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【観戦記】【神戸S】チーム史上最下位。戸惑う気持ち、応援する気持ち ~ 第13節 vs.S東京ベイ

第13節が終わり、応援するコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)はリーグワンの前身となるトップリーグから数えでもチーム史上最下位の9位になった。応援して20年、ずっと「強い神戸」であり続けてくれた神戸Sの状況に正直に言えば戸惑っている。でも、応援する気持ちは変わらない。

この試合が終わって残り3試合。
プレーオフ進出は夢となり、入替戦の対象となる下位3チーム入りがよぎる。神戸ファンとして、また次節も赤色を掲げて、声を上げて応援するだけだ。

NTTジャパンラグビーリーグワン2022-23 DIVISION1 第13節。
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は、現在2位につけるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)と対戦し、14 - 23で敗れた。

ジャパンラグビーリーグワン2022-23
DIVISION1 カンファレンスB 第13節
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)
vs.
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)

日時:2023年3月26日(日) 14:30KO
会場:東大阪市花園ラグビー場(大阪府)

試合の見どころ

第12節までの順位では、全12チームが 5 - 5 - 2に分かれている。神戸Sが入る6-10位チームが1勝で順位が変わる勝ち点4差に入っている。どのチームも勝ち点を1つでも揚げ他チームに差をつけようと必死だ。
対するS東京ベイは現在2位。プレーオフトーナメントはほぼ決定の中で確定に向けてさらにギアを上げる。

カンファレンスが同じであり今シーズンは2回目の対戦となる。前回の対戦は、25-21で惜敗。終始追いかける展開ではあったものの速い展開から得点を重ね、得点数1位のS東京ベイを3トライに抑えるディフェンスを見せ。

両チームのメンバーはこれまでと大きな変化はない。神戸Sは48時間前の選手発表後にNo.8がサウマキ選手からコストリー選手(アーリーエントリー制度適用)となった。神戸Sの楽しみは前節からリザーブで戻ってきたワッカ選手だ。7人制ラグビーのニュージーランド代表に選ばれたスピードで神戸Sを加速させてほしい。
シーズンの後半となり、どちらにも負傷等で出場できない選手がいる中、若手を中心に選手を交代できるS東京ベイの層の厚さを感じるメンバーだ。

会場の様子

週末は全国的に雨の中でも、試合当日の26日の大阪は特に激しい雨。レインコートの上から雨粒が体を打つ感触が分かるほどの強い雨だ。自由席が多い席構成でかつ、人気チームのカードにもかかわらず入場待ち行列は短い。レインコートと傘で会場入りを待つ。

雨だとわかっていたのに、雨対策をしていないコンパクトミラーレス一眼レフカメラを持参。泣く泣くカメラをあきらめてスマホで雰囲気だけ撮影する。暗い雨空の中で光るスクリーンの赤とオレンジがまぶしい。スマホでも天候の悪さが伝わってくる。

今回の KOBE"SMAIL"PARKは雨仕様で多くの催し・展示が室内となったファンクラブの特典である先行入場のおかげでコーロクンとの2ショットや展示を存分に楽しんだ。また屋外に設置されたショップでは選手(写真は有田選手)との交流もあった。

勝たなあかんのです

と答えたのは神戸S・福本チームディレクター(TD)。
試合会場やイベント会場で誰よりも率先して動くTDだ。長く神戸Sファンをする中で何度もお見掛けしているのにようやくお声がけできた。
福本GMにお声がけしたい、と思ったのは第7節後に公開された文書。『コベルコ神戸スティーラーズを応援していただいている皆様へ』と題した文書では中堅順位から抜け出せないことへの満足しない想いと後半への新たな思いが綴られた。

なかなか勝てなかった神戸Sに戸惑っていた私はこの決意表明で「今応援しなくていつ応援するんだ!」と応援する力をいただいた。

そのお礼を伝えたくて話しかけた。その答えが
「でも勝ってないからね。勝たなあかんのです。」だった。ファンへの約束した決意が守れていない気持ち、チームに対して愛のある厳しさ、ファンの期待への思いを一度に感じた一言だった。

試合展開

試合前から続く激しい雨は止む気配がない。そのためパスを受け取るときにボールが手につかない、タックルで走りこんできても止まらない等スリッピーな状態での試合となった。
そのため両チームともキックを多用する展開、神戸S山中選手とS東京ベイファンデンフィーファー選手の両FBがパワーのあるロングキックを蹴ることができる二人の蹴りあいが多くみられた。

