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新型コロナ罹患記

この4年間、運よく逃れ続けてきた新型コロナに罹患した。
せっかくなので、体調を崩してからの経過を記録してみることにする。


0日目 喉がかさかさする


夜中の2時を回った頃に、喉が詰まるような感覚があって目が覚めた。わたしの場合、風邪の引きはじめにはよくある症状で、喉がかさかさして、誰かに喉をしぼられている感覚とでも言うのだろうか。この状態になると、夜中や明け方に気持ちが悪くて目が覚める。喉が狭くなって、変に空気を飲み込んでしまうのかもしれない。

浅い眠りをくりかえしながら朝を迎えた時にも、喉のかさかさとした感じは続いていた。寒くて乾燥した日が続いていたので、とりあえず様子を見ておこうと思いそのまま出勤、のど飴をなめながら夜まで問題なく働いた。

夜は布マスクをして早めにベッドに向かう。この症状が出た時は、マスクをして寝ると翌日には治ることも多い。そうでない場合は、翌朝喉の痛みが出ていて、そのまま風邪に突入する。


1日目 夜になって発熱


また夜中の2時ごろに、気持ちが悪くて目が覚める。
喉のかさかさしたような、しめつけられるような感じは変わらず、かといって痛みに進化はしていない。一度起きてしまうと、寝入りやすい姿勢が見つけられなくてなかなか寝付けず、ベッドを出て水を飲んでみたり、のど飴をなめてみたり、いろいろと試してみる。こんなことを隣でされたら起きてしまいそうなものだが、同じベッドの反対側で、夫はいびきをかきながら健やかに寝ていて、いつものことながら感心してしまった。

あまり眠れなかったが、出勤のためにベッドから出る。喉は相変わらずなので、一応マスクをつけて会社へと向かうことにした。すごく体調が悪いということはないが、昼過ぎごろから少し乾いた咳が出るようになった。若干熱っぽいような気もするが、あまり気にしないようにして定時まで仕事、残業はせずに早めに帰る。

帰宅後、化粧を落とす時につかうスチーマーの蒸気を多めに口から吸い込んでみた。気休めのつもりだったが、心なしか喉のかさつきがおさまったような気がする。熱を測ると37.2℃。夫が夕飯の準備をする間、ふとんにくるまってしばらく寝ていることにした。

夕食後、少し元気になったので湯船につかってから寝る準備をする。ベッドに入る前に熱を測ると、37.6℃まで上がっていたので、カロナールを枕元に出しておく。その後、寝る直前に計り直すと38.1℃になっていた。さすがにこれは何かにかかっているだろうと思い、カロナールを飲んでから近所の病院を予約、すぐに眠った。


2日目 COVID-19 確定


夜中に何度も目が覚める。寒気がして、ふしぶしが痛く、熱が上がっている気がする。前夜にカロナールを飲んでから6時間あいたことを確認して、2回目を飲んだ。

朝目覚めて熱を測ると、37.5℃。
喉が少し痛くなってきて、咳の出る頻度が増えたような気がする。夫を起こして、ポカリやゼリー飲料、冷えピタ(効果はわからないが気持ちがいいので好き)を買いに行ってもらったあと、会社に連絡を入れ、予約をしていた病院に歩いて向かった。インフルエンザと新型コロナの迅速検査というのをしてもらい、5分で結果が出る。

くっきりと新型コロナだった。

新型コロナの場合、発症から24時間以上経っていないと結果が出ないこともあると何かで読んだ気がしたので、何も出なかったらどうしようと少し心配していたのだが、「こんなにきれいに線が出ない人もいますよ」と医者が言うくらい太い線が出た。対症療法になるということで、風邪薬をたっぷりもらって帰宅。夫が買ってきてくれたプリンとカップスープを食べて、すぐに薬を飲み、眠る。

1時間程度して目覚めると、薬が効いたのか寒気がおさまり、熱がすっきりと下がっていた。熱が下がると同時に体の痛みもなくなって、かなり楽になった。昼にうどんを食べ、本を1冊読み、あとは眠ったり、SNSをみたりしているうちに夜になる。もう熱は下がったようで、夜になっても平熱を保っているが、地声の音域が出づらくなってきて、しゃべる必要がある時は、妙な裏声か、ドスの効いた低音を出すしかない。

