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【観戦記】【神戸S】数字では互角でも完敗 ~ 第10節 vs.BL東京

NTTジャパンラグビーリーグワン2022-23 DIVISION1
交流戦も残り2試合となった第10節。コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は、順位で5位を争う東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)と対戦し、12 - 51 で敗れました。

ジャパンラグビーリーグワン2022-23
DIVISION1 交流戦 第10節
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)
vs.
東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)

日時:2023年3月4日(土) 12:00KO
会場:秩父宮ラグビー場(東京都)

試合の見どころ

神戸Sは1928年、BL東京は1948年創部。1990年代以降は日本選手権で何度となく戦ってきたライバルです(私が初めてライブ観戦した試合も、当時の神戸製鋼vs.東芝府中が当たった日本選手権でした)。

神戸Sは現在6位、それに対してBL東京は勝ち点差3で5位にいます。この試合の勝者が5位になることが決まるため、どちらにとっても「負けられない戦い」です。

BL東京はボールキャリ―とゲインメーターで全チーム中一位、他のスタッツでも神戸Sよりも上位で、数字だけ見れば5位にいるのが不思議なくらいのチームです(Jスポーツ調べ)。
勝ち点差以上に神戸Sよりも強いチームではありますが、ここまで勝ってきた攻撃力で、東芝のディフェンスを突破したい。

この試合は若手に注目です。
神戸SのNo.8コストリー選手はアーリー・エントリー制度適用の大学4年生、SO日下選手は高校卒業後に入団した生え抜きの23歳です。
対するBL東京もPRは23歳の木村選手と24歳の小鍛冶選手、LOディアンズ選手は20歳。若いパワーの爆発に期待したい試合です。

バディday ~ルーパスキッズDAY~

この日のBL東京は「バディday ~ルーパスキッズDAY~」と題してキッズを中心としたサービス満載の試合会場となりました。

(出典)東芝ブレイブルーパス東京公式サイト

会場には先着プレゼントの「バディ×東芝ブレイブルーパス東京アカデミー開校記念Tシャツ」を着た子どもたちであふれています。

会場の様子

会場は晴天、最高気温16℃とすっかり春の陽気です。風は弱めながらメインスタンドからバックスタンドに吹いています(試合途中で風向きが反対に変わる)。
観戦日和ですが、選手は練習から汗をかき、少し暑いのではと思わせます。

試合展開

この日が神戸Sで初スタメンとなった日下選手のキックオフで試合開始。前半はほぼ互角の戦いで一進一退の攻撃が続いた。テリトリーの支配率は神戸Sがやや優勢であるものの、得点に結びつかない。

トライを先制したのはBL東京。ラインアウトモールを押し込み先制トライを決めた。神戸Sの反撃は後半31分。相手陣内深くまで攻め込んだところで、FB山中選手が相手のディフェンスラインの裏にグラバーキックでボールを送ると右端から走りこんできたWTB井関選手がキャッチしトライを決めた。
前半はBL東京のPG2本もあり、 5-13 でBL東京がリードして折り返した。

後半はBL東京が攻撃を仕掛け神戸Sが守る試合展開が続く。後半最初の時間帯は今シーズンの神戸Sが点を取られやすい時間帯。この試合でも後半3分に相手のラインアウトからの展開でLOピアス選手が神戸Sディフェンスを押し込む形でトライを決める。
この日の神戸Sは規律の面でも乱れた。52分にはSO日下選手がBL東京HO橋本選手へのハイタックルでヘッドコンタクトがありイエローカード、かつHIAからそのまま交代となった。この後のSOは前節同様に山中選手が務めることとなった。

また、72分には自陣内からの攻撃でCTB濱野選手のフォローに入ろうとしたWTB山下選手の肩が相手CTB眞野選手の頭を直撃する危険なプレーによりレッドカード(退場)となった。
その中でも63分には自陣からFB(SO)山中選手が相手のディフェンスラインをランで突破したボールをWTBに入ったモエアキオラ選手が50mあまりを走り切るトライを決めるシーンもあった。
しかし、後半のBL東京は6トライを挙げる猛攻を見せ、 神戸Sは12-51 で完敗した。

(出典)リーグワン公式サイト

後記(第10節を終えて)

やるべきことをやった、でも勝てなかった。

Jスポーツ調べの数字を見ても、両チームに大きな差はない。特に両チームに大きな差はない。ボール支配率や陣地遅配率は全体を通しても互角だが、前半は神戸が60%と上回っていていました。

(出典)Jスポーツ オンデマンド

じゃぁ、この得点差は何だったのか?というと、
「キックをしたボールが神戸Sは選手がいない場所に入る」
「ディフェンスラインを突破後にBL東京の選手が走る距離が長い(=神戸Sのディフェンスがいない)」
という状況でBL東京の方が一気にボールを進めていました。神戸Sが短いパスをつないで小さく繰り返し攻めているのに対して、BL東京は効率よく少ない手で大きく前進する印象です。

神戸Sとしては、確かに大きく負けたけれど、この数字が出せたということは、短いパスとランでFW/BKが一体となって前進する「神戸ラグビー」は実践されていたように思います。

第10節の他チームの試合がおわって、順位は8位に後退しました。この試合で勝ったBL東京も神戸Sとの差が7点と6試合を残して十分な射程圏内だ。とはいえ6位~10位が勝ち点3以内と混戦状態です。10位のチームはDIVISION2との入替戦になるため、各チーム1つでも順位を上げることに必死です。

神戸Sにもまだチャンスはある。まだまだいける!!
BE KOBE!!

第11節は ビジターゲーム vs. BR東京

次節は、ホームの神戸でリコーブラックラムズ東京(BR東京)を迎えます。ここまで苦戦が続いているBR東京ですが、前々節、前節の2連勝し順位を神戸Sの一つ上である7位につけ、勢いに乗っています。
神戸Sとしては勝てる試合と位置付けているはずなので、しっかりとできれば大量得点で快勝してくれることを期待します。


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