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廣瀬俊朗『なんのために勝つのか。 ラグビー日本代表を結束させたリーダーシップ論』

ラグビーワールドカップ2015イングランド大会で世界中を沸かせた「ブライトンの奇跡」を起こしたラグビー日本代表の陰の立役者、元・ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さんの著書です。

本の内容 出版社のページより

リーダーがすべきことは何か。
真のリーダーシップとは何か――

高校、大学、社会人、そして日本代表のキャプテンを務めてきた著者が明かすリーダーシップ論。チームの心をひとつにするには、「なんのために勝つのか」という大義を見つけることが大切だと著者は言います。エディ・ジョーンズHCが絶賛したキャプテンシーの源、エディジャパンの4年間、さらにはW杯での躍進の裏側まで、すべてを書いた一冊。ラグビーだけではなく、あらゆるスポーツ、ビジネスでも応用できる内容であり、すべての人を勇気づける本となっています。

本の内容 「BOOK」データベースより

リーダーがすべきことは何か、真のリーダーシップとは何か―高校、大学、社会人、そして日本代表の主将を務めた著者が明かすチームをひとつにまとめる秘訣とは。エディージャパンの4年間、さらにはW杯での躍進の裏側まですべてを書いた一冊!

感想 ~ 印象に残ったポイント

今は多岐にわたる活動でキラキラ✨な廣瀬さんに見えますが、東芝ブレイブルーパス、ラグビー日本代表のキャプテン時代は苦労の連続だったことが書かれています。

乗り越える -東芝キャプテン時代-

例えば、東芝ブレイブルーパスのキャプテン時代には、選手による不祥事が相次ぎました。東芝でラグビーができなくなるかもしれない、と思ったところから会社の采配で再開。その時のキャプテンとして話したことを、本著の中で振り返ります。

 夢中で話した。ほとんど泣いていた。だからなのか、このときの言葉は、いままでで一番伝わったと思う。自分をさらけ出すこと。覚悟を決めること。そして、言葉の力を信じること……。
 この瞬間、確かにチームが団結する感覚があった。チームのために、ファンのために、そしてラグビーのために、僕たちは本当の大義を得たように思う。

今、私たちが目にする廣瀬さんは、言葉の力で人々の気持ちを動かします。その気持ちの動きから行動する人々が増えています。
講演などで伺う廣瀬さんの言葉は、廣瀬さん自身が「大義から考え、発する言葉」だから気持ちを動かします。

逃げたら、同じ壁

壁の乗り越え方は人それぞれだと思う。正解はない。僕の場合は、ただ忍耐強くやるだけである。ひたすら考えて、行動して、自分を信じて続ける。何時口すら見えないことも多いけど、自分ができることはすべてやる。

壁を乗り越えてきた、時に乗り越えずに寄り添ってきた廣瀬さんのこれまで、そして培われたリーダーシップ論が、胸を熱くします。

ラグビー日本代表が「勝つ」ことの大義

2012年、ラグビー日本代表に選出され、同時にキャプテンに就任します。

ラグビー日本代表の大義
「日本のラグビーファンを幸せにできる喜び」
「日本ラグビーの新しい歴史を気づいていく楽しさ」

勝つことでファンに喜びを伝えて分かち合い、ラグビーのすばらしさを伝える。ラグビー日本代表が「憧れの存在」になることで、子どもたちがラグビーに触れ、ラグビーの未来を創る。

大義があって「覚悟」「ビジョン」「ハードワーク」をする。

チーム作りの土台となる4つを選手自身が合作り上げていきました。それを通じて、一体となった日本代表は、ラグビーワールドカップ2015で南アフリカに勝利した「ブライトンの奇跡」を起こします。
それがさらに、ワールドカップ2019日本大会のラグビー日本代表の大躍進に繋がりました。この活動は廣瀬さんのリーダーシップが礎となっています。

廣瀬さんコラム「廣瀬俊朗とラグビー」

ラグビー選手会アプリ「RUGGERS」のページに廣瀬さんのコラムが掲載されています。本著の内容と重複するところはありますが、本著以降でさらに進化した廣瀬さんが描かれています。


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