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【神戸S】 さらにSMILE TOGETHER な未来へ -リーグワン2023-24シーズンまとめ

NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24
ジャパンラグビーリーグワン_合同noteで担当したコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)はプレーオフを前にシーズンを終えた。


神戸S推し、3シーズン目突入

今シーズンもジャパンラグビーリーグワン_合同noteコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)を担当した。

昨シーズンの神戸Sは9位。これまで強い神戸を見てきていた私にとって、連敗に耐える中で、真に神戸Sファンなのか試されるシーズンだった。自称「ラグビー専門ライター」だからほかのチームも… と逃げそうになりながらも耐えた結果、昨シーズンで真に神戸Sファンになった。
それは「全試合観戦する」「全グッズ買う」という熱狂ではなく、神戸Sが勝っても負けても逃げない、応援し続ける「ぶれない気持ち」だ。

そして今シーズンも開幕前から担当となった。
ぶれずに神戸Sファンとなった私は、比較的穏やかにシーズンを迎えた。

チームのシーズン総括

チームによる総括

今シーズンは5位と昨シーズンからは順位は上昇したものの、プレーオフを逃した。昨年よりも悔しさが表れ、でも昨年の同会見のような悲壮感はなく前を向く言葉の多い会見だった。就任一年目で一定の成果を上げたデイブ・レニーHCのコメントからもそれが伺える。

まずはプレーオフに進出することができず残念に思います。ただ、チームとして成長したところも多いです。オフフィールドでのチームカルチャーの面でも成長しましたし、オンフィールドでもたくさんの成長が見られました。
(中略)
今シーズンは、私自身を含めて、学びの多い1年になりました。ゲームをする上で何が重要であるのかを理解した上で、来シーズンに向かっていくことができます。この学びを来シーズンにつなげていきたいと思います。

公式サイトより

両キャプテンのコメントでも早くも来シーズンへの抱負が出た。神戸Sとしては初の共同キャプテンだったが、両者の良いところがかみ合っている印象を受けた記者会見でもあった。

順位表・スタッツ

DIVISION1全12チームのうち5位でシーズンを終了した。昨シーズンの9位からは順位を上げたが、プレーオフには届かなかった。

(出典)リーグワン公式サイト

昨年との比較数値(カッコ内順位)を見ても、すべての数字で上昇しているのがわかる。

得点の多さはさらに磨きがかかり、失点の多さが改善し、得失点差が大きく向上した。また昨シーズンの課題だった反則数。少ない高から数えて9位だったのが、6位に向上した。静岡BRや埼玉WKにはまだまだ追いつかないが、確実に進化している。

個人で見れば、今シーズンはキック成功率首位、ベストキッカーに選出されたSOブリン・ガッドランド選手の得点力は神戸Sの勝利に大きく貢献している。
またトライ数ランキングでは10位以内には誰も入っていないが、11位のアーディ・サベア選手、アナマキ・サウマキ選手をはじめ、50位以内に9人とDIVISION1最多。かつプロップ以外の全ポジションが入っていて、”どこからでも得点できる”ことがわかる。

印象

昨シーズン同様今年も長丁場のシーズンだったが、勝ち越し(9勝6敗1分)終了した。

上記した数値もそうだが、それ以上に試合を見た時のチームから感じる雰囲気、空気感が違うのが印象的だった。昨シーズンは連敗が続いたこともあり、試合会場で選手を見ても”どんより”した感じもあったが、今シーズンは負けた試合でも”次こそは”と前を向く表情だったように思う。

そして昨年以上にチームとファンが勝利の喜びを分かち合えたのは嬉しかった。昨シーズンの苦しい時期を経てファンと選手・チームの結びつきもできたように思う。ファンの応援が例年以上に盛り上がった。

今シーズンのリーグワンは途中2024年2月にクロスボーダーマッチ(昨シーズンのベスト4とスーパーラグビーパシフィックのチームが対戦)があり、途中で中断があった。これは神戸Sにとっては休養やチームの立て直しにとっては良かったのではないだろうか。

【振り返り】カンファレンスA 前半戦(第1節~第5節)

第1節: vs. 三重H - 開幕戦、大勝で好発進

神戸S ○ 80 - 15 ● 三重H
開幕戦は今シーズン昇格した三重Hとのホームゲームだった。ブロディ・レタリック選手、アーディ・サベア選手のオールブラックスが加入した影響か観客も多く訪れた。
序盤から神戸S がボールを保持して攻撃する中、4分にブロディ・レタリック選手がトライを決めたのを皮切りに得点を量産し、大差で勝利した。

第2節:vs. 静岡BR - 逆転で接戦を制し勝利

神戸S ○ 30 - 26 ● 静岡BR
第2節は静岡BRとのビジター戦。
山中選手トップリーグからの公式戦通算100キャップおめでとう!!
接戦ながら最後は今季注目の若手WTB松永貫汰選手の快速で神戸Sが勝利を引き寄せた。今シーズンからSOにガットランド選手が入ったことでCTBに回った李承信選手がロングランで相手ゴール前までボールを運ぶ姿が見られ、未来の日本代表を背負う若手の新しい可能性を見た。