数日前から感じていた「喉がかさかさする感じ」が、新型コロナの初期症状としてよく言われる「喉の違和感」のことだったのかなと、不意に腑に落ちる。「違和感」ってなんだ、とずっと気になっていたのだけれど、喉が痛いわけではなく、咳が出るわけでもないので、具体的な症状として言葉にするのが難しいのかもしれない。


3日目 喉の咳から気管支の咳に


結論から言うと、熱は全く下がっていなかった。
日中は数時間おきに薬を飲んでいたから発熱が抑えられていただけで、効果が切れた夜中の2時ごろに咳き込んで目覚め、寒気がしてきた。ふとんにくるまって朝が来るのを待つ。

朝起きて熱を測ると37.6℃。
ものを食べないと薬が飲めないので、また夫に頼んでプリンを買ってきてもらい、急いで薬を飲んでベッドに戻る。1時間半程度すると熱は下がったが、習い事に欠席の電話をした時に、安定した声がさらに出づらくなっていることに気づいた。咳も、喉から出ていたものが、もう少し下のあたりから出るようになっている。ひどい咳風邪にかかると、胸のあたりに、ぜろぜろと痰が引っかかったような音を感じる時があるが、今回もその状態。これまでにないほど喉が痛くなる、とも聞いていたが、わたしの場合は、大人になってからかかった溶連菌——唾を飲み込むだけで喉の肉がまるごともぎ取られるような感覚があった——の方がだいぶ痛かった。食欲は普通にあって、熱さえ下がっていれば何でも普通に食べられる。味覚と嗅覚は今のところ(おそらく)問題なさそう。

前日よりは体が楽なので、隔離されたベッドルームの中で、本を2冊読み、あとは動画を見たり、雑誌を読んだりしていた。

こんなに長く家にいるのだからと、つい家のことをやりたくなってしまうが、悪化したり、後遺症が残ったりという記事を見てしまうと、とにかく今は安静にしておこう、と思う。わたしの場合は、他の病気と比べて症状が特に重いと感じることは今のところないので、このまま回復すれば「ひどい風邪だった」で済むだろうなと思いつつ、ひどくなってしまった方の体験談などをSNSで見る機会も多いので、漠然とした不安がずっとつきまとっている。

昨日は夜中に熱が上がって辛かったので、薬を飲む時間を調整して、寝る直前に夜の分を飲む。鼻が詰まり気味で、仰向けに寝るのが少し苦しい。


4日目 解熱と嗅覚異常


朝までぐっすり眠れた。
目が覚めた時に寒気もしなかったので、熱もなさそうだと思って安心する。
ベッドから出る前に熱を測ると、案の定平熱くらいにまで戻っていた。熱が出ていたのは、木曜の夜から土曜の夜くらいまでなので、2日程度だったようだ。咳と喉と鼻の症状、あとは熱が数日続いた後のふらつきのようなものが残っているくらいで、体はかなり楽になった。とはいえ、隔離されているベッドルームから出るわけにもいかないので、記録をつけたり、PCの整理をしたりしていた。

夕食後、湯船につかっていたら、入れているはずの入浴剤の香りがしないことに気づいた。ボディーソープを鼻に近づけてみても、全く香りがしない。ついにきたか、と思う。もともと特に鼻がきくわけではないものの、何の匂いもしないと、目の前のものの現実味が薄まる気がした。ガラス一枚隔てているような、夢の中のような、地に足のつかない変な感じがする。ただ、手当たりしだい化粧品やキャンドルの香りをかいでみると、かすかに匂いがすることがわかった。完全に嗅覚がなくなるわけではないようだ。


5日目 ほぼ回復


朝目覚めると、喉の痛みが少しよくなっているような気がした。声も昨日よりはだいぶ出しやすい。嗅覚は相変わらずほとんどないが、「甘い」「塩気がある」などの簡単な味は分かる。咳・喉の痛み、鼻詰まりなどの風邪症状と嗅覚異常が残っているくらいなので、わたしの場合、大体4日程度で回復したと言えると思う。発症翌日から5日間は外出を控えることが多いようなので、あと1日は在宅勤務にしておこうかなというところ。

コロナはただの風邪、なのか?


熱に関してはインフルエンザA型の方が高く出たし、喉の痛みは溶連菌の方がひどかったし、咳も喉風邪を拗らせた時の方がつらかった。ただ、その全部が一度に来たことはあまりないので、割と消耗したような気がする。あとは、今残っている症状が早くおさまり、ぶり返しがないように祈るばかり。

おわり。

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