「脳は否定形を理解できない」を実感した分娩台。
娘が4ヶ月になろうとしています。
あの痛ったい出産から4ヶ月。
超安産だったけど、痛いものは痛かったですね。
そして、
痛い以外にも、とある事を実感した出産でした。
それは、「脳は否定形を理解出来ない」ということ。
…え?どういうこと?
例えば、
うちの息子がスーパーで走り回っていて、私が
「こぉら!走るな!(否定形)」
と一喝する。
この瞬間、息子の脳の中で何が起きているかというと、
①「走る」ことをイメージする。
②その後に「走る」ことはNGだと理解する。
で、脳がイメージしたものに行動が引っ張られるので、結局うちの息子は走り続ける、ということになるらしい。
走ることをやめさせたい時は、
「歩いて!」という肯定的な声かけの方が良いらしい。
(まぁ、歩いてと言っても、走ってそうですけどね。うちの息子)
つまり、脳には
「否定形を理解するために、否定されている内容や行動を一度イメージする必要がある」という特性があるようです。
この脳の特性を知ったのは、とある俳優レッスンです。
その時は、「へぇ」と頭で理解した程度でした。
しかし、分娩台で陣痛真っ只中の時に、このことがストンと腑に落ちるのです。
子宮口全開で、もうそれはそれは陣痛MAXの時。
いきみ逃しをしている最中。
おそらく痛すぎて、私は全身に力が入っていたのでしょう。
一番ベテランであろう年配の助産師さんが声をかけてくれました。
「赤ちゃんが降りてこられないよ。お母さんがそれを出来なくしてるよ。力、入れないで。赤ちゃん苦しいよ。」
と、ほぼ否定形で叱咤されたのですが、激痛で極限状態の私の脳みそは、その声かけをまっったく理解出来ず、
「で?何?今はどういう状態?どうしたらいいの?てか、痛いから力入るにきまってるだろ。それより抽象表現はいいから、具体的に指示してくれ」
と心の中で悪態ついてました。
(すみません)
その時、他の助産師さんが、
「息吐いて!細かく吸って、吐いて。がんばって」との声かけ。
この声かけがスーッと頭に入ってきて、冷静に呼吸が出来たのであります。
具体的で肯定形の指示、かつポジティブな励ましにより、イメージができて行動にうつせたのでしょう。
極限状態や余裕が無い状態の人に伝える時ほど、肯定的で具体的な内容かつ端的で明確に伝えることが大事だなと、身に染みて実感。
これって子どもへの声かけにも応用できそう。
毎回実践して成功とはならないかもしれませんが、駄々をこねた余裕の無いの子どもにやってみる価値はあるかもなぁ。
7年ぶりの出産はそんな面白いことを体験したのでした。
ではまた。
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