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EF 85mm F1.8 USM

概要

前回のEF-M 32mm F1.4 STMからだいぶ時間が空いてしまいましたが、今回はEF 85mm F1.8 USMについて。

EF 85mm F1.8 USMとは

キヤノン EF 85mm F1.8 USMは、1992年に発売された中望遠85mm単焦点レンズです。私の場合、90DやkissMでの使用がメインとなりますので35mm換算136mmでの作例や使用感になります。

UDレンズや非球面レンズ・ISなどは装備されていませんが、その代わり全長75mm、最大径71mm、重さ425gとコンパクトなレンズです。

もはやオールドレンズに片足突っ込んでいるようなレンズですが、フルタイムマニュアルやフィルター枠が回転しないことなど最近のレンズでは当たり前の機能を備えているため操作性に癖などはありません(後述する一点を除いて…)。

ディスコンも近いと思われますので、公式ページはミュージアムの方も張り付けておきます。EF135mmF2L(1996年発売)の方が先にディスコンになるとはね…。

↓ミュージアム

https://global.canon/ja/c-museum/product/ef313.html


作例

85mmというとポートレートレンズの王道ですが、90DとkissMなので35mm換算で約135mmのレンズとして使用した作例になります。後半にマウントアダプターを介してS5で85mmレンズとして使用した作例も数枚あります。

では例によってトップ画像に使っている写真から

画像1

[Canon EOS 90D, f/11, 1/1250, ISO250@羽田空港展望デッキ]

これは撮れた時思わず唸りました(自画自賛)。


画像2

[Canon EOS 90D, f/2.8, 1/160, ISO100@近所の公園]

画像3

[Canon EOS kiss M, f/1.8, 1/4000, ISO100@お台場]

フリンジがひどいですね。1992年発売のレンズですから当然逆光耐性のギの字もありません。開放で逆光を撮ろうものなら御覧の通り。ここまではっきりしていると逆にLightroom等での補正もやりやすいですが、今回はDPP4でDLOのみ適用した写真にしています(つまりDLOを適用してもこのレベルのフリンジが出るということです)。


画像7

[Canon EOS 90D, f/2.8, 1/1250, ISO100@北山公園]

花菖蒲です。風もなく水面の反射が綺麗でした。

画像8

[Canon EOS 90D, f/2.8, 1/1000, ISO100@修善寺]

これは90D購入直後の写真なのですが、AFのズレが起きていてMFで撮りました。OVFでMFで撮ると、ピントがスーっと合っていく様が気持ちが良いですね。

画像4

画像5

画像6

[Canon EOS kiss M, f/1.8, 1/80, ISO100@お台場]

わんこ3連。

画像9

[Canon EOS 90D, f/8, 1/20, ISO4000@SMALL WORLDS TOKYO]

これミニチュアなんですよね。有明にあるスモールワールズ東京の関空を再現したエリアで撮ったものです。実際にこの模型飛行機がタキシングして、離陸・着陸までしています。大の大人が大はしゃぎしてカメラ振り回して撮りまくりました。

画像10

[Canon EOS kiss M, f/4, 1/4, ISO1600@千葉にあるネズミの王国]

船首の緑色の滲みはゴーストです。

撮ったのがだいぶ前なので詳細を覚えていないのですが、DPP4の修復機能でゴーストを消そうと頑張った写真だと思います。

これはf/4なので半端ですが、f/8くらいまで絞ると光芒が発生(スモールワールズの写真参照)します。ただし、レンズ自身の逆光への弱さも相まってあまり美しい光芒とは言えません。

f/16くらいまで絞るとハッキリとした光芒が出ますが、回折の影響でかなり全体的にほにゃっとした眠い画になりますので避けた方が良いと思われます。


画像11

[Panasonic LUMIX DC-S5, MC-21, f/1.8, a1/2000, ISO200@近所]

MC-21を介したS5でもAFは正確に動作します。微妙に遅いですが。

画像13

[Panasonic LUMIX DC-S5, MC-21, f/2.8, 1/640, ISO200@近所]

85mmは野良を撮るには少し遠いですね。

画像12

[Panasonic LUMIX DC-S5, MC-21, f/1.8, 1/1000, ISO200@近所]

画像14

[Panasonic LUMIX DC-S5, MC-21, f/2.8, 1/1250, ISO200@東京駅]

フルサイズではもちろんきちんと85mmとして使えるので、少し引きのスナップのようにも使えるのではないでしょうか。


操作性

これはもう単焦点ですから単純明快。ISもないので、ボタンはAFのオンとオフのみです。シンプルイズベスト。

画像15

[レンズ単体, フードなし]

画像16

[90Dにつけるとこんな感じ]

中望遠なのでフードも少し長めですね。フードを外せばもっとコンパクトになります。MC-21を取り付けるとSIGMA85mmF1.4DG DNと同じくらいの長さになります。

で、これが唯一のマイナスポイントなのですが、フードが絶望的に付け外ししにくいです。

フードを持ってレンズをボディに取り付けようとするとフードだけがクルクル回ってかなり取り付けにくいです。

さらにこれはフードを逆付けしている場合に顕著で、レンズ本体がほぼつかめず無限に回るフードしかつかめない状態になります。

キヤノンの古めのレンズはこのタイプのフードが多いと思うので仕方ないと思いますが、これから購入しようとお考えの方は参考になさってください。

まとめ

レンズのレビューというより135mmの世界の紹介みたいになってしまいましたが、EF85mmF1.8USMの魅力が伝わっていれば幸いです。

赤ハチマキの兄弟が最安値17万円前後なのに対して、本レンズは新品でも5万、中古では3万円台となっていますのでお手軽に85mm、もしくは135mmの世界を体験するのにとても良いレンズではないかと思います。

最新のレンズではあまり見られない逆光耐性の弱さや諸収差などに苦しめられますが、条件がびしっと決まるととても良い画を吐き出してくれる時があります。その瞬間の快感が忘れられずまたこのレンズを持ち出してしまう…のようなループに入ってしまいます。

僕はこのレンズで135mmの世界に取りつかれたようで「あ、この景色は135mmだ!」ってなるのですが、どうもそれが135mmに撮らされているような感覚になるのが悩みです。


次回はう~~~んたぶんLマウントからかなぁ~

気が向いたらまた書きます。では

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