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【観戦記】【神戸S】王者の前になすすべなく~第9節 神戸S vs. 埼玉WK

NTTジャパンラグビーリーグワン2022-23 DIVISION1
後半に差し掛かる第9節で、コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は現在首位の埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)と対戦し、10 - 48 で敗れました。

ジャパンラグビーリーグワン2022-23
DIVISION1 交流戦 第9節
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)
vs.
埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)

日時:2023年2月26日(日) 14:30KO
会場:ユニバー記念競技場(兵庫県)

試合の見どころ

直近2試合で連勝し、4勝4負の五分とし調子が上がっている神戸S。対戦する埼玉WKは現在単独首位。昨シーズン優勝した埼玉WKは今シーズンも連勝を続けています。

埼玉WKの強みはディフェンス。今シーズンの得点はそれほど多くないものの、失点が全チームで唯一の2桁台と圧倒的に少ないのが特徴です。個々のメンバが強く1対1で負けないこと、またチームプレーで何をすべきかわかっておりミスや反則が少ないのが強さなのではないか、と思っています。そして少ないチャンスで確実に得点を取り勝利をしています。
得点力が強みの神戸Sが、ミスを少なくし埼玉WKのディフェンスを突破できるか?がカギになります。

メンバーの注目は注目は「ジャパンのSOは誰だ?→俺だ!」対決です。
埼玉WKの松田選手は、RWC2023の日本代表正SOと目されながら秋シーズンは怪我からの復帰を優先してエントリーせず、満を持してリーグワンで爆発させています。松田選手が日本代表を離れている間に、日本代表SO争いをしたのは埼玉WK山沢選手と神戸S李選手です。李選手は先発SO、山沢選手は先発FBですが、選手交代によってはSOを担います。
強みの異なる3選手がどんな司令塔ぶりを見せてくれるか楽しみです。

謹賀新年!おみくじシート【末吉】

この試合は具選手&北出選手のうさみみに、目が釘付けで「謹賀新年!おみくじシート」を購入しました。
大吉の「KOBELCO EXECUTIVE SEATS」から凶の「バック自由席」まで全6種の座席で、試合前日にQRコードチケットが配信されるまでは、どの席になるかがわからないドキドキのシートです。

(出典)コベルコ神戸スティーラーズ公式サイト

前日に到着したQRチケットは【末吉】のバックA指定席。
「末吉か….(それなら「凶」のほうがネタになったかな….)」と期待せずに行きましが、ほぼ中央8段目のフィールド全体が一望できる良席でした。神戸Sさん、ありがとうございます。

イベント盛りだくさん KOBE"SMILE"PARK

今回もイベント盛りだくさんの KOBE"SMILE"PARK

今回は、どうしてもやりたかった「大人のガチチャレ」に挑戦。ロングパス・タックル・ハイパントキャッチ・プレスキックの4種目。
感覚のギャップが大きかったのはハイパントキャッチです。試合で見ている分には選手は、ジャンプしなければ難なくキャッチしているように見えますが、やってみると「ボールが高すぎて、落下点は全然予測できない…」と実感。改めて選手のスキルの高さを実感しました。

サラマンダーアイコンが入った限定ビスコをGet!! 試合前にテンションが上がりました。

ゴールド会員限定「選手のお出迎えイベント」

本遠征の目玉は、ゴールド会員でも抽選30名限定の「選手のお出迎えイベント」です。通常、バスが競技場の入り口ぎりぎりまで到着してから降りるので、選手はフェンス越しにちらっと見えるか見えないかくらいです。
「選手のお出迎えイベント」では競技場到着から建物内に入る20-30mくらいの歩くところで選手に声をかけることができます。

集合場所からイベントのお出迎え場所まで向かい、待つこと15分余り…。その間も推し選手の話や試合の情報交換でファン同士で楽しく待ちます。

(出典)コベルコ神戸スティーラーズ公式サイト

ようやくバスが到着。

まず埼玉WKが会場入りしました。日本代表選手を多く有する埼玉WK、キラキラのスターたちの入場に、声をかけるにも目移りしている間に通り過ぎる… 興奮している間に埼玉WKは終わり。最後のロビー・ディーンズ監督への「Robbyーー💕」の声掛けで振り返っていただいた笑顔が忘れられません。
次に神戸S。埼玉WKの反省を生かして落ち着いて… と思うもののやっぱり興奮してあっという間に終了。選手はうつむきがちで速足なのですが、名前に気が付くと振り返って手を振ってくださる姿に感動しきりでした。
(手を振りすぎでカメラがブレブレ…. 写真はご一緒したSteelMatesからいただきました)

2チーム合わせても10分に満たないくらいの短いイベントですが、興奮しっぱなしの幸せな時間でした。

会場の様子

最高気温8℃といいつつ、晴れ時々曇り、さらに時々雪がちらつく数字以上に寒さを感じる天候になりました。風は観客席は強くないものの、チームフラッグから上空は時間がたつと風向きが変わる様子が分かりました。
晴れないので寒さが身に染みる…. と3月を前に使い捨てカイロを靴に入れ、両ポケットにも入れました。

