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スーパーラグビーアオテアロア ROUND1 ハイランダーズvs.チーフス

スーパーラグビー2020シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、シーズン途中で中断しました。参加するチームの所属国の中で、世界で最も高いレベルで抑制したニュージーランドから、スーパーラグビーが再開、ニュージーランドに所属する5チームによる『スーパーラグビーアオテアロア』として実施されます。

スーパーラグビーアオテアロア とは

世界で最も早く再開したラグビーゲームである、スーパーラグビーアオテアロア。「アオテアロア」とは、ニュージーランドの原住民であるマオリの言葉で、白く長い雲がたなびく土地、すなわちニュージーランドを表す言葉です。

「アオテアロア(AoteAloa)」の言葉通り、参加チームはスーパーラグビーに参加する15チームのうち、ニュージーランドに所属する5チーム(ブルーズ、ハイランダーズ、ハリケーンズ、チーフス、クルセイターズ)によるホームアンドアウェイの総当たり戦です。各チーム8試合を10週間にわたって行います。

中止前の勝敗や順位は、リセットされます。優勝は、今大会独自のポイント制です。以下の通り、勝敗によるポイントの獲得数で決まります。

勝ち:4ポイント 引分け:2ポイント 負け:1ポイント
ボーパスポイント:相手より3トライ以上多ければ、勝敗に関わらず、1ポイント

対戦カード

開幕戦は、ハイランダーズvs.チーフスの顔合わせとなりました。

ハイランダーズは、SHアーロン・スミス共同キャプテンを中心にしたチーム。オールブラックス経験者がない、または経験の少ないメンバーで構成されたチームであり、スーパーラグビー2020シーズンの中断前はニュージーランドカンファレンス最下位。今季は、アシスタントコーチにラグビー日本代表のアタックコーチとして、ラグビーワールドカップ2019日本大会のラグビー日本代表の大躍進を支えた、トニー・ブラウン氏を迎え、再開後の勝利を目指します。

一方でチーフスは、中断時にはニュージーランドカンファレンス3位。日本でも人気が高い「微笑みの貴公子」FBマッケンジー選手をバックスの軸として、スピードあるラグビーを展開します。オールブラックス経験者も多くハイランダーズに対しては圧倒的有利と目されています。
注目は、SOアーロン・クルーデン選手。リザーブスタートですが、スーパーラグビーに復帰、ニュージーランド代表キャップ50キャップを超えるベテランです。

試合前

ハイランダーズのホームタウンである、ダニーデンのニュージーランド唯一の全天候型競技場での開催。日本と季節が逆のニュージーランドは、季節は晩秋。最高気温12度、吐く息の白い寒さです。

世界的に見てLevel1、日常生活に戻ることができるレベルまで回復しています。そのため、今回の試合は入場人数の制限なし、となりました。ラグビーの再開を待った多くの観客が観戦に集まりました。

試合展開

開始早々、ハイレベルな攻防で、相手に得点を許しません。ブランクがあったとは思えないレベルです。

両チームがペナルティゴールで得点を上げてきましたが、最初のトライは前半15分。相手陣のゴールまで10m程度のところでラインアウトを得たハイランダーズが、場所をずらしながらモールで相手を押し切ってトライ。最初のトライはハイランダーズでした。その後前半22分には、ハイランダーズCTBトムキンソン選手がトライを決めて追加点を決めます。
チーフスの反撃は前半26分。ファーストスクラムからチーフスが展開。両側いっぱいまでの幅を使ってボールをつなぎ、WTBワイヌイ選手が右端にトライを決めました。

前半を終了、22-16 ハイランダーズがリードして折り返しました。

後半も双方とも点が取れない守り切る試合が続きます。
ようやくトライで天が動いたのは後半71分です。スクラムからボールを回したチーフスが逆サイドに振ってきたボールをつなぎ、SOグルーデン選手がゲイン、さらにパスを受けたFBマッケンジー選手がタックルを受けながらつなぎ、CTB12番トムキンソン選手がトライ。ニュージーランド代表メンバによる豪華なパス回しとトライでした。

このトライで25-24の1点差まで詰め寄ったチーフス。
後半77分、ラインアウト成功からモールで攻めたチーフスですが、中央にボールを持ってきます。ボールを回して攻めるチーフスですが、一人中央後方で待ち構えていたFBマッケンジー選手がドロップキック。キック成功で逆転します。 
これでチーフス勝利で終わりか...、と思えましたが、後半78分、相手陣内に攻め込んだハイランダーズですが、SHアーロン・スミス選手が後方にパス。22mラインより手前で待っていたRガットランド選手がドロップキックで再逆転します。その後、試合再開後の1分間を堪えたハイランダーズが、ホームで勝利を飾りました。

ハイランダーズ  28 - 27 チーフス

動画

後記

スーパーラグビーやトップリーグなど試合が中断して2か月強。JSPORTSさんなどのご厚意で、アーカイブで過去の試合を見てきました。それはそれで面白いのだけれども、やっぱりライブは違いました。

先の見えない試合での、1プレー1プレーについ声を上げました。後半77分にチーフスのドロップキックが決まって「これで試合決まったな・・・」と思いました。そこからのハイランダーズの猛攻と再逆転ドロップキック。こんな簡単と感動の幕切れは想像できませんでした。

JSPORTSの試合終了後、解説で出演されていたラグビー日本代表中村亮土選手が一言「さすがだなぁ、トニー」。名コーチにして職人、トニ・ブラウン氏の采配とハイランダーズの選手のフィットネスががっちりかみ合いました。

やっぱりスーパーラグビーは「世界最高峰」。素晴らしい。

(おまけ)集まっての観戦は楽しい

日本でも緊急事態宣言が解除、東京アラートも解除された週末。高田馬場、ノーサイドクラブで、仲間とテレビ観戦をしました。一人で見るとじっくりは見られるけど、興奮は仲間と一緒だと倍増します。

ちなみに試験的に観戦の様子をYoutube限定配信をしました。一人で自宅で見ている方にも楽しさが伝わって、その返信が来て。楽しかったです。

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