ヤーレンズを知っている人生

大好きなお笑い芸人について書きます。
結成11年目、今年M-1準決勝に進出したヤーレンズ。

以前から彼らのことはもちろん知っていたけれど、目当てにライブを見に行くほどコアなファンではなく、東京お笑いのライブシーンでよく見かけるお兄さんという感じの印象だった。

そんな私がヤーレンズにのめり込んで行ったのは今年の6月頃。
まんじゅう大帝国の「落語良いとこ一度はおいで」のみを目当てに聞いていたネットラジオアプリGERAで、シャッフルトークという企画があり、ヤーレンズ楢原さんとストレッチーズ高木さんのコラボ回を聞いたことだった。

トップページの新着に出ていたのでなんとなく聞いただけで、そもそも二組のことをそんなに知らないはずだったのに、高木さんの傾聴力とそれによって引き出される楢原さんの変態性が凄まじく、私は見事に楢原さん(そしてこの変な人と何年もコンビを組んでる出井さん)が気になってしまった。

その日から、すでに100回以上配信されていた「ヤーレンズのラジオの虎」の過去回を1から聴き始める生活をスタートさせた。

「ラジオの虎」の何が面白いって、お二人の引き出しの多さと速さ、それに伴う情報量の多さ。
その粒感の話、よくそのスピードで出てくるな•••という呆れも感心もしてしまうような出来事を、数珠つなぎで次々と出してくる。
そしてそのジャンルは芸能、スポーツはもちろん、政治や経済にも飛ぶのでちょっと油断していると割と遠くまで飛ばされてしまう。
(そもそも記憶力が相当良い。特に楢原さん、大学受験失敗して芸人になったとは思えない。売れたら東大受験企画で青春取り戻してください。)


「ラジオの虎激ハマり」に上乗せしてヤーレンズと番組に特別な思いを抱くことになったきっかけとしては、最新回も目前になった7月上旬、人生で経験したことのない種類の悲しい出来事を体験してしまったことにある。

自分ではなにも出来ない事だったので、消化するには時間の経過を待つしかないだろうと思っていた。
人に聞いてもらいたい気持ちもあったが、誰かに話せばその人にも悲しい気持ちを伝播させてしまう事になる。
どうしようもない深夜2時にようやく私が出来たことは、いつものように「ラジオの虎」を聞くことだった。

悲しい気持ちがなくなることはなかったけど、お二人の転がり続けるおしゃべりにやっぱり笑ってしまう瞬間があり、その事実に一気に泣いてしまった。
本当にこちらの身勝手な受け取り方だが、こんな時にも「笑わせてくれてありがとう」としか思えなかった。
そしてあまり使いたくないけど、ヤーレンズは私にとって「尊い」と思った。


以降、初めてGERAに課金し、ライブも以前より頻繁に見にいくようになった。

ラジオと変わらず”としちゃん”な楢原さんと、きっとアドリブもあるだろうにその一挙一動を丁寧に拾っていく出井さん。
転がり続けるおしゃべりスタイルで他の若手よりずっと長い時間漫才をしているお二人は毎回びっくりするほど面白かった。


M-1予選の時期になると「あのコンビは仕上がってる」などという噂が聞こえてきて、今年はTwitter検索に【ヤーレンズ】と打つと【仕上がっている】とサジェストされるまで。

専門家でもないし、ライブに通い詰めているとは言えない私に仕上がり具合の判断はできなかったが、どうやら本当に仕上がっていたということなのでしょう。
6回敗退した準々決勝の壁を見事クリアし、初めて準決勝に進出した。
古参でもなんでもないけど、純粋にすごく、うれしいものですね。。

先日のライブで他の芸人さんから「決勝進出出来そうか」と聞かれた出井さんは「出来そう!なぜなら気合が入っているから!」と人差し指を天に突き上げて宣言していた。
自信がある人のオーラってすごい。


私は絶妙なタイミングで「支えられた」という重めな思いが乗ってしまっているものの、純粋に面白すぎて聴き始めた「ラジオの虎」とお二人の漫才。
今年のM-1がどうなるかなんてわからないけど、この大会を通じて世の中に見つかったら、今よりもっとたくさんの人が「ヤーレンズを知っている人生」を歩めると思うと、それはすごく幸せな出来事に違いないと思うのです。


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