第3節:vs. BL東京 - 一歩届かず、今シーズン初敗戦

神戸S ● 39 - 46 〇 BL東京
オールブラックスのシャノン・フリゼル選手、リッチー・モウンガ選手が加入したBL東京。オールブラックス対決が注目された。最初の得点は神戸Sだったものの、以降はBL東京がリードし神戸Sが近づいては突き放される展開となった。特に、FLシャノン・フリセル選手は神戸Sの繰り返すタックルにも屈せず4トライを挙げた。

第4節:vs. 東京SG - 収支リードされながらも惜敗

神戸S ● 36 - 44 〇 東京SG
2024年初戦はビジターで東京SGと対戦。神戸Sは前半から積極的に仕掛け、前半はリードして折り返すものの、後半は終始東京SGペースで進む展開となった。試合全体の雰囲気よりは点差は少ない試合だった印象だが、それでもやはり東京SGは強かった。

第5節:vs. S東京ベイ- まさかのラスト1分で逆転負け

神戸S ● 34 - 38 〇 S東京ベイ
神戸を本拠地とする神戸Sにとって「メモリアルマッチ」であった今節。昨年王者のS東京ベイを相手に前半からリードを許すものの、神戸Sは後半30分から反撃を開始し、残り2分となった後半38分までで逆転した。このまま、勝利かと思った後半39分、神戸Sのパス、S東京ベイ リカス・プレトリアス選手がカットインし、そのままトライを決め神戸Sは逆転負けを喫した。

なお「メモリアルマッチ」に合わせた動画メッセージは、1月1日に発生した能登半島地震のメッセージに急遽入れ替えられた。
『一緒に頑張ろう。北陸。』復興の先輩からのメッセージは重くて深い。

【振り返り】交流戦(第6節~第11節)

第6節:vs. 横浜E - 3連続トライで港町ダービー勝利

神戸S 〇 31 - 27 ● 横浜E
交流戦の初戦は昨年2敗だった横浜E戦。今シーズンは交流戦初戦のビジターゲームとなった。前半は点数のほとんど動かない拮抗したゲームとなったが、後半は一転して両チームとも攻撃に転じた。一時は13点リードされたが、後半30分から3連続トライで逆転した。ブリン・ガットランド選手の安定したキックで点を積み重ねられるのが、今シーズンの神戸Sの強みだ。

第7節:vs. BR東京 - 雨の中スーパープレーで制す

神戸S 〇 27 - 17 ● BR東京
激しい雨の中の試合となったBR東京都のビジターゲーム。ボールも選手も滑りやすい状態の中で、ブリン・ガットランド選手のキックを活かした攻撃で、神戸Sがリードするシーンが多くみられた。後半26分には李選手のからのロングキックパスをライン際で片手で受け止め、そのままトライをする山下楽平選手の技が見事だった。

第8節:vs. トヨタV - 積年の宿敵にダブルスコア以上で圧勝

神戸S 〇 57 - 22 ● トヨタV
関西社会人リーグ時代からのライバルと対決。試合開始前時点ではトヨタVが順位が1つ上で追いかけ追い越すゲームとなった。アーディ・サベア選手の4トライを含めた8トライの猛攻を見せたで特に後半38分、アーディ・サベア選手の敵に追いつかれながらも身をねじった背面ジャンプからのトライは、今シーズン最も驚いたトライの1つだ。

第9節:vs. 相模原DB - トリプルスコアで圧倒

神戸S 〇 43 - 14 ● 相模原DB
どちらも連勝で波に乗る中で迎えたビジターゲーム。神戸Sナニ・ラウマペ選手と相模原DBジャクソン・ヘモポ選手はニュージーランドの高校の同級生。時と場所を経て再び相まみえた。ゲームは開始直後のNo.8ティエナン・コストリー選手のトライを皮切りに神戸Sが終始相模原DBを圧倒し、相手に攻撃をする隙を与えなかった。

第10節:vs. 埼玉WK- あと一歩届かなかった

神戸S ● 18 - 28 〇 埼玉WK
昨シーズンは10-48大敗だった埼玉WKに対して、お互いに点を取り合って逆転する試合展開で、最終的には10点差という接戦となった。特に失点が少なくなったところに、神戸Sの今シーズンの成長を感じた。
北出卓也選手がトップリーグからの通算50キャップを達成した。東京SGから移籍し神戸Sで戦ってくれてありがとう。

第11節:vs. 花園L - 関西ダービーで昨年の借りを返す

神戸S 〇 60 - 17 ● 花園L
昨シーズン花園Lの唯一の勝利を献上した神戸S。今季はここまで勝ち越し手好調な神戸Sが花園Lを圧倒し、昨年の借りを返した。この試合注目されたのはWTB松永貫汰選手。持ち前のランでのビッグゲインだけでなく、相手へのタックルとチャージでボールを奪う小さいながらもビックプレーを見せた。

【振り返り】カンファレンスA 後半戦(第12節~第16節)

