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9/29 あなたもわたしもそこにいていい

 歳をとるとは面白い現象で、20代の時の感傷はどんどん遠いものになっていく。でもそれはけっして「忘れる」とイコールではない。遠いものになっているからこそ、改めて手元に引き寄せて愛でられるということでもある。自分とそれがぴったりと重なっていたとき、あるいはいつも手元でいじり回していたときには、こんなもの到底愛せないと思ったりもしていたのに。

 と、ここまで書いて思ったけれど、「愛せるからいい」というものでもない。なんだっていいのだ、本当は。

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