地元神戸の人気はもちろんのこと、相手がスターの多い埼玉WKのためメインスタンド・バックスタンドとも観客が多めの印象です(試合中の発表では7,800人強)。

試合展開

埼玉WKのキックオフで試合が開始。
前半2分のファーストスクラムでは、神戸SのFWがセットプレーに強い埼玉WKのスクラムを押し切りコラプシングを得る好スタートとなった。
両者とも相手陣内に攻めては抑えられる攻防のなか、前半16分にタックルに入ったSO李選手のサポートで入った選手の膝が李選手の頭に当たりHIA(脳震盪の疑いのためのチェック)で一時退出となった(入った山下選手がそのまま正式に交代した)。SOは山中選手が務めることとなった。
最初に得点が動いたのは後半17分、埼玉WKが神戸S陣内22mライン付近のラインアウトから展開、密集から出たボールをSH小山選手、CTBデアレンデ選手が外に送ると、最後はこの日が今シーズン初WTBとなった野口選手が選手3人をかわしてトライを決めた。
更に前半23分にはゴールインドロップアウトで、神戸S山中選手のロングキックボールを、埼玉WKのFB山沢選手がキャッチして数歩で態勢を整えると、ドロップゴールを決めた。

一方の神戸も負けていない。チャンスが得点に結びつかない中、前半26分に相手ゴール前でのスクラムからNo.8クッツェー選手が素早くボールを出し相手にタックルされても力でゴール前までボールを運ぶと、LOカウリートゥイオティ選手がLOシカリング選手のフォローを受けてトライを決めた。 
前半はそのまま 7- 10 で埼玉WKのリードで折り返した。

後半最初の得点は、神戸Sで李選手に変わってSOに入った山中選手のペナルティゴール。元々SOを長くプレーし、いつでもSOに変わることができる山中選手だが、1ゲームのほとんどをSOでプレーをする姿は久しぶりだ。

同点となって勢いに乗りたい後半11分、埼玉WK・SO松田選手へのヘッドコンタクトでLOカウリートゥイオティ選手がシンビン(イエローカード、10分間の一時的退場)となる。

14人となった10分間の間に埼玉WKがラインアウトモールからHJO堀江選手がトライを決めて、神戸Sを突き放しにかかる。スイッチの入った埼玉WKは勢いが止まらず、続けて3トライを奪取する。
守る時間帯が長くなって苦しい神戸Sふだが、後半74分には途中出場のリトル選手が故意のノックオンでこの日二人目のシンビンとなった。
試合終了直後にダメ押しの後半5トライ目を浴び、 10 - 48 で埼玉WKが神戸Sを押し切った。

(出典)リーグワン公式サイト

後記(第9節を終えて)

注目のSO対決は、両方のSOが負傷交代のため次の機会に持ち越し。交代でSOに入った山中選手、山沢選手はどちらも素晴らしいキックで会場を沸かせました。

ですが、やっぱり王者は強かった…。

前半は互角の勝負をしたものの、後半は5トライ39点を一方的に与える試合となりました。
ランメーター、ポゼッション等のスタッツはそれほど違いがありません。神戸Sは相手ゴール前まで何度も攻め込みましたが、ここぞというときに反則を取られ守りきられます。

その差は何か?

ラグビージャーナリスト村上晃一さんの解説に答えがありました。

ここぞというときに、全員が判断を間違えない。

JSports解説より

誰が出場しても同じ景色を見て同じ判断をするから一試合だけではなくシーズンを通じて強い。日本代表選手を揃え個々も強い埼玉WKですが、チームの強さはこれまで培ってきた組織の力にありました。

神戸Sは第9節を終わり、4勝5敗勝ち点19となりました。順位変更なく6位で、5位のBL東京との差も変わりません。しかし、TOP4がいずれも勝利したため、決勝トーナメントに進むことができるベスト4が遠のきました。

でも、まだ第9節。7試合残っています。
まだまだいける!!

第10節は ビジターゲーム vs. BL東京

次節は、秩父宮ラグビー場でのビジターゲーム、相手は現在順位が1つ上、勝ち点差3の東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)です。この試合の勝者が5位になることが決まるため、どちらにとっても「負けられない戦い」です。

BL東京はボールキャリ―とゲインメーターで全チーム中一位、他のスタッツでも神戸Sよりも上位で、数字だけ見れば5位にいるのが不思議なくらいのチームです(Jスポーツ調べ)。

(出典)Jスポーツ

好スタッツに対して5位のポジションということは、どこかに隙があるのではないかと考えられます。神戸Sにも入り込むチャンスがあるということとも言えそうです。
BE KOBE!!!

フォトギャラリー

今回はバックスタンド中央やや下から。
横からの撮影は自分の目の前以外は斜めからの撮影になるため、人の重なりが多く撮影が難しい、、といつも感じます。

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