前半はS東京ベイSOフォーリー選手のPGで先行した。最初のトライは前半28分、神戸Sのキックオフミスからセンタースクラムを得たS東京ベイは素早くボールを出すとSOフォーリー選手が自ら走って神戸Sのディフェンスを突破すると、バックスメンバがランでつなぐ。最後は一番外に回り込んできたNo.8マキシ選手が左端にトライを決めた。0-13 のS東京ベイリードで前半を終えた。

ハーフタイムを経てますます雨が強まる後半。S東京ベイがPGで着実に点差をつける。神戸Sの逆襲は後半46分、相手陣22mライン上の神戸Sボールのスクラムから展開、FWがボールを持つがなかなか前進できない。いったん右に振れて選手が右に集まる中、SH中嶋選手が中央で空いているFB山中選手にボールを渡すと大きくゲイン。タックルされながらもオフロードパスでCTBバックマン選手に渡しトライとなった。その後は神戸S陣内で責められつづめるも、S東京ベイはTMO判定によって2度のトライをノートライとする。繰り返し攻撃を続けるS東京ベイは、後半60分にHO杉本選手がトライを決めて神戸Sを突き放す。
しかし、今日の神戸Sはそれで終わりではなかった。相手バックスがシンビンで一人少ない状態で、相手ゴール前のスクラムを得た神戸Sは、スクラムから早くボールを出すと、SOラファエレ選手が一番外で待っていたWTBモエアキオラ選手にキックパスをする。キャッチして前進するが相手ディフェンスにつかまると並走していたFB山中選手にパス、そのままトライとなった。相手のバックスが一人少ないことを突いた動作だった。

しかし反撃はここまで。トライ数は同じもののPGで着実に点を積み上げたS東京ベイが 14-23 で神戸Sを下した。

(出典)リーグワン公式サイト

後記(第13節を終えて)

「ディシプリン(discipline)!」

両チームの選手が多く声を掛け合っていた。ノックオンはわかりやすいが、それ以外にも雨で見えない・届かないことによるミスコミュニケーションによる反則の起きやすい天候だった。
勝ったS東京ベイも連続する反則でイエローカードが出るなど規律面では苦戦した。それでも、S東京ベイは神戸Sの乱れを逃さず、確実に点を積み重ねた。

第13節の週末が終わって順位が再び9位となった。今節は上位チームが勝ち下位チームが敗れる順位通りの勝敗だったため、大きな順位の入れ替えはない。神戸Sは引き続き5~10位争いにいる。10位になると入替戦、引き続き厳しい状況は続く。

(出典)リーグワン公式サイト

神戸、まだまだ苦しいが踏ん張りどころだ。

応援で背中を押していくんだ(ふたたび)

神戸製鋼ラグビー部から数えても創部後に一度強くなってからは、ここまで下がったことはほとんどない。応援して20年余りになる私は、神戸Sno山と谷を見てきたつもりだったけど、これほど勝てない苦しい神戸Sを見たことがない。

福本TDの決意表明に「応援する!」と決めたものの、勝てない状況に戸惑う気持ちがある。この試合も試合前から勝利をあきらめそうになり自分を奮い立たせた。

敗北で試合が終わった。

雨の中選手があいさつに回る。
挨拶ではいつも以上に深く長くお辞儀をする。満身創痍かつ敗北で気持ちが下がる中でもファンに手を振る。ファンを愛してくれる選手たちの姿があった。それをレインコートで雨に打たれながらファンが拍手を送る。

その姿を見て「ハッ」とした。
私が神戸が強いから好きなんじゃない。どんな時だって愚直に前に進む、パスとランでアタックを展開する神戸Sのラグビーが好きなんだ。そして神戸と関西を愛して、ファンと一緒に歩む神戸Sが好きなんだ。

やっぱり神戸Sが好きだ。また応援を送り続けます。

第14節は ビジターゲーム vs. 東京SG

残り3節。次節はビジターゲーム、東京・秩父宮ラグビー場で。今シーズン2試合目のフライデーナイトナイターだ。対戦相手は東京サントリーサンゴリアス(東京SG)、3位ではあるがプレーオフトーナメントは約束されておらず4位の横浜E、5位のBL東京が追い上げてきている。東京SGとしては下位の神戸Sに着実に勝利して勝ち点を積み上げたいと本気で来るだろう。

今シーズンは2回対戦、一度目は神戸Sのホームゲームだったが攻撃力で圧倒された敗北した。2回目は負けない、負けたくない。GoGo神戸!!

フォトギャラリー

(雨が強いにもかかわらず、カメラの雨用準備を忘れ。写真はほとんどなく、目未焼き付けてきました)

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