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昔話 第三話



VRChatに行くために3Dの体を手に入れた三日坊主だったが、パソコンのスペックの壁によって行けない日々が続く、どうする!三日坊主!助けて!三日坊主!

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OS Windows10 以上
CPU Intel 第7世代のCore i5以上 /

AMD Ryzen 5 2600 以上
メモリ 必須16GB,推奨32GB
グラフィック NVIDIA GeForceR GTX 960 以上



これはVRChatをデスクトップモードで遊ぶための要求スペック例。

当時のボクのパソコンはノートパソコンで、重いながらもギリギリunityが動いてるレベルのパソコンだった。

そんなパソコンでVRChatに入るとどうなるか、もう、ガックガク。人が2.3人いようものならすぐに固まって落ちる。何度かトライしたけどむりむりのカタツムリだった。

これは自分の中ではなかなかに絶望だった。行きたい世界が目の前にある、クリックしたら行けるはずなのにその世界との間には明確な壁がある。つらい現実が突きつけられた。

その絶望から目を背けるためにもunityや動画制作に励んでいた。(昔話2話参照)
これによってある一定の平穏がボクの心に訪れることとなる。

しかし、時折絶望の波が押し寄せてくる。TwitterでVRChatの楽しそうな写真を見た時、新しい技術革新が起きて未知の体験ができそうな時、美しいワールドが誕生した時、どうしようもなくつらい、

ある日、その波が最高潮に達した、

そして、その時にボクは思った。
"自分の中のVRChatをつくろう"と、

ボクが観測しているVRChatはTwitter上の写真や動画、それなら、ローカルな環境でワールドをつくり、遊んでいる風な写真や動画をつくれば、実質VRChatをプレイしていることと同じになるのではないか。そう思った。それが"VRChatごっこ"の誕生だった。(これが実質的現実…!)

ボクは小さいころ、サルゲッチュ2をしたくてたまらない時があった。しかしその時のボクは残念ながらPS2を持っていなかった。
でもどうしてもサルゲッチュ2がしたい。当時愛読していたコロコロコミックには楽しそうなサルゲッチュ2の紹介記事が載っている。それを読見返すたびに気持ちが抑えられなくなっていった。

そして、気持ちが抑えられなくなったボクは、サルゲッチュ2の攻略本だけを買うことにした。親には不思議がられた。どうして持っていないゲームの攻略本を買うのかと、でもPS2とサルゲッチュ2を購入することを考えると、攻略本だけを買う方が遥かに安上がりなので購入する許しを得た。

攻略本を手に入れたボクは擦り切れるほど読み込んだ。ああ、ここにはこんなサルがいて、きっとこう捕まえるんだろうなぁ、とか、この道具を使うとこんな感じで動いてサルを攻撃するんだろうなぁとか色々考えて欲を満たしていた。(ヤバいやつやん)

多分VRChatごっこもそんな感じなのだと思う。
ごっこ遊びは主観的に見れば自分がそのものになるんだ。見たいものを信じるものが救われる。

早速絶望が希望に変わったエネルギーを使い、ワールドのガワを作りはじめる。思い立った時期は暑い夏の日で、蛍が池のほとりで飛んでいるワールドをTwitterで見た後だった。
だから蛍をつくった。無料で使えるAssetのパーティクルをつかって蛍を再現した。他にも山をつくった。当時はTerrainの使い方がよく分からなかったので(今もよく分かってないが)Blenderのスカルプトでつくった。ガワができれば後は写真を撮るだけ、unity上にボクのpolygonの体をいい感じに配置し、蛍を楽しむボクの写真を撮る。

他にも傘だけのワールドで写真を撮りたいなと思った。


おお!これは!!楽しい!楽しいぞ!!これがあのVRChatか!そう自分に言い聞かせた。

この辺りで自分で空間をつくる、ということにハマり始める。望む空間がなければ自分で空間をつくればいい。

ワールドで写真を撮ることを経験した。次はフレンドだ。当時のタイムラインには、VRChatでフレンド仲良く遊んでる写真をあげてる人をよく見た。楽しそうでめちゃめちゃ羨ましかった。

フレンドがいなければ、フレンドを"つくればいい"。

そこで"虫唾がハシルくん"とフレンドになった。顔が「虫唾」でよく走っているフレンドだ。
虫唾がハシルくんと一緒に写真を撮った。夕焼けのワールドで写真を撮ったことが懐かしい思い出として残っている。
他にも、鳥籠のようなもので閉じられた世界で一緒に踊っている動画も撮った。虫唾がハシルくんはダンスもできるんだ、ってなった。

ここまでで、ある程度は満足していた。ワールドがなければつくればいいし、フレンドがいなければそれもつくればいい。しかし、なんだ、この空虚感は、ひび割れたグラスに水を注いでいるようだった。(詩的)
その空虚感を注視すると自分が何か崩れてしまいそうになり、目を背ける。でも、視界に入ってきてしまうつらさ。
どうしようもない気持ちが心を支配する。

そして、ついにその時が訪れる。

"つよつよPCとVR機器を買おう。"

当時はまだ傭兵になる前、お金なんてあまりなかった。初めての分割払い。10ヶ月間をかけて支払うとういう覚悟。それを選んだ。

今まで1番高い買い物だった。

色んなことが頭をよぎる。もし、返せなかったら?お仕事やめちゃったら?買ったはいいもののそこまで熱中できなかったら?すぐ壊れたら?そもそもスペックちゃんと足りてるの?
不安がいっぱいの中、1週間後に届いた。
なぜか分からないがその時は1日箱に入ったまま置いておいた。覚悟できてなかったのだと思う。
そして、ついに邂逅する。これがつよつよPC…これがVIVE…夢にまで見たセットだ。
初めてデスクトップパソコンをセッティングするのでおっかなびっくりな感じだった。あと、DisplayPort用のケーブルがなかったので買いに行った。
VIVEのセッティングには苦労した。つっかえ棒を買ってベースステーションを設置する。DIYやんってなってた。

そして、ようやく、苦労の末に、VRを始めるのだった。

続くかもしれない。


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