、
強いて言えば昭和11年に発生した「二・二六事件」が
言論統制により詳細が伏せられていたため
噂が二重三重に捻じ曲がり『赤マント』になったのではとの説がある

カシマさんとは別の意味ではっきりしないもやもや感があるが、
それが逆に怪人らしくて不気味さが増していると思われる
ちなみに対抗策はありません

◆首無しライダー

首無しライダーは頭が無いバイク乗りの幽霊として全国に知られている都市伝説だ

このライダーはある道路を横断するようにピアノ線が張ってあり、
そこに猛スピードのバイクで突っ込んだため首をはねられてしまった
しかし、首のないライダーを乗せたままバイクはしばらく走り続けたのだという

亡霊となったライダーは夜な夜なその道路を猛スピードでさまよい続けているらしい

まあ即死なさると自分が死んだことも理解できずにその場にとどまるというものね

首が切断される原因は道路標識やガードレール、
トラックなどからの落下物とされることもあり、
走り回る理由は自分を殺害した犯人、
もしくは切り落とされた自分の頭部を捜している、などが多い

福岡県の英彦山(ひこさん)の山道では
首なしライダーの集団が爆走する「首なし暴走族」の都市伝説もあるくらいなので
地域によってバリエーションは様々あるようだ

日本で首なしライダーの噂が本格的に広まったのは
1981年に『マッドストーン』という映画が公開されてからだ

この映画には、道路に仕掛けたピアノ線でライダーの首を刎ね飛ばすシーンがあり、
これが各地のバイク事故にまつわる噂と結びついて広まったとも言われる
ワ、ワァ(ちいかわ)

また暴走族に悩まされた近隣住民が走行の妨害を目的に
道路に渡したロープでバイクが転倒するという実際にあった
事故が発端であるとする説もある
昭和だったらやりかねないのが何とも言えない

首無しライダーについては昔から存在が語られており、
古くはアイルランドの首なし妖精「デュラハン」や
ニューヨーク北部の「スリーピー・ホロウ」がいる

定番の怪談が時代とともに姿を変えたのが現在の都市伝説かもしれない

◆〇〇ババア

ここでみんな大好きババアシリーズ
量産型アイドルのごとくたくさんいるので一気に行きます

・一寸ババア
部屋の僅かな隙間から凶器を持って侵入、中にいる人を惨殺するババア
身長は数十センチほど
対抗策としてはゴキブリホイホイを置きましょう

・紫ババア
学校のトイレに現れる、全身紫色づくめの老婆
襲われた者は肝臓を抜き取られてしまう

髪が腰に届くほど長く、紫の着物に加えて口に紫の口紅をつけており、
長い爪で相手を引っ掻くともいう

対抗策は「ムラサキムラサキムラサキ」と3回続けて唱える、
紫色の物を手にして「ムラサキ」と唱えるなど
関係ないけどご年配の方って紫色が好きだよね

・足売りババア
大きな風呂敷包みを背負い、子どもの下校中に現れるおばあさん

通りかかる者に「足いらんかえ?」と尋ね、
「いいえ」と答えれば、怪力で足をもぎ取られ、
「はい」と答えれば、余分な足を1本付けられる、というもの

対抗策ならぬ唯一助かる方法は、
「私はいらないので、○○のところへ行ってください」と答えること
いずれにせよバッドエンドである

・ターボババア
高速道路を猛スピードで走るババア

六甲山のトンネル内を自動車で走っていると、突然窓を誰かに叩かれる
見ると自分の車と並走する老婆がこちらを見ている、というもの
これはびっくりするだろうな~

このババアは時速140キロ以上で走るが、
ドライバーを驚かせる以外は特に何もなく無害とされている

ちなみにターボババアの派生形として
バスケばあちゃん
ホッピングばあちゃん
棺桶ババア
ボンネットババアも存在するらしい
多いわ

・ばばされ
この話を知ると、当日の夜に開けた覚えが無い窓が開いていて、
外を覗くと家の前の道に老婆が立っている
その時「ばばされ」という呪文をスムーズに3回言うと消える

という閲覧自己責任系の都市伝説だね

・ヨジババ
午後4時頃に学校内の特定の場所にいると、正体不明の老婆に襲われるというもの

襲われた子どもはさらわれたり、四次元に引きずり込まれたり、
何もない世界へ連れていかれるらしい

こちらも話の設定やオチ、名前に多くのバリエーションがあるが
「午後4時」と「老婆」が共通して登場する

老婆の姿はあまり語られていないが、
血だらけの老婆、人骨を積んだ乳母車を押している、
透き通った目だけで現れるなどと言われている

京都府城陽市付近では江戸時代以前からヨジババの元になった怪談があり、
それが午後4時までに帰宅しない子どもをさらうヨジババとなって語り伝えられている

信じるか信じないかは、私次第

というわけでいかがでしたでしょうか
懐かしの昭和都市伝説怪人編でした

こうした都市伝説を見ると噂には時代を反映しているのが分かって面白い

もっとひとつひとつ詳しく紹介したいので個別の動画も作ろうと思うので
チャンネル登録して待っててね

「おいおい、この都市伝説が抜けてるぜ」などありましたらコメントください

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ではご視聴ありがとうございました!
次の動画でお会いしましょ~!


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