小さな恋のメロディ
私がまだ小学生の頃【小さな恋のメロディ】が公開された
それはそれは話題になり、というか日本中に大ブームを巻き起こした映画だった
当時は私にとって洋画を映画館に観に行くなんてまだまだ先の先の話
イギリスの可愛いらしい男の子と女の子の恋の話はとても魅力的で観たいなぁと思っていたが叶わなかった
ずいぶん経ってから初めてTVで放映され、ワクワクしながら観たのだけど、想像とはだいぶ違っていた
ただ可愛い男の子と女の子の恋の話かと思いきや
人々の生活レベルの差や思春期独特の家族との関わり、友情、初恋、色々なことが子ども目線で描かれていて、繊細でピュアでありながら、多少ブラックな部分もあって、観終わって爽やかな感情でまとまることはなかった
でも、強烈な印象を残した
後から知ったのだがこの映画
日本では大ヒットしたが本国イギリスやアメリカなどでは当たらなかったそうだ
日本ではサントラが発売され、ビージーズの曲の楽曲を世の中に知らしめた感があったけれど、他国ではそうではなかったらしい
トレーシーハイドとマークレスターは日本では大人気でその後もなにかと追われていたようだけど、2人ともその後の作品には恵まれず、演技とは違う世界を選んでいったようだ
時を経て、私は関東の大学医学部附属の看護科に進んだ
カリキュラムには基礎科目として英語があり、みんな主要科目ではないためか真剣に授業を受けていなかった
担当の教師はそんな皆の気持ちがわかっていたのか当たり前な教科書授業をせず、自分の持参したある映画の台本を教材にした
それが【melody】小さな恋のメロディ だった
長い時間をかけて、ワンシーン、ワンシーンを訳しながら時に劇中の曲をかけながら物語を楽しませてくれた
もう教師の名前も覚えていないが、私は授業が楽しみで楽しみで、専門教科や実習でクタクタになっていた体と心が癒される時間だった
そして、その授業で改めて当時1970年初期のイギリスの社会の様子について知ることができた
数々の名曲と共に今も日本では人気のあるこの映画
2022年には公開50周年記念のイベントに主演の2人が招かれてトークショーが催されたらしい
主演2人に負けないくらいの印象を残したマークのクラスメート役のジャックワイルドは既に口腔がんで亡くなっている
トレーシーハイドは田舎で牧場をやったり、マークレスターは整骨師になったそうだ