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【神戸S】【観戦記】SA浦安 vs. 神戸S ~ 走り切った今シーズン

コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は今シーズンを走り切った。まさに最終戦は「走った走った!」試合だった。神戸Sらしいパスをつなぎ、キックを効果的に使い、ランでトライを取るゲームをし快勝した。

NTTジャパンラグビーリーグワン
DIVISION1 カンファレンスA
   NTTコミュニケーションズ
   シャイニングアークス東京ベイ浦安
      vs.
   コベルコ神戸スティーラーズ

2022/5/8 14:30キックオフ
ユアテックスタジアム仙台 (宮城県)

いよいよ最終戦

NTTジャパンラグビーリーグワン2022の1月から始まり長かったシーズンも気がつけば、もう最終節。神戸Sはここまでで5勝7敗3試合中止(中止の勝敗を勘案すると9勝9敗)で16チーム中7位。この試合で勝っても負けても順位の変動はなく、プレーオフ進出も入替戦もない。リーグ戦の終了と同時に今シーズンが終了することが決まっている。つまり、この最終節が今シーズンの最終戦だ。神戸Sは最後まで戦い抜く。

対戦カード(みどころ)

最終戦は開幕戦で悔しい黒星となったNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安(SA浦安)との対戦だ。

前回の雪辱は必ず晴らす。今シーズンは怪我人等で苦しんだ神戸Sだが、最終戦は苦しいながらも持てる力で最大限のメンバーで挑む。CTBは南アフリカ代表アム選手とニュージーランド代表スミス選手という、超ワールドクラスだ。これが日本で見られるとは!

今週も直前にメンバー変更があった。中島選手がOUT→高尾選手が17番から1番→山本選手がIN(17番)となった。

対するSA浦安はDIVISON2との入替戦回避のために意地でも勝ちたいはずの試合だ。ハーフ団に今シーズンから加入した元明治大学キャプテンの飯沼選手&スコットランド代表キャプテンレイドロー選手を置き、更にバックス陣は、7人制ラグビー日本代表羽野選手、15人制ラグビー日本代表ゲイツ選手等、代表経験選手をそろえる充実の布陣だ。

試合展開

試合は序盤から神戸らしい展開ラグビーを見せる。両チームがPGで3点を取った後の前半11分、神戸Sボールのラインアウトからのドライビングモールで相手陣内に深く切り込んでいくが、モールからボールが出たところからスピードを上げ、相手のライン裏にCTBスミス選手が蹴りこんだボールにWTB山下選手があわせてゴールエリアで抑えこの試合最初のトライを決める。
続く14分には自陣内からこの日もNo.8で起用されたモエアキオラ選手が本来のWTBの走りとNo.8のパワーを見せる。相手を寄せつけない走りで相手ゴール前10mまでボールを運ぶと、サポートについてきたLOシカリング選手→SO李選手とボールが渡りトライを決める。
前半はさらにCTBアム選手のロングランのトライ、WTB山下選手のハットトリックと神戸Sのバックス陣が本領を発揮した。

後半も引き続き攻める。後半2分には自陣22mラインまで攻め込まれるもののCTBアム選手がボールを奪うと、WTB井関選手→SO李選手とボールが渡ると、李選手は自陣22mラインの手前から80mあまりを走り切ってトライを決める。後半5分にはLOシカリング選手が大きな巨体を揺らしながら50m以上を走る。ゴール前でタックルされるも、びくともせずそのままトライを決める。
その後もトライを量産するが、後半はPR山本選手のイエローカードによる数的不利や前半からのハードな戦いの疲れからか勢いはやや失速。SA浦安に得点を許す場面も出てきた。SA浦安はその隙をしっかりついてくる。じわじわと点数を詰めてくる。

これでも持ちこたえ、更に点数を引き離すのが今の好調な神戸S。途中から入ったCTBティモシー選手とCTBスミス選手の連携で追加得点を取る。後半39分で相手のボールをインターセプトするとSH日和佐選手がランで突破、中央でフォローしていたCTBティモシー選手に渡して中央でトライ。

最期まで攻め続けた神戸Sは、今シーズン最多得点でSA浦安に雪辱を果たした。

SA浦安 34 - 74 神戸S

走った、走った、取った。

このゲームでは神戸Sらしい展開ラグビーを見せてくれた。大いに走って会場・TV前のファンを沸かせてくれた。スピードあふれる神戸Sのラグビーはいつだって私たちを熱狂させてくれる。

この試合を見て、改めて「神戸Sのラグビーが好きだ」と思った。
FWで押していくラグビーは応援で手をぎゅっと握ってしまうし、司令塔のハーフ団の緻密なコントロールもずっと見ていられる。
それでも私はロング/ショートのパスを自在に使い分け、キックパスで相手の裏を狙い、ランで相手を突き放すバックスが活躍するラグビーが好きだ。

だから私は神戸が好きなんだ。

この試合で4トライを決めた山下選手は、リーグワンのリーグ戦を通じて11トライを決め、リーグワン初代トライゲッター(同点)となった。

ありがとう、コベルコ神戸スティーラーズ

今シーズンを終了したコベルコ神戸スティーラーズ。
今年も素晴らしいプレーをたくさん見せてくれ、観客を大いに楽しませてくれた。ありがとう。
リーグワン元年としてチームが目指したところには届いていないかもしれない。その悔しさはまた来年の強さの源にしてほしい。ファンは変わらず応援してる。

がんばれ、神戸。


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