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心に美しい庭を作る


凪良ゆうさんの本が好きです。
今回読んだのはこちら。

今回もとても共感できる内容でした。

凪良さんの書くものには、社会の常識(という言葉自体が好きではないけれど)とは少し違った生き方をしている人が出てきます。
私はその登場人物に、いつも自分と同じ部分を感じながら読むことができます。
片側から見たらかわいそうに見られる人が、迷いながらも自分の気持ちに正直に向き合って、自分が生きやすい場所を見つけていこうとしているストーリーに共感できます。

事実というものは存在しません。存在するのは解釈だけです。これは、ニーチェという人の言葉です。

本文より

彼女の本には家族の在り方について問うようなストーリーがよく出てきます。
世間一般の家族関係に縛られたり苦しむ人が出てくるけれど、「どんな解釈でも自分たちがよいと思うことを信じていいんだよ」「失うことを恐れずに、自分に嘘をつかずに生きていければ、そこから得られるものがあって、それを大切にすればいいと」と寄り添ってくれるあたたかさを感じます。


家族の在り方も、人の生き方も、長い人類の歴史で考えたらある一定時期にたまたま多数を占めていただけのことを常識と捉えて、そこと違った生き方を「世間体が悪い」という考え方で縛りつけてしまうこと、まだまだ多いと思います。
そういう枠を解き放していければ、もっとそれぞれが自由に才能を発揮できるようになっていくように感じます。

『ぼくたちは同じだから仲良くしよう』より『ぼくたちは違うけれど認め合おう』『それでも認められないときには黙って通りすぎよう』
『無駄に殴り合って傷つけ合うよりは、他人同士でいた方がまだ平和』

本文より


小説は、心の奥に眠っている言語化できないでいた気持ちを整えてくれて、自分の許容量を増やしてくれます。
小説を楽しむことで、自分の心にも美しい庭を作れる気がします。



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