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その伝統は本当に守るべき?

私は「伝統を重んじる」と「伝統に思考停止になる」のは分けて考えた方がいいと思う。
「伝統」がもつ「守るべき」「変えちゃいけない」という無言の圧力は、時代と逆行していると感じている。


例えば相撲。
私は相撲が好きで、子供の頃からテレビでよく見ていた。
でも、最近は見るのがつらい。
役力士(小結以上)まで上がると、首や膝、腰などを痛めているのだろう、ほとんどの力士がどこかにテーピングをして土俵に上がっているし、休場が増えている。
日本人力士がんばれ!なんて言われたって、体格が違う外国人力士に勝つためには、極限まで無理をしてしまう。
外国人力士の参入以降、力士の重量化に拍車がかかり、日本人力士も体重が増え続けている。
幕内力士の平均体重は162kg。
昭和51年の平均体重は129kgだったから、大型化が著しい。
相撲は体重無差別の競技。
ぶつかり合う時の衝撃は交通事故並みだと言われている。
勝負がつくと高さ66cmの土俵から転げ落ちて大怪我をすることもたびたび起こる。
相撲は神話の時代からある、とか国技とかいうけれど、伝統だからと時代の変化に応じた変化をしてこなかったのは、伝統だけを守り、その競技と力士を大切にしていないように見える。
入門者が減ったからと外国人力士を受け入れたことが、問題をさらに深刻にしてしまった。


変えることを避けてきたために問題が深刻化するって、他のことにも当てはまる。
働き方も、教育も育児も、男女の役割も恋愛の形も人口問題も、時代とともに変わっている。
昔の思い出、記憶に固執するのではなく、新しい情報を受け入れ、これから先の時代を考え、自分だったらどうしたいか、何ができるか、考えられるようにしていきたい。






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