娘のバイリンガル教育が成功した10の理由

もともとカナダに来た目的は私自身が看護師として働くことでした。

しかし自分が英語を習い始めたときに、今の時代娘も英語くらい話せるようにならなければと強く思い始めました。

私がカナダで学生ビザホルダーとしてカレッジに通っている間は娘の学校の授業料が無料だとリクルーターに聞いた時、これは娘に英語を習得させるちょうど良い機会だと飛びつきました。

カナダに来る少し前に私の通う近所の英会話に1年くらい娘も通わせましたが、週1の英会話と学校の英語の授業、英語が話せたわけではありません。

この状態でカナダに連れてきて、公立の小学校へ転校させたわけです。

運良く、3件隣のお宅に娘の一個上の双子がいました。娘を学校に連れて行ってくれるように頼んであったのですが、二人とも面倒見がよく、英語が全く話せない娘をスクールバスに乗せてくれ、同じクラスだった一人がクラスでも面倒を見てくれ、学校が終わったら連れて帰って来てくれました。

担任の先生が非常に協力的で、プリントは毎日グーグル翻訳で日本語に訳してくれたものをくれたり、知り合いの日本人を呼んでくれたりと、私も娘の学校に対し安心する事ができました。

娘の学校初日はよくわからない状態で帰ってきて、二日目には皆が何を言ってるか分からないと泣き、三日目には楽しいと言い始めました。

この時英語が分からないのにどうやってコミュニケーションを取っているか娘に聞いたら、何となくという答えが返ってきたことに驚きました。何となくでコミュニケーションが取れ学校も楽しめるんだなぁと。

英語が母国語でない子供が多い移民の国カナダですので、公立小学校にもESLのクラスがあり、英語のクラスの時はESLで英語を習っていました。

自分がカレッジのナーシングプログラムで大変な思いをしていたこともあり、娘の英語や勉強を見てあげることはほとんどありませんでしたが、娘はどんどん英語を吸収していきました。

大人になってからやり直し英語を始めた私にとって羨ましいスピードで娘が英語を習得していったわけですが、それなりに大変な思いをしたこともあったようです。

現在娘は14 歳。今の英語力ですが、発音はネイティブにネイティブ並と言われる位、聞き取りはかなり正確で、私が悩んでいるLとR、SとSH、などの発音に関しては問題になっていないようです。英語を英語のまま吸収しているので、日本語に訳せない事も多々あります。英語の本、ファンタジー系を読むのが好きです。

日本語力は、10歳まで日本にいたこと、カナダに来てからこどもチャレンジや漢字ドリル等で勉強していたこともあり、中学程度までの漢字の読みはできます。日本語の本も読みます。家での私との会話は日本語。日本語でのエッセイ等は未知数です。

これらの娘の経験から私が考えた娘のバイリンガル教育成功の10の理由です。

1、10歳までは日本で過ごしたため、日本語で考えたり意見を述べる能力が既にあり、そこに英語が加わることで混乱が少なかった。

2、日本の算数がカナダより進んでいたため、あまりわからない英語でカナダの算数を習わなければいけなかったものの、簡単に解けるため自信がついた。1つの科目で自信がつくと他のことにもポジティブに影響する。

3、読書が好きなのでそこから日本語の語彙を自然に増やしたり漢字を覚えたり出来る。英語での読書も好きになり読書に関して難しさがないこと。

4、耳で聞いてそのままの音で理解し覚えアウトプットする能力がまだ10歳でもあったようで、正しい発音が出来る。カナダに来る1年前くらいに始めた英会話で、たとえ週1でもネイティブの英語を聞いていた事が多少プラスに働いたかも。

5、適応力が高く素直な性格。

6、英語を話さないと生活できない環境に放り込んだこと。

7、カナダでの生活が大変ならいつでも日本の祖母の元に帰る事ができるという逃げ場があったことで、娘の中でのプレッシャーが少なかった。

8、私も英語を勉強していたので同士のような関係、お互い励まし合いながら元気になったり落ち込んだりしつつ新しい生活を二人で乗り越えてきたこと。

9、カナダに来てすぐの一番大変な時期に、近所に面倒見の良い双子がいたり、担任が協力的であったりと、幸運な環境があったこと。

10、しばらくカナダ人オーナーの家で部屋を借りて住んでいた事で、自宅でもオーナーやハウスメイトなど英語でネイティブ達と話す機会が多く、色々な表現や単語を学べ、自分がやった事や考えた事を英語で表出する機会を持てたこと。


バイリンガル教育に関しては色々と言われています。英語に早く触れさせるのはもちろん良い方法だと思いますし、赤ちゃんの頃から多言語で育ち、教育の仕方でマルチリンガルになることもあります。逆に10歳まであまり何もしてなくても教育や環境等でバイリンガルになる事もあります。

本当にケースバイケースだなと感じています。

ただ、私の娘の様に10歳で英語環境に放り込めば問題なく話せるようになるかというと、これは本人の性格もかなり影響するようです。逆に適応できずに精神的に参ってしまったり、英語を話すこと自体ストレスになる事も実際にあると聞きます。

私の娘のケースも1つの例としてとらえていただけると良いかと思います。

最後に、常に支えになってくれる、思春期で時々イライラしているけどいつまでも愛らしい娘に感謝。




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