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元局アナ、シリコンバレーで花屋になる。⑤ 投資家カンファレンスに潜入。

「あなたは頭のいい人ですね。そして変人だ」

とある起業家A氏からそう言われ、

「今度起業家や投資家が集まるフォーラムがあるのですが、来てみますか?去年はビル・クリントン元大統領が来て、今年も著名人が来るそうです」

とお誘い頂きました。

頭が良いのかどうかはさて置き、私にとって「変人」は褒め言葉。光栄なお言葉を頂き悦に入りながらフォーラムのサイトを確認すると、その年のゲストスピーカーは俳優で投資家としても有名なアシュトン・カッチャーはじめ、IT大手のエグゼクティブなど錚々たる顔ぶれ。

(こんな機会なかなかないわよね。面白そうだから行ってみよう!)


カッチリめの黒ワンピースにヒールパンプスでちょっぴり気合いを入れて、向かった先はサンタクララにあるコンベンションセンター。

世界中の起業家たちが集まる中、日系起業家の活躍ぶりが見られるのを期待していたのですが、、、

会場に着いてみると、スポンサーの殆どが中国系企業。なんでも米中の関係構築・発展をめざすフォーラムらしく、会場内は中国人起業家や投資家で溢れかえっていたのです。

日本人らしき人はどこにも見当たらず、アウェイ感半端ない世界。

しばらく入場ゲートの前で立ち尽くしていたのですが、「よし、こうなったら偵察だ」と気分を入れ替えて潜入してみることに。


広大な施設の中には大きなスクリーンが設置されたホールや会議室がいくつもあり、そこで起業家たちによるプレゼンが行われるのですが、中には数千ドル払わないと入れない部屋もあるといいます。

一番大きなホールにはブースがズラリと並び、ハイテク系から医療系まで様々なジャンルの起業家たちが自社の商品をPR。

その場で投資家と契約が交わされ、莫大なお金が動くこともあるのだそう。

驚いたのが、投資家たちの平均年齢の低さ。

どう見ても高校生か大学生にしか見えないような中国人青年投資家たちが自信満々に胸を張って会場内を練り歩いているのです。

バーバリーのシャツで小綺麗な格好をした彼女連れの青年(18歳)は、A氏の事業に興味津々の様子。

シリコンバレーに住みながら中国系の人々のパワーの凄まじさは常々感じてきましたが、これにはさすがに開いた口が塞がりませんでした。


VR関連機器など、さまざまな製品を手に取ることができてそれなりに楽しめたのですが、残念ながら大物ゲストの登壇は別料金で見学は叶わず。

FALKEのストッキングを劣化したパイプ椅子に引っ掛けて伝線させてしまい、「そろそろ撤退かな」と凹みかけていた時--。

突然、私たちの前にひとりの日本人青年がひょっこり現れたのです。

「どうですか、よく賑わっているでしょう!」と得意げなA氏(60歳)に

「んー、、昨日行った別のフォーラムの方が賑わってましたよ」

とあっさり切り返すTさん(若干20歳)。

そんな二人のやりとりを前に、思わずニヤつく私。


「こちらで今何をされているんですか?」

と訊ねてみると、

「メディア系の仕事やってます。シリコンバレーの情報を配信するウェブメディアを立ち上げたので、今は大学を休学してそちらに専念しています」

とのこと。

よくよく聞けば、アメリカの大学への進学をご両親と先生に反対され、はるばるアメリカまで家出してきたのだとか。

なんというガッツだ。。。

お互い関西出身で、私も元メディア系ということで意気投合(?)し、その場でFBで繋がらせて頂きました。

そんなこんなで、最後は若き日本男児の活躍に期待を膨らませつつ、足取り軽やかに会場を後にしたのでした。


※写真はOculusを装着しているところ。こちらは2年前に書いたOculusに関する記事です。

http://www.cafeglobe.com/2014/03/0371273d_shopping.html









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