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LUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50



概要

だいぶ前にほぼ書き終えていたのですが、とある理由によりずっと公開していなかった本記事を公開します。今回はPanasonicのLUMIX S PRO 50mm F1.4 S-X50についてです。
LUMIX  S PRO 50mm F1.4は2019年3月23日に発売されたPanasonic LUMIX Sシリーズ用標準大口径単焦点レンズです。LUMIX S1と同時に発売され、Panasonic公式からも「描写性能を追及したLUMIX Sシリーズを象徴する」新世代標準レンズと位置づけされています。

操作性

操作性についてはAF/MFの切り替えのみなので単純明快。フォーカスリングを前後に動かすだけでAF/MFを切り替えることのできるフォーカスクラッチ機構は直感的で分かりやすいです。

機能性

機能も上述の通りAF/MFの切り替え機能のみで、レンズ内手振れ補正もありません。AFはS5のコントラストAFでも十分高速で正確でした。たまに迷うけど。

サイズ・重さ

他社ミラーレス用50mmF1.4と比較するとかなり大型・重量となりますが、それを補って余りある描写性能だと思います。あと見た目が好き。

描写

素晴らしいの一言に尽きます。
公式にマスターレンズと明言されるだけのことはあります。
開発者インタビューで「前ボケと後ボケで、どちらかというと後ボケを重視した」と言われていますが、正直どちらもとてもきれいです。F1.4という数値以上にボケているようにも感じます。また、このおかげか50mmではなくもっと中望遠のレンズで撮ったかのように錯覚させられることがありました。
玉ボケの中に輪郭が見えているいわゆる”玉ねぎボケ”は無いと言っていいでしょう。端部でレモン型に歪む口径食もかなり抑えられています。
また収差についても良好に補正されており、使っていた感覚として直接太陽を画角に入れるような意地悪をしても目立つフリンジやゴースト、フレアの類は見られませんでした。周辺減光はさすがに開放では目立ちますが、悪目立ちするほどではなく良いアクセントになる程度です。
画質については開放の時点でほぼ完璧で、良い意味で絞ってもあまり変化が見られませんでした。

猫@新宿中央公園(F1.4)
前後ボケの滑らかさ
紅葉@長瀞(F1.4)
逆光耐性
カブ(F1.4)
玉ボケの美しさと合焦面の解像感

品質&質感

質感はかなり良く、持った感じの剛性感やガラスの塊感は持っていて心地よかったです。個人的にキヤノンのRFマウントの寸胴レンズと比べて見た目も好きで、こちらの方が持ちやすいと思っています。
防塵・防滴ということですが、それが試されるような過酷な環境では使用していないので無評価とさせていただきます。
一方品質という点では、「ライカの評価基準をクリアした高品質レンズ」という謳い文句に疑いの目を向けざるを得ません。これが本記事を公開していなかった理由になります。
公式に問い合わせたわけではないので推測になりますが、コーティングか中玉のレンズの面の処理に持病を抱えています。後述します。

作例

河津桜@南伊豆(F1.4)
桜@近所(F1.4)
梅と月と夕焼け@池上梅園(F1.4)
紅葉@城峯公園(F1.4)
夜桜@近所(F1.4)
紅葉@長瀞(F2.2)
冬桜と紅葉@城峯公園(F2.8)
いずも@横須賀(F8)
光芒の出方
都庁展望台(F16)
最小絞り、逆光耐性

閲覧注意

上述した品質についての記述になります。
なんらかの持病を抱えてはいますが、作例の通り描写には影響しないと思われる持病です。ですが、手放す際などに「難あり品」として認定される可能性が高いということをご承知おきください。また、これは公式に問い合わせたわけでもなく僕個人の所有していた個体と、あくまでそれに基づく推測です。

点状のくもり

僕の個体は新品で購入し、使用しない時は常時防湿庫に保管の上、定期的なメンテナンス(外観、前後玉の清掃など)をしていました。また使用する際も常時保護フィルターを使用し、基本的に雨天や山岳・寒冷地等の一般的に想定される過酷な環境では使用していません。
ある理由からマウント乗り換えのため本レンズを新宿の某カメラ店に下取りに出したところ、「難あり品」として評価されました。そんな馬鹿なと返ってきたレンズを確認したところ上記画像のような曇りが確認できたという次第です。
購入当初のことはさすがによく覚えていないのですが、実は購入時に「なんか点々あるけどコーティングとかそういうものかな?」と思った記憶がうっすらあります。
いつからあるのかはさておき、「難あり品」として認定されるということは他の個体にはこのような曇りはないということになります。そう考えヤフオクなどで検索すると、残念ながら同様の症状の個体が多数見受けられました。つまり僕の個体だけの問題ではなく、このレンズ固有の持病あるいは初期不良のようなものがあると考えられます。
後日別の記事で触れようと思っていますが、S5本体の不具合もありLUMIXに対する道具としての信頼度が下がっていたタイミングでこれが起きたのはかなりショックでした。マウントのリファレンスレンズとも言えるレンズでこのような品質・欠陥は正直残念としか言えません。
S5もこのレンズも出てくる写真が本当に大好きで、このレンズがあるからLマウントから抜け出せないとさえ思っていたので、本当に残念でした。デカくて重くて正直持ち出すのは億劫になるけど、それでも出てくる写真が好きすぎて結局毎回持ち出して、撮れた写真を見てニヤニヤしていました。他にもっと小型軽量なカメラも持っていますが、それでもこちらを選んでいました。それくらいこのレンズとこれで撮れる写真が好きだったんです。
カメラは道具です。趣味の道具とはいえ、撮りたい時に撮れないかもしれないなどという不安を抱えたカメラを持ち出す人がいるでしょうか?先日のCP+2024での相次ぐSDカードエラーなど、LUMIXには道具としての信頼度を上げてほしいと思います。
これから買おうとしている方は新品・中古に関わらず購入後は必ずLEDライトで照らすなどして、この症状がないことを確認することを強く推奨いたします。

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