第12節:vs.東京SG - 点数差以上の敗北感

神戸S ● 27 - 36 〇 東京SG
カンファレンスA後半初戦はホームに格上の東京SGを迎えた。「男祭」と題された本試合は配布された法被で会場は赤一色となった。前半は東京SGのトライ1本と両チームのPGのみ、と拮抗して点数が動かなかったが、後半になると東京SGが連続攻撃でトライを連取すると、神戸Sは追いつこうとしても引き離される展開となった。9点差以上に配属の悔しい試合となった。

第13節:vs.BL東京 - 王者を相手に互角

神戸S 40 - 40 BR東京
第3節で一歩届かなかったBL東京のビジター戦。それ以降も快進撃続けるBL東京を相手に、前半から終始リードを許し一時は12点差まで開いた。残り10分から神戸Sは猛攻で連続トライを挙げる。そして後半40分を過ぎてもなお攻撃を続ける神戸Sは、46分に濱野隼大選手が同点トライを挙げた。最後のコンバージョンキックは外れ、引き分けでゲームを終えた。

第14節:vs.S東京ベイ - 北の大地で追いつけず

神戸S ● 29 - 39 〇 S東京ベイ
前回逆転負けをしたS東京ベイに一矢報いたいところだったが、S東京ベイの持ち味である強力FWに押される展開となった。神戸Sも食らいついたが、得点を取っては取られる点差で、最後まで追いつくことができなかった。
この試合の敗北でプレーオフ進出の道が閉ざされた。
この試合ではキャプテン山下楽平選手がリーグワンからの公式100キャップを達成した。

第15節:vs.静岡BR ラストホーム戦を勝利で終える

神戸S 〇 63 - 19 ● 花園L
ラストホームゲームを花園で迎えた。プレー雄開始早々からスピードアタックで自分のペースにも遅刻と、前半は相手に全く点を与えないゲームとなった。後半もさらに加速し、相手の攻撃のターンオーバーから得点チャンスにつなげるシーンが多かった。
この日はPR山下裕史選手の歴代最多出場数タイ177。その大記録に勝利が花を添えた。

第16節:vs.三重H -最終節を辛勝で締めくくる

神戸S 〇 33 - 31 ● 三重H
神戸Sはプレーオフ進出がかなわず、この試合がシーズン最終戦となった。最終戦は初戦で圧勝した三重H。順位的には余裕がある相手のはずだった終始拮抗し、後半には一時は逆転されるシーンもあった。ラスト2分でラインアウトからモールを形成し押し込み、再逆転トライ。最終戦を勝利で締めくくることができた。
前節で最多出場数タイとなった山下裕史選手がこの試合も出場し、今シーズン内で歴代最多試合出場記録「178」を達成した。

(番外編)SteelMates感謝祭(ファン感謝祭)

今年はプレーオフがあるか?と期待があったが、チームからは「プレーオフがあってもなくても」とリーグ戦とプレーオフの間でのファン感謝祭の開催が明らかになった。
今年は昨年以上に人気選手が多く、ファンも多くなったのか抽選制。それでも1500名あまりのファンが選手との交流やイベントを楽しんだ。

ありがとう、神戸

DIVISION1 16チーム中5位。
昨シーズンからは順位を大きく上げた。それ以上に傍から見ていても感じるほどチームの雰囲気がよく、試合に来るのが楽しかった。

でも、目指しているのはあくまでも『優勝』
ゴールはここじゃない。
神戸Sはもっと高みを目指すことができるチームだ。

だから、来シーズンに向けてチームもファンも休養して、心と体に磨きをかけてまた会場でお会いしましょう。

さらに #SMILETOGETHER なシーズンを。

そして、私に神戸Sを全力応援するきっかけをくれた、note と一緒にマガジンを作ってくれるライターの皆様。ありがとうございました。

(おまけ)神戸応援youtuberいっくんの総括

コベルコ神戸スティーラーズ応援Youtube『Fan Fun KOBELCO』のいっくんによるシーズン総括。今シーズンは全試合現地観戦し、全力で神戸Sを応援する。そして、公式か?!と思うほどの質とスピードで公開する。
さらに今シーズンはチーム広報を前説に採用し、さらにチームも魅力アピールがアップしました。

いっくん、ありがとう。

(おまけ)わたしの個人総括

今シーズンもリーグ戦全16試合を昨年以上に追いかけたシーズンとなった。
関東⇔関西を7往復、北海道域1と今年もよく遠征した。
昨年からのファン友が私が東京に住んでいると知らなかった!というくらいよく関西に出没しました。

TVを含む観戦:16試合
現地観戦:14試合 (ホーム 6 / ビジター8、昨シーズン比+2)
note記事:試合前 15 (正確には16だが、試合後の紛失…)

ファン友はいつだって明るく暖かく挨拶しあえて、試合会場に早めにつくのが楽しみになっていました。

今年の最大の収穫は、スタッフの皆さんとようやくご挨拶できるようになったこと。これまでは感謝をしながらも、お邪魔かなと見守るだけでしたが、チーム広報の大治郎さんとの接点をきっかけに、試合会場でご挨拶できるようになりました。試合会場で積極的に神戸Sブースに行くようになりました。

皆様、今年もありがとうございました!
来年もさらに #SMILETOGETHER なシーズンを。


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