カナダオンタリオ州で正看護師資格を取るまで

こんにちは。

最近、カナダで正看護師になることについて日本で看護師をしている方と話す機会がありました。

そこで、私がオンタリオ州で正看護師資格を取った過程を時系列でまとめてみようと思います。

カナダでは州毎に看護協会が別れているため、正看護師資格を取る過程に違いが出ます。

また、私が卒業したコネストガカレッジの入学条件に大卒があるため、大卒以外の方は私が取った方法以外を考える必要があります。

私は永住権がなかったため、カレッジ卒業後に取得できる、雇用主が限定されない卒後労働ビザ(post graduate work permit)を取得する必要がありました。

看護師として働くためには、労働ビザ、もしくは永住権・市民権が必要です。

もしこの卒後労働ビザ3年が経過した後もカナダに残り働きたい場合は、永住権取得を考えて動く必要があります。

また、配偶者がカナダ人である等カナダ永住権のある方は、カレッジに通わなくても正看護師の資格を取れることがあります。これはその時審査するオンタリオ看護協会のスタッフやその時の社会情勢によっても変わってくるので確かではありません。オンタリオ看護協会に問い合わせてみることが確実です。

【オンタリオ州正看護師資格取得までの過程】

2015 8月 National Nursing Assessment Service* に登録 (日本)

2016 5月 コネストガカレッジ  English for Academic Studies Program**入学

2016 9月 コネストガカレッジ Enhanced Nursing PracticeーClinical and Critical Care*** 開始

2017 5月 コネストガカレッジ Enhanced Professional Practice –Gerontology and Chronic Illness**** 開始

2017 10月 NNASですべての必要書類を提出し終わる

2018 1月 コネストガカレッジ卒業

2108 2月 NNASよりcomparable のadvisory reportが発行され、CNO(College of Nurses of Ontario=オンタリオ看護協会)へ提出。卒後労働ビザ取得。

2018 3月 CNOからNCLEX(カナダ正看護師国家試験)を受けて良いとの連絡がくる

2018 6月 NCLEX受験

2018 7月 NCLEX合格、オンタリオ州正看護師資格取得

<*National Nursing Assessment Service = NNAS> カナダ国外で看護師資格を持つInternational Nurses がカナダで看護師の資格を取るときにまず登録しなければならない機関。ID、母国の看護師資格証明、看護師としての臨床経験、看護教育についての書類、英語能力をベースにカナダで働けるかどうかを評価する。comparable(母国での看護資格がカナダと同等), somewhat comparable(やや同等), not combarable(同等でない)の3つのカテゴリーのうちどれかが記載された、advisory reportというものがアセスメントの終了とともに発行される。advisory report をオンタリオ看護協会へ提出し、看護協会からその後のプロセスを支持される。オンタリオ州は2年、カレッジ通学や、ヘルス系のプログラム等で200時間の実習をすることで、英語スコアの提出を免除される。

<**English for Academic Studies Program>コネストガカレッジで提供される英語プログラム。レベル1から4まであり、それぞれのレベルが4か月。IELTS 5.5以上でレベル4へ入学できる。このレベル4で80%の成績を収めることで本科の看護プログラムへ進める。

<***English for Academic Studies Program****Enhanced Nursing PracticeーClinical and Critical Care> コネストガカレッジで提供される、international nurses 向けの1年のサーティフィケイトプログラム、急性期と慢性期。それぞれ8か月+8か月の16か月。現在この二つのプログラムが統一され、2年(実質16か月)のプログラムとなっている。

【オンタリオ州で看護師書き換えをする利点と欠点】

利点1.カレッジでの200時間の実習を履修することでIELTSのスコア提出が免除される。通常だと看護師になるためにIELTSオーバーオール7が必要であるので、英語力の証明をしなくて良いのは英語が得意でない人には有利。

利点2.NNASの advisory report が発行される前に、カナダでの看護師資格と母国での看護師資格の間のギャップを埋めるためのプログラムを履修することができるため、時間の短縮となる。州によっては、NNASのadvisory reportを看護協会に提出後、看護協会からプログラムを取るように言われないとそのプログラムを履修できなかったりするよう。

欠点1. 永住権取得が他の州より少し難しいといわれている。永住権取得は基本的に国のシステムだが、各州に独自のプログラムもあり、そういう州のプログラムを使った方がスムーズに永住権が取れることも。ただ現在はコロナで永住権が取りやすくなっているので、先はあまり読めない。

オンタリオで正看護師を目指している方の参考になれば幸いです。

何か質問等あればこちらまでどうぞ。mikisugi39@gmail.com  


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