スイム(ボカコレ'24冬参加曲) とみきしまごはん
開催おめでとうございます!
まずは、ボカコレ'24冬の開催おめでとうございます!主催者及び投稿されるクリエイター皆様、お疲れ様です。
前回初めて作曲及び投稿参加をしました、みきしまごはんと申します。
今回も「スイム」という新曲を用意しました、予約投稿では無いので多少のラグはありますが、もし見つけていただけたら是非聴いてもらえると幸いです!
みきしまはタイミング悪く開催中ほとんど仕事のため、ちょこちょこと聴くスタイルになると思いますが、のんびりと巡回したいと考えています。
さて、このnote投稿では新曲のことについて、自己満足and備忘録として書き連ねたいと思います。曲の補完として、また曲を投稿する上での一つのケースとして物見遊山的に楽しんでもらえると嬉しいです。
あ、アップ終わったので、URLはこちらです↓
曲名及びテーマについて
まず、曲名の「スイム」ですが、実は「泳ぐ」は後付けで『睡(すい)眠』と『夢(む)』の読みから決めています。
というのも、これまで過去2作の経験から、テーマに沿って制作するスタイルが自分に合うと思ったので、今回もテーマを決めることに。そこで、深い意図がある訳でなく、単純に寝ることが好きなので、ひとまずのテーマにしました。(マジでこんな適当にスタート)
元々1作目の「浮遊」制作後に、ギターで適当に弾いて浮かんだAメロだけが最初のアイディアとしてあって、テーマに沿って”夢をずっと見ていた”という歌詞を当てた時の言葉の響きが馴染み良かったので、テーマとして本決定。また、コード進行を模索する中、適当に弾いたG♭maj7(9)→Fm7(+5)の進行の響き(多分合っていると思いますが…)が凄く綺麗で、この曲の世界観はこれだ!と方向性が固まり本格的に作業に取り掛かりました。
それならと、「睡眠」や「夢」に関連するものを考えるうちに、『胡蝶の夢』の話を思い出し、当然それだけでは尺が埋まらないので、『夢は記憶の整理』という説(諸説あるらしい)からも着想を得て進めました。
また、今作の裏テーマとして『浮遊の続編』を掲げていました(デモデータ名も「浮遊続編」だった)。「浮遊」は自分にないものでも試行錯誤の末完成させたので、なんだかんだ思い入れがあります…。
余談ですが、尊敬する辻村深月さんの作品で見られるスターシステムのように、今後の制作でも過去作に通じる要素を散りばめられたら面白いなと考えています。…というのが今作の根幹にあるものです。
歌詞について
前述のとおり、睡眠や夢をテーマに連想される言葉やイメージを繋げていこうと考え、曲名は冗談半分だったけど、"記憶の中を泳ぐ"という言葉が「記憶の整理」に近いイメージに感じたこと、また「泳ぐ」から連想される水のイメージが記憶そのものに近いように思ったので、適当につけた割に凄く助けられました。(辻褄合わせが凄い)
前作の「蒼氓」はなるべく韻を踏むことがテーマだったので、韻が近い言葉や四字熟語を調べるのにだいぶ苦労していました。
一転して今作は導かれるかの如く自然に決まって自分でもびっくり。
唯一こだわった個所が、サビの"記憶のプール"で、当初は「記憶の海」だったけど、[海は自然物で、記憶は人工物だからプール]…という謎理論によって変更しています。こういった人にとってはどうでもいい、別に大差ない場合でも自分を納得させる決定は大事だと、妙に理屈タイプなみきしまは感じています。
そうやって自然に任せて作った結果、全体的に喪失感のある歌詞になったのは自分でも不思議。
ただその中でも、最初のサビで"息を止めて深く潜った"曲中の登場人物(かどうかはわかりませんが)が、大サビで"呼吸と共に日々を泳ぐ"になったのは、言葉として繋がりがあるのと同時に、なんとなく前向きになっているイメージが浮かび、我ながらいいじゃんと思っています。
また、裏テーマの「浮遊の続編」としても、「水面」、「泡」、「浮力」といったワードを使えたので、密かに達成感があります。やったね!
音色について
テーマと同時に今作は「制限」を課しており、①ギター禁止、②Serum禁止、③Addictive Drums禁止…の3つを掲げて制作しています。それが自分には難題(ならやらなければ良いけど、思いついたからには面白そうだし…)で、どの曲にもほぼ使用する3種の神器だったので、歌詞で苦労しなかった半面、音色選びで苦労しました。
ちょうどその頃かな、セールになっていたArturia社のV Collection9とPigments4を導入(ついでにFX collection4も) し、プリセットをとにかく一通り全部試して使える音色を探したりしました(脳筋)。
もともとはアナログシンセってなんぞ?という疑問を解消したい思いがあったけど、今作ではそこまで踏み込めておらず…しかし、Arturia製品の音源群、特にPigmentsの汎用性に気付けたのが大きかった。
ほぼ全編なっているピアノはPiano V3、1サビ終わりのストリングスはAugmented STRINGSですが、他のシンセ系は勿論Bメロのシーケンスフレーズや、2番AメロのスラップベースとかはPigmentsで鳴らしています。しかもこれ、プリセットあんまいじらずこれだぜ、すげーだろ(そこまでシンセの知識がない)!!
