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【観戦記】【神戸S】「神戸ラグビー」の兆し~第7節 神戸Svs.相模原DB

NTTジャパンラグビーリーグワン2022-23 DIVISION1
カンファレンス間の交流戦の第2戦、ここまで3連敗のコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)は三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)と対戦し、49-30 で神戸Sが勝利し、連敗を食い止めました。

ジャパンラグビーリーグワン2022-23
DIVISION1 交流戦 第7節
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)
vs.
三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)

日時:2023年2月5日(日) 12:00KO
会場:相模原ギオンスタジアム(神奈川県)

試合の見どころ

ここまで2勝4敗、特に直近は3連敗の神戸Sは、苦しい状況が続いています。一方の相模原DBは今シーズンDIVISION1に昇格し、ここまで3勝2敗1分と勝ち越して神戸Sよりも上位の6位に位置し、DIVISION1で通用するところを見せています。

相模原DBの持ち味はディフェンス。得点力は高くないが、相手にも取らせない防御力で競り勝ってきている。神戸の強みであるスピードアタックで「緑の壁」を打ち破ることができるかが勝敗の分かれ目となりそうです。

今回の注目選手は、神戸S初キャップとなるCTB濱野選手、R酒木選手、R五十嵐選手、Rマヒナ選手の4人です。新しい風が神戸Sの連敗の流れを吹き返してくれるか?期待しています。

対する相模原DBの注目選手は、WTB韓選手とR安江選手の神戸S出身の二人です。古巣神戸Sの良さも弱さも知っている二人が、どんな攻撃を仕掛けてくるのか?楽しみです。

会場(充実のホスピタリティ)

会場は、相模原ギオンズスタジアム(神奈川県)。JR相模線/原当麻駅から徒歩で20~30分、または小田急線/相模大野駅・JR横浜線/古淵駅からバス+徒歩と、公共交通機関では行きにくい場所にあります。
そこで、相模原DBはシャトルバスを手配、駅からの案内動画に加えて、駅からの順路にわかりやすい幟を持って案内、待っていたのは大型観光バスと初めて行く人にも安心して会場に行くことができました(もちろん帰りも同じバスで乗車場所まで送迎してくれます)。

会場では、たくさんのキッチンカー、ラグビー体験コーナー、選手パネルなど試合前に楽しめる広々としたイベント会場が待っています。SDGsの観点から商品にならない地元イチゴの配布があるなど、地元を大切にしたコーナーも設けらえています。神戸Sファンにも優しく神戸Sオフィシャルグッズ販売コーナーもオープンしました。

また、試合後には会場外でノンメンバー(試合に出場していない選手)がお見送り。ラグビーワールドカップ2019での過熱したファン対策~新型コロナウイルス流行でしばらく見なくなった風景。これまで知らない選手でも挨拶して笑顔で「また来てくださいね~」と声をかけてくれると、また来たくなってしまいます。

会場(ピクニック気分になれるスタジアム)

晴天、最高気温10℃、北風が吹き抜けるゲームデーとなりました。
(後半はかさむ気が変わって、なぜか相模原DBが常に風上になる、自然さえ味方につける相模原DB…)

サッカーJリーグSC相模原のホームスタジアムとしても使用される相模原ギオンズスタジアムは、メインスタンドの白い屋根がきれいな会場です(バックスタンドは屋根なし)。陸上競技も行う総合運動競技場のため、トラック等の幅で観客席からフィールドは少し遠めです。

ゴール裏は広い芝生席。家族連れやのんびり観戦したい仲間で、ピクニックシートを広げての観戦ができます。試合中にじっとしていられない子どもたち #うりぼあーず が目の前を走り回るのもご愛敬です。

試合展開

相模原DBのキックオフで試合が開始されました。最初の得点は前半5分の神戸S。相手陣内深くでのラインアウトからFW/BK一体となって展開した神戸Sがゴールライン前まで詰め寄ると、LOシカリング選手が長身を伸ばしてゴールにボールをねじ込んでトライを取りました。
前半18分にはこの日初キャップのCTB濱野選手が相模原DBのディフェンスラインを突破、30m以上を走り切って初キャップ初トライを決めました。
14点をリードした神戸Sですが、前半36分にはゴール前のペナルティでSH徳田選手がイエローカードで10分間の退場をするピンチとなった。WTB山下選手をSHポジションに置き、何とか防御しトライされることは逃れ、14-6でリー推して前半を折り返した。

後半最初は、過去2試合と先制点を決められ、その後崩れることとなった”魔の時間帯”、かつSH徳田選手を欠いた14人でのディフェンスとなった。後半43分、相模原DBはパスで左右に展開しつつ前進、人数の少ない神戸Sのディフェンスの穴をついて突破します。再保はCTBブラッキン選手のラインブレイクからWTBホネティ選手がトライを決めました。

嫌な流れ….
しかし、この試合の神戸Sは違いました。

すぐさま切り替えた神戸Sは後半59分、戻ってきたSH徳田選手を起点に前半同様に展開ラグビーで相手陣内に入ると、CTBバックマン選手のロングパスからFLサウマキ選手、WTB井関選手とつないで最後はWTB山下選手が右隅にトライを決めました。さらに後半55分にはラインアウトモールで押し込み、神戸S初キャップの五十嵐選手が着地させるFW主導のトライも見せました。
後半には元・神戸SのベテランHO安江選手に2トライを献上するものの、後半だけで5トライを取り相模原DBに快勝しました。

(出典)リーグワン公式サイト

後記(第7節を終えて)

神戸Sの連敗は3でストップしました。選手、スタッフ、ファン待望の勝利となりました。喜ぶのはもちろん、少しほっとした気持ちです。

第7節を終わり、3勝4敗勝ち点15となりました。勝ち点は相模原DBと同じで直接対決で勝利した相模原DBを上回り6位に浮上しました。

(出典)リーグワン公式サイト

今回の勝因には「神戸ラグビー」であるスピードを活かした展開ラグビー復活の兆しがありました。メーターキャリーが723m、ラインブレイク(defenders beaten)が33(JSports調べ)と、パスとランによって相手のディフェンスラインを突破して前進していることが数字でもわかります。
また、今回はFWがラインアウトからのサインプレーでトライを取り、SO李選手はキック成功率100%でした。個々の選手がやるべきことをやって掴んだ勝利でした。
苦しい試合が続いていましたが、この試合は「神戸Sは上昇しているんだ」と感じられる試合でした。

神戸Sが神戸らしく攻撃したのに対して、相模原DBの持ち味であるディフェンスに弱さがありました。タックル124に対してタックルミス33(JSports調べ)と苦しい状況となりました。
素晴らしいファンサができる愛すべきチーム相模原DBには引き続き「D1の台風の目」であり「緑の壁」でいてほしい。頑張れダイナボアーズ。

第8節は ホームゲーム vs. 静岡BR

次節は1週あけて2月19日(日)にホームに静岡ブルーレヴス(静岡BR)を迎えます。今シーズン序盤苦戦したもののここ2試合は連勝して勢いに乗り静岡BRは、スクラムやラインアウトなどのセットプレーからの攻撃を得意とするチームです。アンストラクチャー(整然としていない状態)での展開ラグビーを得意とする神戸Sとは特徴が大きく違います。
ペナルティで試合を切らないことで、セットプレーを減らし神戸Sのペースで試合を進められるか?が鍵になります。

BE KOBE!!!

フォトギャラリー

今回はゴール裏芝生席から。トラックの分だけ遠くて、私のカメラとスキルではぶれもぼやけも多いけど、正面から選手を撮影できるのがとてもいいです。

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