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封筒の裏の計算

簡単な計算で問題に対する洞察を得ようというアプローチを封筒の裏の計算と呼ぶ.

先日亡くなったBartholdi III先生の得意技だが,彼のwarehouse scienceのページのリンクが切れていたので検索してみたら, ある会社が管理してくれているようだ.

この会社も封筒の裏の計算のサービスを提供している.基本的なデータから,1件あたりの配達費用などの指標を計算するものだ.

中身がどうなっているか気になって調べてみたら,以下のようになっているようだ.

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パイソンで計算するのも簡単だ.

d = 250 #年間稼働日  (日/年)
h = 7.5 #稼働時間 (休憩時間を除く) (h/日)
gph = 8 #guaranteed  pay hours(最低保障時間) (h/日)
c1 = 20 #運転手の時給  ($/h) 
c2 = 10 #補助員の時給  ($/h)
benefit = 0.3 #福利厚生費の割合 (最低保証時間分の費用に対する)
f = 10000 #トラックの固定費用  ($/年)
v = 0.08 #トラックの変動費用 (燃料費除く) ($/mile)
mpg = 7 #1ガロンの走行距離  (mile/gallon) 
cpg = 2.8 #1ガロンあたりの費用  ($/gallon)
spr = 15 #spots  per route (1ルートあたりの件数)(件/route)
mpr  =128 #miles  per route(1ルートあたりの走行距離) (miles/route)

vc = v + cpg/mpg   #トラックの総変動費用  ($/mile)
print("トラックの総変動費用 ($/mile)",vc)
vcpr = vc*mpr   #variable  cost per truck;1ルートあたりの変動費用 ($/day/truck)
print("1ルートあたりの変動費用 ($/day/truck)",vcpr)
fcpd = f/d + (c1+c2)*gph*(1.+benefit) #1日あたりの固定費用 (トラック+人件費) ($/day)
print("1日あたりの固定費用(トラック+人件費) ($/day)",fcpd)
cpm =  fcpd/h/60 #cost  per minute(1分あたりの固定費用) ($/minute)
print("1分あたりの固定費用($/minute)",cpm)
cpd =  (fcpd+vcpr)/spr  #cost  per delivery 1件あたりの配達費用 ($/件)
print("1件あたりの配達費用 ($/件)",cpd)

配送計画問題の漸近値解析などはまったく入っておらず,単なる計算だ.エリアの面積,トラック台数,平均時速などから,全体の配送費用を計算するものを作っても面白そうだ.


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