挑戦としての意味合いで、以前からの課題だったピアノとストリングスを採用。ピアノは基本白玉、ストリングスも現実に使える音域かはわからないけど、そこまで違和感はないように使えたように思っています。
音色というか、ボーカルは今回も千冬さんにお願いしています。相性とか関係なく千冬さんが好きですが、今作みたいに吐息っぽい雰囲気は特に格好良く響くように感じました。
大サビのコーラスも制作の思いつきで採用したけど、綺麗で儚い感じが出ていて我ながらエモい!と自慢のパートですw
構成について
大胆なところとして、大サビ後のブレイクはデモ当初から構想していて、実装できてよかったw(なお、元ネタは9mm parabellum bulletのdiscommunication)
このブレイクパートは入れたいと思う反面、他は制作しながらその場その場で構築。ただ、コード進行については<Scaler2>を上手く活用できて、今後の制作にも役立てられるなぁと思いました。なお、ブレイクパートにはAKAIの<Flex Beat>を使用。エレクトロ系の制作にあたって、こういうスタッターは取り入れたいので、これもとても良い経験になりました。
他にも、冒頭Aメロ後と終盤ブレイク後の合計2回左チャンネルでアラーム音を鳴らしており、2重の夢から醒めた…即ち『胡蝶の夢』の物語を表現したいと思って実装しています。
それと、前々から試したかったシンプルな形で1か所のみだけど、クリシェを使ってみて良い感じのアクセントになったと思うこと、FX系に関してもアラーム以外に時計音、ライザー系諸々入れていて、中でもウォータードロップや波の音を使えたのは歌詞同様に裏テーマ的に達成感があります。
一番こだわりとして、ラスト「願った」の部分、演奏もボーカルリバーブも全部ぶった切って、その言葉だけがはっきり浮かぶようにした…というところ。寝ながらここを聴くと気持ちよくなれますw
動画について
大部分はTextAlive様の機能をお借りしています、この場をお借りし、謝辞を。
前作にて無色透名祭の参加するため、動きのない文字だけのPVを制作できるよう、<Filmora>を導入し、エフェクト関係の処理をしています。他にもフリー素材にて透過処理されている降雪を逆再生して泡っぽくしたりしているので、良ければ探してみてください!
動画も絵コンテ作らずその場の思い付きで制作、大サビに差し掛かる部分、エフェクトが入って色が変わる演出も思い付き。そこ用に改めてフォント変えたバージョンで動画を書き出したけど、結果としてエモくなって満足。
ブレイクパートの演出も、実際にその部分でメーター類を画面録画して、エフェクトを試行錯誤しながら作成。アラームが鳴る直前にパッと明るくなるような演出は、大サビ中"やがて差す光と"という歌詞に合わせるためで、ここでいう光が「朝陽」を指していて、目覚めには必要という意図で表現してみました。
ラストの"願った"の部分は、当初そのまま「願った」のみをドンと出で終わりだったけど、物足りなかったので胡蝶の夢に結びつけるため蝶を飛ばし、さらに一文字ずつ表示させてみたらエモくなって満足。
余談ですが、この演出はパラパラ漫画みたいに静止画を一枚ずつ貼って作成。これまた静止画を作る手間はあったけど、やってよかった。当然だけど、こうやってアニメって作るんだなーって思いました。
振り返り
実は当初DnBにするんだと意気込んでいましたが、ぜーんぜんDnBにならずwでも結果として、浮遊感のあるエレクトロポップになって、我ながらおすすめしたい一曲に思っています。
また、無色透名祭の参加で他の方の曲も聴いて、『音楽だけでも十分に満足感は得られる』と思った。他の方と比べると殺風景な動画ではあるけど、音像が浮かぶような曲として、聴き減りはしないのではと思っています。
できれば、脳裏に各々の風景を思い浮かべて楽しんでもらえると嬉しいです。
最後に
長々と連ねましたが、そんなことは置いといて、この曲が誰かの心にちょっと残るような出会いをすると良いなぁと、作者としては願っています。(年末年始を注ぎ込んだので、愛着どころか執着だなw)
色々な思惑はあると思いますが、ボカコレ楽しみます!
ではでは、今宵も良い夢を!みきしまごはんでした〜!
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