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移住生活のふりかえりとこれからと


田舎に住みたい、という夫の意見で、9年前に地方の町に中古の平屋を購入し、週末に滞在する二拠点居住生活をしていたが、3年前に東京から引っ越した。
私はずっと東京住まい。
地方住まいがどういうものかわからなかったけれど、今のわくわくにフォーカスして同意した。
全く地縁のない新しい場所。
夫は、移住先をいろいろ考えていたそうだが、最後の決め手は子どもたちの家に程々に近い場所、ということだった。


全く見知らぬ土地で新しい生活を一から始める。
そういう引越しは初めてだったけれど、移住者が多い地域で、家の周りも移住者ばかりだったから、近所つきあいは東京よりできている。
適度な接点は持つけれど、過剰には踏み込まない関係。
多分、みんな都会から越してきているからこそ、こんな関係づくりができているように思う。


友人関係は行動しないと広がらない。
最初は家を購入した不動産業者が開催するサロン活動から始まった。
夫婦単位で参加できるイベントがあり、そこで出会った人と夫婦単位でつきあい始める。
同じ地域の移住者というだけの利害関係のない友人つきあい。
つきあってみて合わないと思えば離れられる関係。
今までのつきあいでは知り合わなかった人たちを知れたのは面白かった。



中には、夫の意向で嫌々移住した人もいた。
元の住まいに帰りたい、とことあるごとに言う人、元の住まいの話ばかりする人。
そんな人は、多分何かあっても夫のせいにしてしまうのではないかな、と思いながら話を聞いた。


夫婦で移住しても、車の運転は夫しかできない人もいた。
夫に依存しないと行動範囲が限られる生活。
うまく行く人も、行かない人もいるだろうな。
でも、私はできない。


いろいろな価値観に出会えて、適度な距離感を持ってつきあう関係はなかなかおもしろい。



今は、主に2組のご夫婦と本音を言い合える深めのつきあいをしつつ、スポーツやゲームを通じた浅めのつきあいをしている人が何人か。
近所の人とは、比較的年代が近い人たちと、軽いおつきあいができている。
8年間でここまで広げられたのは、積極的でオープンな性格の夫によるものが大きい。


この間スポーツで知り合ったご夫婦。
移住して5年間、ほとんど交友関係が広がらなくて、ふたりでテニスコートを借りていた、という話を聞いた。
近所の公園でやっているグランドゴルフのサークルに思い切って声をかけて入り、一気に知り合いが増えて、そこから他のスポーツの知り合いにも広がった、ととても嬉しそうだった。


なんだか、9年前の自分たちを見ているような気がした。
私はもう、貪欲に知り合いを広げなくてもいいと思っている。
この生活が落ち着いて、次のフェーズに入っているのかもしれない。


これから先、暮らしがどうなっていくのか。
時代の変化と自分の変化、これを見据えながら、柔軟に決めていけばいいと思っている。
車の運転がどうなるか。
自分に必要な行動範囲がどうなるか。
ひとりになったらどこまで自分でできるか。
何を活用すれば快適に暮らせるか。
そばに誰が、何がいてくれるといいのか。
その時どの場所がいいのか。


未来が少しずつ見えていく生活。
アンテナの感度、磨き続けたい。










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